失敗がゆるされる場所




 もう20年近く前のことになりますが、はじめて冬の松本を訪れた時、遠くに雪をいただいた峰々に圧倒されながら、その包みこむような雄々しさに感動しました。私は海が好き、とよく口にしていたのですが、冬の山々の美しさにその考えを改めた次第です。

 ですから名古屋方面に車で向かう時は、必ずと言って良いほど中央高速を使います。半分が上りで半分が下りというすごい高速道路ですが、八ヶ岳を右に見、諏訪湖を見下ろすPAで一休みし、やがて伊那谷へ下ってゆく行程がだい好きです。

 先日、伊那の教会へお招きいただき、家内と二人で行ってきました。こちらの教会は15年前に伺ったことがあるのですが、その時のコンサートのはじめに、M牧師が歓迎のことばのなかでこうおっしゃいました。「教会は失敗がゆるされるところです」。

 私は旅の途中、伊那を通過するたびに、その言葉を思い出していました。ですから今回お招きを受けてからは、M牧師と再開できるのが楽しみでした。お会いしてそのことをお話すると「私は覚えていません」とおっしゃっていました。いろいろと話がはずみ、楽しい時が過ぎてゆきました。なんとラーメンを作るのが趣味だそうで、人類を大きく分ければ僕と同じグループだ、などど思ってしまいました。

 伊那は天竜川沿いに町がひろがり、ゆっくりとした時間が流れていました。時々、走ろうとしているのか、はたまた止まろうとしているのか、判断に困るようなスピードの車に出くわしました。「われ先に」の町から行った私達はすごく戸惑ってしまいました。

 伊那から飯田の方に続く谷を、伊那谷というそうです。ここ数年の間に写したこの近辺の写真を紹介します。

まずは今回泊めていただいたロッジ「吹上」の朝から。


早起きは三文の得
ロッジ吹上の朝


 さてお次は飯田のそばの喬木の教会へ伺ったとき、時間にゆとりがあったので、おいしいコーヒーでも飲みたいなと、ゆっくりと車を走らせていたら、「そらくぼ」という看板が目に入りました。どうやら山を登ったところでお茶が飲めるらしいので、さっそく看板に従って脇道へ。
 
 10分ほど山道をゆくと、たくさんの干し柿に遭遇。後で知ったのですがこれが有名な「市田柿」。

 車を止めて写真を撮ろうとしたら、そのお宅のおばあさんの姿が見えたので、車の窓を開け、「あの〜、すみませんが〜写真を〜」と声をかけると、そのおばあさんは必要以上にハイな雰囲気。「どうしたんだろう」と戸惑ったのですが、すぐになぞが解けました。

 あのおばあさんは私達をTBSの、所さんの番組のスタッフと勘違いしたにちがいありません。「第一村人発見」だと思ったのでしょう。期待はずれでごめんなさい。


市田柿
市田柿


 さて柿がいっぱい干してあるあたりからさらに5分ほど登ったところに「そらくぼ」はありました。

これがその-そらくぼ-
そらくぼ



-そらくぼ-の店内です。
時間が止まっているみたい
奥にご主人の焼いた陶器が見えます
奥様はガラスのアクセサリー
をつくっていました

そらくぼの日溜り




-そらくぼ-のデッキから伊那谷方面を望む
   風が光っているみたい
光る風


 伊那谷あたりにはまだまだ隠れ家のような場所がありそうですよ。

 そうそう今回はじめて「ローメン」という「麺」をいただきました。伊那にしかないそうです。検索してみたらやっぱりサイトがありました。
http://www.icon.pref.nagano.jp/usr/inacci/rohmen/

 最後はおまけの写真。軽井沢の遅い春です。



霧に濡れた梅の花

霧に濡れた梅の花


 なんかしっとりするでしょう。


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