二つの別狩岳〜その1(北)

〜趣のまったく異なる山〜

平成18年1月29日  同行者: 札幌やまびこ山友会 2名
 石狩の当別町と旧浜益村、厚田村の境には400〜700mの低山が連なっている。それらの山のなかに別狩岳があり、しかもこの山は北にある726m峰と南の666m峰の二つのピークがあるのだ。
 ここでは、北の別狩と南の別狩とわけて使うことにする。そして、まずは北の別狩岳について書いてみたい。

 平成18年1月下旬に仲間とともに訪れた。仲間というのは、僕が所属している山岳会〜札幌やまびこ山友会のメンバーである。
 この日は曇ってはいるもののときおり晴れ間ものぞきこみ雪も降らず風もない穏やかな日であった。

 この山に登るためにはまず林道を延々と3km以上歩かねばならない。その道半ばを過ぎるとやっと目的の北の別狩の姿がはっきりしてくるのだ。
 とはいっても、ピークは更に奥まったところにあるので見えない。

 林道はいつしか途切れゆったりとしたアップダウンの平原を歩いていくと、尾根と尾根の隙間に吸い込まれていく・・・。

 五番川を渡渉するためのスノーブリッジを捜す。奥に進んでいくと1月も後半になればたいていは巨大なブリッジが架かっている。そして、更に奥に進み、緩やかな斜面から取りつくのである。
 最初こそ、樹木が密生しているところもあるが、次第に疎林となり絶好のスロープが広がってくる。

 しばらくは、このゲレンデを登る。

 このあたりは日本海からの季節風が激しく吹き、降る雪の量も多い。もともと豪雪地帯なのだ。1月のこの時期に今日のような穏やかな日は珍しい。いつもは撤退の方が多いのだ。

 前峰から見るピークは雪庇が今にも崩れ落ちそうな状態であった。大きく右側から廻りこんでピークに向かう。

 ここからの眺望は周囲でも一番高い地点だから悪いはずはない。雲に覆われながらも神居尻山やピンネシリそして暑寒の山々がくっきりと見える。

 今回ぼくがあらためて驚かされたのは、西側に連なる幌内山であった。その稜線の厳しさに大きく目を見開いた。

 そしてまた、手前の広々とした尾根・・・ここもまたすてきなスロープとなるのではないか?
このようにあちこちに疎林のスロープが満ちているのだ。
 とはいえ、南の別狩に連なる稜線を見るとなかなかに厳しい道程のようにも思える。彼方に南の別狩らしきピークが窺える。
 この途をいつか歩くことができるときがくるのだろうか・・・。

 三月半ばにもなれば、このあたりにもクマゲラのドラミングが響きわたるだろう。(了)


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