独立への道




3章 利益の源泉は社員のモチベ−ションである

雇用が流動化する現代において、優秀な社員を定着させることは、どこの会社でも悩みの種だと思う。
給料を吊り上げても、社風に合わないとか経営方針にそぐわないと思えば、さっさと転職してしまうことも考えられるからだ。
「安い給料で長く働いて、たくさん利益を生み出してほしい」といった不純な動機だけが見え隠れする場合はことさら定着率が悪いと思われる。
そもそも、商行為そのものが、利潤を追求するものであるため、このような目で社員を見てしまうのだろう。
「経費として扱われる従業員は、時間を切り売りする、ただの駒である」と言った、古い考えを持った経営者の下では、受ける対価分(給料)だけしか従事しない、やる気が失せた社員で一杯だと思うし、彼らはもうすでに求人雑誌を愛読する転職予備軍なっているであろう。 当然、愛社精神なんて生まれてくるはずがない。

今後は、小さな同族会社であったとしても、ストックオプション制度や社員持ち株制度、執行役員制度といった業績に応じて利益を還元できる制度をバシバシ取り入れるべきだと思う。
また、会社のアイデンティティを示す社是は重要である。
建前上であってはならないし、社会に還元する目標を持ったものでなければならない。
それは、物に満たされている現代人は、ことさら利益中心の考え方に冷ややかであるということが理由である。
間接的な社会貢献は、直接的に売上として数字に表れにくいので、名目上になり易いですが、社員の精神的充足というプラス的効果に着目すれば、結果的に社員のモチベ−ションを高めることにつながる。
歴史を見ると、高度な思想の下では、必ずと言って格調高い文化が形成されてきた。
会社を、マクロ的に見ると、これは一つの文化である。
「利潤と還元」といった相容れれぬ永遠の課題をどう料理するかによって、今後が決定するだろう。
今ほど、経営者の手腕が問われる時代はないのかもしれない。

ガラス張りの経営をしているある会社の社員に聞いてみると、「よけいなことを考えることがなくなり、その分ポジティブな考えで仕事へ従事することができた」と言っていた。
経営の透明性を感じれば、大概の社員は自社への信頼感を持つだろうし、活力が湧いた分だけ業績アップにつながる可能性は高いと思う。
社員を食いものにしている経営者は、このような目に見えない負のエネルギ−が会社を腐らせていることに早く気がついてほしい!


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