いるかちゃんヨロシク妄想話

巧くんヨロシク

4.時期尚早

「――――ったく、まのかのヤツ・・・余計なことをっ!!」

春海は、今まで告白されたことを、いるかに詳しく話すことはなかった。

無用な心配をさせたくない・・・

というよりは、春海にとって興味のない女の子から告白されることは、どーでもいいことで

今まで好きだと言ってきた女子のことなど忘れていた。



「やっぱり、あたしと春海って・・・」

いるかが上目遣いで小首をかしげる。

本人は全く意識していないが、甘えるような仕草だ。

春海は、グッとくるものを抑えるのに必死だった。

身長差のせいで、いるかが話しかけるときはいつも春海を見上げる格好になる。

当たり前のことなのに、妙にドキッとしてしまう。

しかも、今は生徒会室に二人っきり――――



「・・・付き合ってるように見えないのかなぁ」

なんだか他人事のような、冷めた言い方だった。

「クラスの子とかにさー、よく言われるんだもん。巧巳の方がお似合いだって」

(なっ、、、何ぃ?)

春海の動揺とは裏腹に、いるかは平然と続けた。

「なんかさー、春海はただのお友達で、巧巳とはいい雰囲気に見えるんだって」

「おいっ!! おまえさー、そこで何て答えてるんだよっ?」

春海の眉はピクピクひきつっていた。



「えっ? いや〜 そんなことないよって言ってるけど」

いるかは、やっと春海の機嫌が悪いことに気が付いた。

「俺と付き合ってるって、ハッキリ言えよ」

「だって、春海の話になるとさー、どこまでいってんの、とか

二人っきりのときは何してんの、とかさー 色々聞かれるから・・・

あたし、そーゆーの苦手で・・・  でへへへッ」

いるかは、照れ隠しに笑ってごまかそうとする。



「・・・中学ん時から、――――してるだろう?」



春海は、いるかの両肩に手を置くと、そのままかがんで、キスをした。



「んっ・・・」



春海は、唇を重ねながら、器用に制服のボタンを外していく。

そして、右手をスルリと彼女の胸に忍び込ませた。



甘い口づけに惑わされ、いるかは抗うことをしなかった。

「あっ・・! はっ・・・ はる う・・ み ・・・

 どう・・ し て・・・ こん な ・・こと――――」



甘美な感覚に身をよじらせ、とぎれとぎれに呟く。



「・・・当然だろう? 俺たちは、恋人同士なんだから」



耳元でそうささやきながら、胸をまさぐる。



「友達に聞かれたら、こーゆーことしてるって言えばいいんだ」



「ぁぁっ・・ぁあ・・ん!」



素直で感じやすい身体は、しっとりと汗ばんできた。



(まだ早いと思ってたけど・・・ いいよ・・・ な?)



春海は、彼女のスカートの中に手を入れると、最も敏感な所に触れた。



「ぎ・・・ぎゃあああああ!」

「うわっ」

ドサドサ バサッ

生徒会室内に、書類が舞い散った。



「いって・・・ 急に突き飛ばすなよな・・・」



ガチャッ



絶妙のタイミングで、巧巳がドアを開けた。

「な なんだっ 今の悲鳴は? おい、春海、大丈夫か?」



し――――ん・・・



一瞬の沈黙。

巧巳は、倒れていた春海を助け起こした。

「――――何してたんだ? おまえら・・・」

「別に・・・」

いるかは、胸元を押さえ赤面している。



巧巳は全てを察し、ニヤリと口元に笑みを浮かべた。

「春海、おまえ・・・学校で襲うのは止めておけ。もっと、うまくやれよな!」


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