二つの別狩岳〜その2(南)

〜趣のまったく異なる山〜

平成19年2月24日  同行者: 札幌やまびこ山友会 2名
 平成14年から願っていた南の別狩岳にいってきた。標高666.24m。さして高い山ではない。けれども、なかなかに登りにくい山だと思う。

 マイナーな山である。
 この山はそれでいいのだと思う。別にメジャーになることもない。なにしろ、林道歩きがあり、尾根は細く、急峻であり、山スキーで登るのにはいいとしても、滑り降りるには難がある。沢は下部ほど切れ込みが大きく、深い。
 雪庇地帯もあり、斜面のトラバースも急斜面だけに気力と技術も必要かもしれない。
 総じて登りはそれなりのものがあり、降りるには一段の難しさが加わる山だと思う。低山ながら、辛口の山であり、気をぬくことができない山である。

 この山を歩くにはルート設定が核心となる。
 今回も会のメンバーと歩いた。厚田側からのルートである。

 下の写真は標高点407mからの別狩岳である。木がかぶさり、わかりずらいがピーク周辺の様子が窺える。昨年はこの407まできて、時間ぎれで撤退した。
 昨年のルートは、尾根の末端に取りついてそのまま歩いてきたのだが、アップダウンも多くて消耗したのである。また、この407m地点に来たときには、天候も悪化し吹雪きはじめていた。
 今年は林道をしばらく歩いたのち、昨年の降り口近くから細尾根を登ってきたのだった。こちらの方が早くて時間がかからない。

 ここからしばらくは雪庇地帯となる。今年は少雪のせいか、場所によっては幅が1〜2mのところもあり慎重に歩いた。両側はもちろん急斜面であり、落ちたらなかなかあがってこれないし、場合によっては永遠に戻れないかもしれない(~_~;)

 僕たちは核心部はスキーを脱ぎ、つぼ足で歩いた。スキーを操作できないほど狭く、急斜面になっているのである。

 407mから約40mほど降りて最低コルにつく。ここから約300mを一気に登ることになる。ただ、しばらくは細尾根だが、登るにつれだんだん尾根は広がっていき、スキーで滑るのには面白い緩やかな斜面になっていく。北の別狩岳もそうだが、ピークに近づくにつれて斜面が広がり緩やかになるのは共通している。

 ピークに近づくにつれて天気も回復してきた。そして午前11時30分にピークについた。午前7時55分に出発し、林道の1時間歩きを含めて3時間35分で到着したのだった。
 ドンドン雲がうすれていき、眺望が開けていった。神居尻山、ピンネシリなどの山々もはっきりと見える。真下には青山ダムがみえる。

 暑寒別方面や北の別狩岳も見えてきた。暑寒別の徳富岳なのだろうか、当別四番川の丸山の奥の方に特異なかたちで浮かびあがっている。とすればそのさらに奥には雨竜湿原が広がっているはずである。残念ながら暑寒別岳の方向は雲でみえない。

  北に目を向ければ、あの北の別狩岳が見える。周囲の山に囲まれてわかりずらい。

 さて、この山から降りるのも難しいテーマである。このピークの下の斜面はスキーも面白いが、その下がけっこう難儀な斜面である。ぼくたちはトラバースを選んだが急斜面なために相当に慎重に足を運んだ。
 今年は暖冬のせいもあり、沢は口をあけているようだ。雪質も違う。
 時間をかけて降りた。さすがに林道まで降りると安堵のため息がでた(^^♪

 それにしても、念願の山に登れてうれしさもひとしおである。近いようで遠い山、この山は遠いままでいいのだと思う。いつか、また、訪れることもあるかもしれないけれど、ただ夢をそのまま抱きつつ「遥かなる山」その存在のままでもいいのだと思う。(了)


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