香りの港




 香りの港、香港。日本から比較的近いのに訪れるのは今回が初めてです。妻と二人旅なので少し和やかな雰囲気の旅になりそうな予感がしていました。

 成田を飛び立って3時間程過ぎたころ、ふと窓の外に目をやると、眼下に台湾が見えていました。どうやら台北の街のようです。私は台湾も行ったことがありませんので、好奇心でいっぱいです。しばし時間を忘れて地図と実物を比べていました。


下半分の少し茶色っぽいところが
台北の街

台北の街


 台湾を過ぎるあたりから、雲の上の飛行となりました。いつの間にか眠り込んでいた私。しばらくして目を覚ませば飛行機は着陸態勢に入っていました。香港はとても近くて、気軽に訪れることのできる良い所ですね。


うっすらと見えるのは
九龍の街並み
街全体が高層ビル

香港へ着陸態勢


 さて空港に降り立たった私達を、ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップの鹿嶋牧師ご夫妻が迎えてくださいました。ご夫妻と一緒に市内へ向かう電車に乗り込みます。空港専用の電車のようで、とてもきれいで速い電車です。電車は途中から地下へもぐり香港島へと海を越えてゆきます。アジアの国々はどんどん近代的になっているんだと改めて実感しました。


ホテルの部屋は22階
部屋からの景色に
しばし見とれていたが
なんのなんの
香港はこんなもんじゃなかった

ホテルの窓から


 夕食の前に先生ご家族が、その辺を案内してくださるとの事。5時頃にホテルを出発して、香港島からタクシーで九龍へ向かいました。すると高層ビルのてっぺんがライトアップされていたり、ビル全体が電飾で飾られていたりして、お祭りのような感じ。さすがクリスマスシーズンだな、などど思いながら車窓の街並みを楽しんでいたら、海峡をはさんだ九龍側に見たことのない輝くものが。

 なんとビル全体が輝いているではありませんか。ビルがクリスマスプレゼントにでもなったかのように、まるごと光の包装紙で包まれているように。思わず「あっ!」と声を上げた私。タクシーはやがて海底トンネルに入り、その光のあった九龍へと向かってゆきました。

 九龍で有名な海辺の遊歩道を歩くために、タクシーを降りて歩き出しました。するとさっき香港島から見えたビル丸ごとイルミネーションが目の前に登場し出したのです。


広場の周りのビルが全部これだ

ビルがまるごとイルミネーション


  ところが驚くのはまだ早かった。その遊歩道にたどり着くと、海峡をはさんだ香港島の、数え切れないほどのビルが輝いているではありませんか。もう街全体が電飾の洪水です。
 
 日本各地の光のページェント?のなんとおごそかなことか。頭の中にあったイルミネーションの概念が、完全にくつがえされてしまいました。この夜に私の持っていた常識のひとつが強制変換されてしまった。私は本当に腰の力が抜けそうな感じがしたんですよ。


香港島は巨大な船のようだった

香港島の夜景


  この景色が上の写真の右側にも左側も続いているのです。そのスケールから私はものすごいエネルギーを感じました。光のエネルギーではなく人のエネルギーを。

 もう街をあげて光の乱舞に取り組んでいるわけで、そのほとばしるパワーたるや想像を絶するもの。少なくても私の感性を超えるものであることは確かです。やり過ぎなどという言葉はどこにもありません。まさにやるのみという感じでありました。


○○のスープ

黒蛇のスープ


 香港のエネルギーの元はこれだ!それは食事。上の写真は黒蛇のスープ。少しトロッとしたスープ。心を定めて一杯目を飲み干すと、すぐに二杯目が注がれて、結局私は二杯いただきました。その他の料理もなんだか奥深い味。味の中心からいくつかの味の層があるような、一口では表現しにくい味。でも食材のバランスがとれた、健康で自然の薬のようなお料理でした。


こちらは朝の市場の様子

市場の様子


 さてさて旅の目的は食事ではなく歌唱。今回は2日間で3回のコンサートが予定されていました。まず最初は私のソロコンサート。大きな教会を会場にお借りしてのクリスマスコンサート。

 まずは会場に集まった子供達と一緒にクリスマスソングを歌う。私達夫婦は歌のおじさんと**さんになって大奮闘。何せ香港のステージに立つのははじめてのこと。どんなリアクションがくるのかも想像できないまま、やるっきゃないという感じでスタート。

 次は教会の若者達のハンドベルの演奏。ハンドベルの音っていいんですよね。特にクリスマスには似合いますね。

 その後は私が一人で歌います。私一人で歌うコンサートは曲順が決まっていても、いつ変更するかわからないんです。実際は会場に集まってくださった皆様の雰囲気や年齢層、反応などで流れが変化してゆきます。それを私自身も楽しんでいます。

 私の願いは聴いてくださった方々が、「次のコンサートに来よう」と思っていただけるような内容でありたいということです。特に教会が主催の場合は来年もどなたかを招いてクリスマスコンサートをする可能性が高いわけです。来年も来ていただけるようにしたい、というのが私の目指すところです。

 翌日は午前と夜に由美子と二人で歌いました。一昨年「ハーベストタイム」というTVプログラムで二人で歌ったあたりから、夫婦でお招きいただくことが増えてきました。高校時代にMUSEというバンドを組んで一緒に歌っていましたが、まさか今二人で歌うようになるとは思いもよりませんでした。

 この日、コンサートの合間に家内と何人かの方で、買い物にでかけるとのこと。私はホテルに帰って休もうかとも思いましたが、結局ついてゆくことに。買い物の場所は観光もかねて香港島の一番高い山にあるモールへ。麓からケーブルカーで登るのですが、その角度が半端ではありません。


ビルの谷間を縫いながら
急角度で山頂を目指す
ケーブルカーの窓から

ケーブルカー


 キャーキャーとにぎやかに山頂を目指してケーブルカーは進みます。勾配が急なために、出発の時点では座席が前に傾いています。それが登り始めるとほどよくなり、一番の急勾配では後に傾いてしまいました。

 山頂をしばらく見学した後は目的のお買物。内容はもちろんお土産。私達も日本人の鉄則にのっとって、出かける前からお土産の計画を作成。メモを片手にお買物。


香港の出前一丁
変わったのがいろいろありました。

出前一丁香港バージョン


 買い物をしながら面白いものを発見。それは「ナソコツラーメン」。「ナンコツラーメン」と書いたつもりが「ナソコツラーメン」「ンが「ソ」になってしまったわけです。でもこの区別がつく日本人のほうが特殊かな?


これがナソコツラーメン

ナソコツラーメン


 帰国する朝にホテルの周りをちょっと散歩。二階建ての路面電車、二階建てのバス。ビルも乗り物も上へ伸びている香港。この電車には一度乗りたかったな。


こんな電車が次から次へとやってくる

路面電車
 

 現代的な新しい暮らしと、昔からの庶民の暮らしがたくさん交差している街、香港。行くなら年末、年始が良いですね。あの夜景を見て腰を抜かさなくっちゃね。時間があれば中国へ汽車の旅もできるそうです。

 時々テレビで見る江沢民主席の堂々とした姿に不思議な感じを覚えたものですが、中国から世界を見たら、中国を中心にして世界が回っているという感じになるだろうなと納得。

 中国にはそれだけの歴史、文化、個性があります。もちろん香港は特殊な地域。ほんのちょっと香港を知ったからといって、中国の何を知ったの?という声が聞こえてきそうですが、この香港の先にある巨大な中国のスケールをはじめて感じました。地理的にではあっても中国から世界を見たら大分違うということを感じたのです。

 今年のクリスマスもまた香港におじゃますることになりました。二度目の香港を、私はどんな風に感じるのか楽しみです。
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