4章 職業安定所
先週の木曜日に某職業安定所へ足を運んだ。
駐車場はすでに満車状態で、駐車するスペ−スを見つけるのにかなりの時間を費やした。
入り口の掲示板の前では、新規物件を閲覧するための溢れんばかりの求職者でごった返している。
今回は、転職のためのリサ−チではなく、求人の申し込みが目的である。
受付をし、係員の案内により、採用係のカウンタ-へ案内された。
順番待ちして閲覧している求職コ−ナ−とは対照的に、広々した求人コ−ナ−のフロア−は閑散としていた。
需要と供給の違いがまざまざと見せ付けられた瞬間であった。
求人票カ−ドなるものを書いて、受理されるしばらくの間、コンピュ−タを使用して求人検索している離職者の真剣な顔つきを眺めていた。
深刻な顔つきでキ−ボ−ドを叩いている年配の男性や隣の人と情報交換のやりとりで夢中になっている30代前半の女性たち、新規情報のみ検索してすぐに帰ってしまう就職が内定していない大学生風の若い人.........
ここに来るまで、ひとりひとり、言うにいえない辛いことがあったのだろう。
しかし、明日への活路を見出すためには、「ここで一踏ん張りしないと後がない」といった切迫感が一様に漂ってくる。
多少条件を下げても、安定収入を得ることのできる会社を探すまでは、気を抜くことができないで日々が続くであろう。
ふと、後ろの棚に陳列されているパンフレットに目が行った。
そこには、求人賃金と求職者希望賃金(職業別)といった見出しが書かかれいて、雇用する側とされる側の希望賃金の比較数値が書いてあった。
例えば、食料品製造の場合、事業所が望む求人賃金は166,000〜241,000円 求職者が望む希望賃金は、男子153,000円
女子111,000 といったように、職種によっては求職希望賃金が希望賃金よりも低く、求職者にとって好条件の場合も見られたが、ほとんどの場合、希望賃金が求人賃金よりも高く、不況を反してか、ミスマッチの様相を示していた。
世間で言われる平均年収461万円(男性567万円、女性280万円)にはあきらかに手が届かないような案件ばかりが、ここ職安では、平然と紹介させているように思える。
人事担当者は職安相場を、事前に調査した後、適正?賃金を設定するのが慣わしであるということを考えると、足元が見られている職安求職者は、とてもかわいそうに思えてしまう。
ご多分に漏れず、世間相場(職安相場)に合わせて、求人賃金を設定せざる得ない自分の立場がものすごく悲しかった。
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