義肢の構成要素

(1)義手
ソケット、支持部、継手(肩、肘、手)、手先具、コントロールケーブル・システム、ハーネス等により構成される。

(2)義足
ソケット、支持部、継手(股、膝、足)、足部、懸垂装置、により構成される。

◎切断部位による分類

(1)義手

@肩義手・・・肩甲胸郭間切断・肩関節離断・上腕骨頚部切断・(短断短上腕切断)
A上腕義手 ・・・上腕切断
B肘義手・・・肘関節離断・上腕切断
C前腕義手・・・前腕切断
D手義手・・・手関節離断

装飾用手部義手です。

装飾を目的としていますので、ハーネス、コントロールケーブルは
つきません。


E手根中手義手・・・手根中手切断
F指義手・・・指切断

(2)義足

@股義足・・・片側骨盤切除・股関節離断・大腿骨頚部切断(極短断端大 腿切断)
A大腿義足
・・・大腿切断・股関節離断

左が殻構造差込み式大腿義足です。

右が骨格耕造吸着式大腿義足です。
(外装を被せた状態です)

インテリジェント膝継手使用の骨格構造大腿義足。

左がチェックソケットを使用した仮合わせの状態です。

右が完成前、外装を付けて完成です。


B膝義足・・・膝関節離断
C下腿義足・・・下腿切断

左が殻構造PTB式下腿義足です。

右が殻構造差込み式下腿義足です。
(大腿もも締め付き)


Dサイム義足・・・サイム切断
E果義足・足根義足・・・ピロゴフ切断・ボイド切断・ショパール切断・サイム切断
F足根中足義足・・・リスフラン切断・中足骨切断
G足指義足・・・足指切断

◎切断レベルとソケットデザインの関連

(1)義手

@肩甲胸郭間切断・・・フォークォーターソケット
A肩関節離断・・・肩ソケット
B上腕骨頚部切断(端断端上腕切断)・・・肩ソケット
C上腕切断・肘関節離断・・・上腕ソケット(オープンショルダー式含む)
D前腕切断極短断端・・・ミュンスター・スプリットソケット
E前腕切断短断端・・・ミュンスター・ノースウェスタン
F前腕切断中断端・・・ノースウェスタン・前腕ソケット(可撓性継手、ヒン ジ継手)
G前腕切断長断端・手関節離断・・・前腕ソケット長断端用(スクリュード ライバーソケット)
H手根中手切断・・・手根中手ソケット
I手指切断・・・断端キャップソケット

(2)義足

@片側骨盤切除・・・片側骨盤切除用ソケット
A股関節離断・大腿骨頚部切断・(極短断端大腿切断)・・・カナディアンソケット・ダイアゴナルソケット
B大腿切断・・・四辺形ソケット・坐骨収納型ソケット
C膝関節離断・・・四辺形ソケット・シリンダー型(無窓式)・在来式・有窓式
D下腿切断短断端・・・在来式・KBM、PTS、TSBソケット
E下腿切断中断端・・・在来式・KBM、PTS、PTB、TSBソケット
F下腿切断長断端・・・在来式・KBM、PTB、TSBソケット
Gサイム切断・・・シリンダー型(無窓式)・有窓式(VAPC内側、前方、後方)
Hピロゴフ、ボイド、ショパール、リスフラン、中足骨切断・・・足袋式・スリッパ式・ノースウェスタン式・シュウホーン式・下腿式

◎ソケットの機能

(1)義手・・・@断端の収納 A義手の支持 B力の伝達 C懸垂

(2)義足・・・@断端の収納 A体重の支持 B力の伝達 C懸垂

◎他にソケットの概念として、次のようなものがある。

@差し込みソケット(plug-fit socket)
切断端とソケット内面との間に余裕を持たせて適合させたソケットの総称。
ソケット底を開放した形式(オープンエンド)のものも含む。適合の具合は、断端袋によって切断者自身が調節する。断端周径の変動が激しい場合、束縛間を極端に嫌う場合などに用いる。(JIS 用語)

A全面接触ソケット(total contact socket)
切断端とソケット内面との間の余裕を無くし、断端表面全体がソケット内壁と緊密に接触するように適合させた、ソケットの総称。構造からみて吸着ソケットと非吸着式ソケットがある。非吸着式ソケットは、内ソケットの有無によって分かれるが、通常は断端袋を使用する。(JIS 用語)

B吸着式ソケット(suction socket)
ソケット内壁で断端の軟部組織を適度に圧迫することによって、ソケット内面と断端表面との間に吸着作用を生じさせ自己懸垂性を持たせたソケットの総称。(JIS 用語)

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