猫やしき顛末記

ええ、何と申しましょうか、今度は猫です。私、別に特別な動物好きというわけではありません。もちろん嫌いではありませんよ。でもね、死んじゃうのが嫌であまり積極的に飼いたいとは思わないという程度の人間なんですよ。でも神様は、どうもこういう人間をほっといてはくれないようでして、なぜかやって来るんですよ、これが。

 この前は「いたち」でしたからね、インパクトありましたよ、そりゃ。拾われて来て、預かったら、いつの間にか3年ですからね。まあ、このサイトを立ち上げたりしてこちらも楽しませてもらいましたけど。でも、当たり前のことながら、いたちのごん太君は死んじゃいました。とても悲しいです。ところが一月もしたら、今度は猫です。なんせ、15匹です。もちろん15匹が一気に押し寄せてきたら私だって警察呼びますよ、ホント。でもね、状況が違うとそういうわけにもいかないんだな、これが。

 カミサンの実家がね、千葉県の成田近くにある下総町というところにありましてね。利根川の川原が見えるような田舎でね、とても自然に恵まれたいいところなんですよ。そこでね、カミサンのご両親は、農家に譲ってもらった土地に家を建てて、猫一匹飼って、のんびり暮らしていたわけなんですがね。これが、どうも「のんびり」じゃなくなって来ちゃったんですよ。というのも、ご近所のおばあさんがね、少々ボケてしまいましてね。飼い猫の面倒を見なくなっちゃったんですよ。猫にとっては一大事ですからね。餌をもらえなくなってしまったんですから。そしたらね、やっぱり近所で幸せに暮らしている猫のところを訪ねて来るわけだ。また、カミサンの実家のその猫がね、気がいいというか、追っ払えばいいものを、ねえ。

 まあ、そんな感じで徐々に子どもが生まれたりして、今年2002年の春先には7匹にまで増えてしまいましてね。それからは、もうそろそろまずいのではないか、と。手術をしてしまおうということで、画策する人間をよそに、猫どもは、まあやってしまうわけなんですね、これが。結局3匹のメスが、お腹が大きくなってしまいましてね、うち2匹がわざわざ家の中でお産してくれましてね。2匹と6匹が産まれたんですよ。もう1匹はどうもよそで産んでいるようなんですがね。目の前で新しい生命が誕生するのを目撃したんですから、まあ感激もしましたがね。やっぱり、「これはまずい」という気持ちの方が強かったですね、正直なところ。はっきり言って、その光景を目の当たりにして、「切れた」という感じでしたね。産んでいる猫はまあおいといて、他の雌猫を一匹捕まえて、動物病院に連れていってね、すぐに手術してくれって、そりゃあ凄い勢いでしゃべっていたと思いますよ。その成田の方の動物病院の先生もね、親身に相談にのってくれましてね、里親を探してくれる県の動物愛護センターとかも紹介してくれましたよ。でもね、ここね、連れていって一定期間で里親が見つからないと処分されちゃうんだよね。処分・・・何か都合のいい響きだなあ。子猫のうちはかわいいから貰い手がつくと言っていましたけどねえ。

 結局、その動物病院で働いている方が兄弟で2匹もらってくれましてね、残るは6匹兄弟。残念ながら1匹は死んじゃったようです。親猫が隠すのでよくわからないんですが、いつの間にか5匹になっていたんです。まあ自然の摂理と、仕方ありませんね。残る5匹のうち、1匹とても可愛いのがいましてね、すぐに貰い手がつきましてね。残るは4匹。いろいろ声をかけてまわって、「もう少し大きくなってからなら、もらってもいいよ」という方が現れて、あと3匹。
 まあ、ここで諦めもつきましたね。1匹は親元に残してやって、2匹は面倒みようと。はい、これがなぜ「いたち亭」といっていた我が家で、子猫の運動会が毎日開催されているかということの顛末です。

 お願いですから、ペットの面倒は最後まで見ましょうね、皆さん。


ええ、こいつが、カミサンの実家で飼われている一匹でございます。巨顔の気弱な奴です。どうやらすべての原因です。








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