エイズは現代において未だ有効な治療法が発見されていない感染症の病気である。感染すれば高い確率で死亡する。。。
UNAIDS(国連合同エイズ計画)およびWHO(世界保健機関)によると、エイズの原因であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者は、2005年末現在、世界中で合計4,030万人(3,670〜4,530万人)に達していると推計しています。このうち成人は約3,800万人(3,450〜4,260万人)、15歳未満の小児が約230万人(210〜280万人)です。
日本では、2006年3月26日現在、エイズ患者3,715人・HIV感染者7,536人が報告されています。 感染経路で見ると性的接触によるものが88.0%も占めており、なかでも日本人男性の増加が目立っています。
エイズは主に血液、精液、膣分泌液を介して感染する。感染する経路としては、
1 性行為(異性間、同性間)によるもの
2 母から赤ちゃんへの感染
3 注射などの打ち回しによるもの
以上3点が上げられる。このなかでも性行為による感染が約半数を占めている。性的欲求を抑え難い若い世代の人々のためにもここでは主に性行為による感染について見ていきたい。
では、どのようにして感染を防ぐか。それにはセックス(オーラルセックス:フェラチオ、クンニリングスを含む、以下ここであげるセックスとはオーラルセックスを含むセックスを意味する)をしないことであろう。100%予防するためにはこの方法しかない。それが不可能であれば、セックスの際には必ずコンドームを正しく使用するということである。コンドームを正しく使用することは、エイズ以外の性感染病(STD)を防ぐ手段としても有効である。
性的情報が氾濫している現代において、セックスは明らかに多様化している。まずその多様化というのは具体的にどういうことかを見てみると、フェラチオ、クンニリングス(この口膣性交をオーラルセックスという)、肛門性交、指を使ったセックスが上げられる。これらの行為における、エイズの可能性について順次見ていきたい。
結論から言えば、感染の可能性はあります。HIVは粘膜(口の中、ペニスの先端の尿道口、膣内、直腸内、眼)、傷口などに先にあげた3つが侵入することによって感染します。口の中は粘膜ですから、男性が口の中で射精した場合、それを受けた側は感染の可能性が生じるということです。もし口の中で射精された場合速やかに吐き出すことが、感染の可能性を低めることにはつながります。精液を飲むなどの行為は危険です。(仮に精液を飲んだとして、胃液で消化することもありますが、絶対に安全とは言えません)また射精前に出る分泌液にも精液が含まれていることからその可能性は否定できません。
それではフェラチオをされる側の場合を見てみると、ここでの問題はフェラチオを行う側の唾液から感染するかということになります。唾液にはHIVはほとんど含まれていないと考えていいようです。(バケツ3杯分くらいの唾液に触れない限り大丈夫です)感染の危険性として考えられるのは、フェラチオを行う側の口内が出血している場合です。ペニスがそれによって真っ赤に染まってしまうほどのことがあれば危険性はあります。唾液によるエイズ感染の心配はありませんが(キスなどでも感染しません)クラミジア、淋病,梅毒などの他のSTDでは唾液、口唇、喉などからの感染があります。他のSTDを防ぐためにもフェラチオの際もコンドームを使用することが大切です。
結論を言うと感染の可能性はあります。クンニリングスの場合、膣分泌液を口から吸収することになりますから、フェラチオで言えば精液を飲むことに相当すると考えていいでしょう。(血液、精液、膣分泌液の中でどれが最もHIVを含むかというと、血液、精液に次いで膣分泌液だと言われています)フェラチオの場合、コンドームを付けることにより予防が可能ですが、クンニリングスの場合ではそうはいきません。無防備な(相手が感染者であるかどうか不明な)クンニリングスをしたときは速やかに口内を洗うことが感染の可能性を低めることにはつながります。
クンニリングスを受ける側としては、クンニリングスを行う側の口内から出血していないかどうかが危険性を見分けるポイントになります。どちらの場合にせよクンニリングスではコンドームのような有効な予防手段が今のところないので、特に用心することが大切です。
コンドームなしの肛門性交では、ペニスが膣性交に比べて傷つきやすいことから感染の可能性があります。
感染の可能性はあります。膣内に指を挿入した場合、指先に傷(傷の程度は傷口が裂けて、中の肉が出ているような状態。ちょっとしたささくれ等では大丈夫です)があると、そこから感染する可能性があります。
以上多様化する性を主題にエイズ感染の可能性を見てきました。次にセックスにおける挿入行為からの感染について見てみましょう。
男だけのショップ
↓ ↓ ↓
特定のパートナーがいる、いないに関わらず、感染者ではないということが確認できるまではコンドームなしのオーラルセックス、膣内挿入行為は避けるべきです。逆に言えば、感染者でないと分かり(血液検査でしか分からない)、お互い他にパートナーがいないと分かれば安全です。現在1回のセックスで感染する率は0.1〜1%と言われています。この数字を見ると「100回に一度の危険性」と思うことがあるかも知れませんが、そうではありません。HIVは感染率が低いということを示しているにすぎません。事実一回で感染した人もいます。
コンドームなしの膣内挿入行為では、精液、膣分泌液(生理中であれば血液)に直接触れることになります。ペニスの先端の尿道口などの粘膜や他の目に見えない傷からHIVは侵入します。膣外射精であっても女性の場合は、先走り液による感染の可能性があります。同時にこれは妊娠の可能性もあります。(先走り液による感染は明らかではありませんが、その中に精液が含まれていることから可能性はあります)この時、他の性感染症にかかっている場合、その感染率は高くなります。これはSTDによりペニス、膣内が炎症を起こしていると、そこから感染することがあるためです。コンドームを正しく使えば、感染者であっても膣内挿入行為によって感染することはありません。以下Q&A方式で見てみましょう。
Q1 挿入行為の時間の長短は感染と関係があるか。
A 確率としては、短い方が低くなります。
Q2 射精によって尿道などに侵入したHIVを吐き出すことにはならないのか
A なりません。射精する前にVIRUSは侵入します。
Q3 無防備なセックスをした場合の応急処置はあるか
A 行為後、男性、女性とも性器を洗うくらいしか考えられないのではないでしょうか。何よりもコンドームを正しく使うことです。酒気を帯びた状態では自制心をコントロールできなくなることもあります。
Q4 生理中の女性とのセックスは危険か
A 生理中に性行為をするということは、膣内分泌液の他に血液にも接触することになります。血液が膣内分泌液より多くのHIVを含んでいることから、感染の確率は高くなるといえます。
Q5 コンドームが破損した場合はどうすればよいか
A 性行為の時コンドームが破損した時は、男性は排尿、射精で尿道内の病原体を排出します。
女性は立ち上がり、腟内の精液を排出し、さらにビデなどで腟内を洗浄します。
直腸内の精液は排便、浣腸で排出します。
Q6 挿入行為の間にペニスが小さくなった(中折れ)場合
A 挿入行為の間にペニスが収縮した場合は、コンドームが外れてしまう前に根本を抑えながらペニスを抜くという処置が考えられます。コンドームは完全に勃起した状態で正しく装着するのが望ましいのですが、多少の(外れてしまわない程度)ペニスの収縮では大丈夫です。
Q7 コンドーム以外の予防法はあるか
A コンドーム(男性用、女性用)以外の防止策は現在のところないと考えていいです。ピルは避妊薬であり、STD予防の効果はありません。ペッサリーは正しく装着すればほぼ確実に避妊効果はありますが、STD予防にはなりません。このように避妊とSTD予防は別問題です。STD予防にはコンドームを使用しましょう。
Q8 STDとHIVはどうちがうのか
A 性感染症(STD)という意味においては同じです。エイズを除くSTDは治療により治ります。他のSTDに比べて、HIVは病原体の感染力は弱いといわれています。
Q9 日常生活でエイズに感染するか
学校、職場、家庭等での日常生活ではうつりません。またコップの回し飲み、同じ鍋をつつく、咳、くしゃみ、風呂、プール、理容、美容院、トイレ、ペットなどから感染することはありません。
正しくコンドームを使用すればHIVを防ぐことができます。またその他のSTDの予防にも有効です。
1 コンドームには使用期限があることに注意する。熱や摩擦の多い所は保存に適さない。
2 爪でゴムを傷つけることがあるので事前に切っておく
3 コンドームを包みから傷つけないように取り出す
4 精液だまりを軽くつまみ空気を抜く
5 勃起したらすぐにペニスかぶせる
6 ペニスの根元にたるんだ皮膚が残らないようしっかりかぶせる
7 射精後はペニスが小さくなる前に抜く
8 ティッシュ等に包んできちんと捨てる
* ワセリンやオイルはコンドームを痛めるので使用を避ける
男だけのショップ
↓ ↓ ↓

HIV,STDを予防するには、セックスしないことが100%の予防策であると前に述べましたが、せっかくパートナーがいるのにそれは難しい問題です。過去に無防備なセックスをしたことがないカップルでその他のパートーナーがいないのならば安心です。しかしエイズは潜伏期間が長い(未治療の場合平均10年)ため過去のパートナーからの感染も考えられます。パートナーのどちらかが感染しているの気がつかずに無防備な性行為を行い感染したという例は多く見受けられています。
性行為においてエイズに感染した人はどこから感染したのでしょうか。その統計は出ていません。一般的に日本では性風俗店や外国人娼婦が危険だと考えられているふしがあるようです。しかしこれは性風俗店関係者や外国人娼婦だからということではありません。大切なことは本人がどれだけ予防をしているか(コンドームを使っているか)ということです。性風俗は現在非常に多様化しています。共通して言えることは、自分の身を守るのは自分だということです。他人まかせではなく、性行為の際にはコンドームを自ら使いましょう。
性風俗関係者であれば、それだけエイズに限らずSTDに感染している可能性は高いといえるでしょう。やはり不特定多数の人及び不特定多数の人と性交渉を持つ人との性行為は避けるべきです。性風俗関係者及びその顧客は自分の責任でリスクを背負っていることを認識する必要があります。ある調査で外国人街娼の顧客165人にHIV血液検査を行った結果、2人に陽性反応が認められたという例があります。この数字から見ても危険性は高いといえます。しかし例えば、性風俗関係者とコンドームを使用した上で性行為をするのと性風俗関係者ではない人とコンドームなしの性行為をするのでは、後者の方が感染する確率は高いと言えるでしょう。逆に言えば、不特定多数の人及び不特定多数の人と性交渉をした人とのコンドームなしの性行為が最も危険といえます。危険なのはコンドームを使用しない性行為です。
これまでにはエイズの流行地として、アメリカ、西ヨーロッパ、アフリカがあげられていましたが、近年では東南アジアに感染が急速に広まっています。特にタイ、インドで著しいといわれています。
注射の打ち回しによる感染は主に同じ注射器(針)を使って麻薬の回し打ちをする場合のことです。これは同じ注射器を共有して使用することにより他人の血液が体内に侵入するためです。この他にも血液が体についたらよく洗い流しましょう。また歯ブラシ、カミソリ、ピアスなど血液が付く可能性のあるものは共有しないようにしましょう。血液にはエイズに限らずいろいろな病原体が含まれている可能性があります。
妊娠前、妊娠中のできるだけ早い時期に感染の有無が確認できれば、出産前後の適切な医療により子供への感染率を低下させることができます。思い当たるふしがある方はなるべく早く相談することが大切です。
多くの人が心のどこかで「ひょっとしたら」と思っているかもしれません。しかし実際検査を受けに行くのはなかなか勇気のいるものです。ある統計では、検査に行こうと思い立ってから行動に移すまで、平均7週間かかるものと言われています。案外杞憂だったということもあるかもしれません。一人で悩まずに相談機関を利用しましょう。
東京都衛生局 エイズ電話相談 TEL 03-3292-9090 月〜金9:00〜21:00 土日祝14:00〜17:00
エイズ予防財団 TEL 0120-177812 月〜金10:00〜13:00 14:00〜17:00
HIVの検査は専用の検査でなければわかりません。健康診断等の血液検査で異常がなかったからといってエイズについても同じことが言えるというわけではありません。日本では男性で4人に1人、女性で8人に1人の割合で血液検査を受けています。またHIV検査の目的で献血を行うのは禁止されています。仮に献血で陽性反応が出たとしても、本人に通知はいきません。HIV血液検査は思い当たることがあってから、3ヶ月以上過ぎてから受けるようになっています。これは感染してから体内でHIV抗体ができるのにそれだけの時間がかかるからです。各保健所、病院で検査を行っています。具体的には、まず一対一のカウンセリングを行います。カウンセラーから2、3質問され、思い当たるふしなどを話した後血液を採取します。結果は1、2週間後になります。
検査で陽性反応が出たことは非常に悲しいことです。しかし感染に気が付かない人が多い中、検査を受け、結果を受け入れることができる人は勇気を持った市民です。日常生活において感染することはありません。HIVに対する謝った知識、認識が偏見を生んでいます。エイズは「私に限って」という問題ではありません。誰にでも感染の可能性はあるのです。
エイズは恐ろしい感染病です。ここ数年では海外での感染よりも国内での感染が増えています。しかしそれは「コンドームの使用」というごく簡単なことにより防げるものです。現在のような性情報が溢れているなかではふとすると目の前のものが見えなくなってしまうことがあるかも知れません。しかしそんな時こそ立ち止まって、自分のこと、パートーナーのこと、家族のことを考えてみて下さい。
トップへ