気分は各駅停車

目次

発行に寄せて
「岩渕くん!」 岩渕由美子

第1章
あの頃の各駅停車の旅
途中下車をしながら

第2章
それからの各駅停車の旅
心に風を感じながら

ディスコグラフィー

あとがき

2009 
いのちのことば社 フォレストブックス
昨年企画が持ち上がり、タイトルどおりに「各駅停車」で制作を続けてきた初のエッセイ本が出版されました。文字になること、本になること、その実感は手にしてみなければわからないんだなと、つくづく思いました。
もう10年近く前になりますが、友人のすすめでホームページなるものを開設しました。それから現在まで、自分自身でこつこつと運営をしてきました。フォレストブックスの編集者の方が、その中の「心の旅」を本にするという規格を立ち上げてくださいました。すでにサイトに掲載している文章を改めて本にすることに多少とまどいましたが、さらに加筆、訂正し、新しいエッセイも加え、これまで写し溜めた写真もいれて、本という形にしようということになりました。
そして出来上がった本を手にしてみれば、それはこれまでに感じたことのない存在感を発していました。ネットというどこかに刹那を抱えているメディアから受ける感触と、本という「物体」から受ける感覚の違いが、これ程違うのかということかもしれません。本として固定された自分の文章に小さな恐れを感じながら、これからこの本がどんな旅を始めるのかを、見守ってゆくんだなと思っています。
さてさて内容ですが、第1章には、「心の旅」の子供の頃から2000年頃までのことを構成しなおして、加筆訂正したもの、第2章は新しく書き下ろしたエッセイと写真で構成されています。エッセイのタイトルはこんな感じです。「インプットが大切」「愛について」「白夜の国で」「歌が生まれるところ」「歌とラーメン」などなど、思いつくままに書き綴りました。詩画作家、星野富弘さんとのことや、横田早紀江さんとのことなども書かせていただきました。
本のタイトル「気分は各駅停車」は編集者の方が考えてくださいました。私は癒し系のシンガーなどと言っていただくことが多いのですが、実はせっかちな男なんです。各駅停車の速度で丁寧に暮らすことは、今の自分自身にも必要なことだと感じています。この本に目を通してくださった方々のスピードも、少しゆるくなってくだされば嬉しいです。
若い頃「歌うたいになる」と決めて、がむしゃらにやっていた自分。しかし心のどこかでは「そのうちダメになる」と準備し身構えていた自分。そして振り返ってみれば55歳で歌っている自分。人生を自分がコントロールしているようで、コントロールすることなんてできない。そんな私のこれまでの日々が本という固まりになって目の前にある。文章でいえば点なのか丸なのかは定かではありませんが、私にとってひとつの区切りになる作品であることは確実でしょう。
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