「人生に逃げ場はない」

 私たちが、生きていくうえで最も陥りやすい過ちのひとつに、「つらいことや苦しいことから逃げれば、あるいはその場さえしのげればなんとかなるさ」ということが上げられるでしょう。 確かに現実に目をそむけたり、現実から逃げることによって、その場はなんとかなることも多いのですが、そうしているとまた同じような問題に直面したときに再び逃げることになり、自分で自分を窮地に追い込んでいってしまうのです。 重要なことは、苦しいから、つらいからといって現実から逃げ回っていれば、解決策が分からなくなり、自信を失い、そして生きることがますます苦しくなっていくだけだということです。

  このことは、このサイトのなかで今後いくどとなく繰り返して書きますが、それだけ重要なことだからです。 いま生きることが苦しくて、つらくて仕方のない人は「自分はいままでは苦しみ、つらさから逃げてはいなかったか」と自問して欲しいのです。 現実から逃げ回っていても、いつかは現実と対決しなければならないときが来るということが分かって、現実と対決する勇気を持つことができれば、当面の苦しみが増しますが、その先には必ず生き甲斐のある生き方があることが分かるはずです。

  そのときには、私がこの言葉をサイトの冒頭に持ってきた意味も理解していただけるはずと確信しています。 このことを身をもって納得できれば、もうこのホームページを読む必要もなくなるでしょう。 現実から逃げていると,なぜ生きることが苦しくなるのか。 それは現実から逃げていると問題を解決する知恵・知識や能力が身に付かないので、その次に同じような問題がおきたときにも現実から逃げることになり、最期にはなにごとも億劫になって自信を失ってしまい、自分を信じられなくなるからです。 自信を取り戻す唯一の方法は、現実から逃げないでどんなにつらく苦しくとも現実と対決しなければならないのです。 自分が強くなるためには、現実から逃げてはいけないのです。 でもこのことはとってもつらいことなので、そのつらさに負けてしまうことが多いのです。 現実と対決できない人は自分に負けて、安易な生活に逃げ込んでしまうのです。 昔から言う「飲む、打つ、買う」や青少年が安易に非行に走ってしまうのも、原因は同じところにあると思います。

  苦しさに耐えかねて一時的には現実から逃げても、また現実に戻って考え直せばいいと思います。 人の心はときによっては、苦しさに耐えられないこともあるのですから。 耐えられないことを無理に耐えようとすることも、自信を失わせてしまいますから。 バランス感覚が必要だと思います。  

  いずれ詳しく書く予定ですが、苦しみや悩みがいつまでもつづく理由のひとつに、現実と対決できないから問題解決の手法が分からないということが上げられます。 私はこのことを「逃げるから、ついてくる」と表現しています。 そう、つらいことなのですが現実から逃げているかぎりは、絶対に強くはなれないのです。 強くなるにはどんなにつらくても、いつかは現実と対決しなければならないのです。 現実と対決する勇気を持てるまでは、苦しみがつづくのです。

  人生に逃げ場があるなら、だれも苦しい生き方をする人はいなくなります。 だれもが安易で楽しく、楽な生活を送ることができることになります。 人生には、逃げ場がないからこそ悩まなくてはならないのです。 これは決して忘れてはならないことだと言えます。

  なぜ生きるためには苦しく、つらいめに遭うことが避けられないのか。 人生最大のなぞです。 「この世の中はすべてが相対的だ」というページに書きますが、いまの私に言えることは生きる喜びやしあわせを感じるためには、苦しみや悩みといった一見人生に不必要としか思えないようなことを経験しなければならないということです。 このことなしに人生の喜びやしあわせを語れないということです。 それが人生の真実だと思っています。 真実ということは、「そう考えなければ生きることを納得できない」ということです。 そう考えることによって、はじめて人生のマイナス面を納得できるのではないでしょうか。 みなさんは、どう思われますか。

  人生に逃げ場はないのです。 逃げれば逃げるほど心の中で問題が大きくなっていき、そして自分を挫折と絶望へと連れて行ってくれるのです。 自分の生き方が必要以上に苦しくつらいものになるのは、自分以外のだれのせいでもない、自分のせい、自分の考え方やそれにともなう行動のせいなのです。 このこともあとで説明します。 いくら責任転嫁をしても問題がいっこうに解決しないのも、本当の原因が自分にあることが多いからです。

  人生に逃げ場がないからこそ若いときに苦労をしておくことが、そのあとの人生を楽にしてくれるのです。 「あえて自分から苦労を買え」とは言いませんが、最低限自分の身に降りかかった問題から逃げないことが重要だと思います。 自分の身に起こる予期しないできごとが、自分を成長させてくれる唯一の道具だからです。 経験・体験こそが、自分を成長させてくれるのです。 その唯一の機会から逃げていたのでは、自分が強くなれなくて当然なのです。 若いときの私も、そんな典型でした。 私がどんな生き方をしてきたかは、トップページの「管理人のプロフィール」を読んでください。 

ここでは「現実から逃げている限りしあわせにはなれない」ことだけを記憶しておいて欲しいのです。 現実から逃げるということは、とりもなおさず、自分を強くしてくれる唯一の機会を自ら放棄していることに他ならないのです。 自分に自信を持てない最大の理由が、ここにあると思っています。

  人生に最終的には逃げ場がないのであれば、現実の問題対処するノウハウを身につけておかなければ、生きることがはなわち苦しみだけになってしまうのです。 たった一度の人生を苦しみや絶望だけの人生にしないためにも、生きる知恵を身につけなければならないのです。

 このサイトが、少しでも楽に、そして有意義に生きられる一助になればさいわいです。

(13年11月一部修正)

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