残雪の十勝幌尻岳

〜名だたる眺望の山〜

平成15年5月18日 日帰り登山 同行者: HYMLの仲間3名
 勝幌〜十勝幌尻岳は眺望の山といわれている。この山は主稜線から離れているだけに日高の主なる山を一望のもとに見渡すことができる。その眺望を求めて、平成15年の5月にHYMLの仲間とともに訪れてみた。

 朝早くに札幌を出発し登山口に通じる林道に入ったのは7時をすぎていた。林道にはすでに雪はなくて駐車地点に車を置くことができた。
 はじめは沢沿いに歩いていくのだが、ここでも雪はなく順調に進んでいく。しかし、沢を離れ尾根にとりついてから雪があらわれはじめた。雪は柔らかくときどきスポッとはまるものの歩きやすい。ほぼ夏道にしたがってトレースがありとても助かる。
 ただ、雲がたちこめ果たして望みどおりの眺望がえられるのか心配になってくる。

 日高の山は急登が多い。この山も例外ではなく、おまけにトレースは直登気味になっていき、気温も上がって雪にはまることも多くなってきた。一歩一歩確実に歩く。なかなか辛いものがある。

 稜線の肩のところまで登ったときに我々は雲の塊りのなかから抜け出た。一挙に展望が開けてくる。
仲間たちの口から驚きの声がもれる。これまでの苦闘が報われる想いがする。ピークももうすぐだ。

 雪庇の発達した稜線を慎重に歩きついにピークに到達する。そこには雪はなく土と岩と草の春の世界が広がっている。
 
 日高の山の連なりが目に飛び込んできた。みなの感嘆のため息がもれてくる。約5時間歩いたご褒美として神さまからのプレゼントなのだろうか・・・。


 日高の盟主である日高幌尻と右に戸蔦別岳が見える。




 左手の札内岳がある・・・。



 ここから去りがたい気持ちになる。こんなにすばらしい眺望を僕たちだけで独り占めしていいのだろうか?誰も後から登ってくる者はいない。僕たちでさえ雲を突き抜けた上にこのような世界が広がっているなんて思いもよらなかったのだから・・・。(了)


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