問題を一人で抱え込んではいないか

  問題を一人で抱え込まないことは、私生活はもちろん仕事上ではとくに大切なことです。 私は仕事を抱え込む性格だったので、自分が苦労するのは当然として、上司にも随分と迷惑をかけてきたと思っています。   仕事を一人で抱え込むことが、なぜだれのためにもならないのかについて、どうしたら仕事を抱え込まないで済むのかについても考えてみたいと思います。

  入社したてのころは先輩がついて、いちいち面倒を見てくれるので仕事を抱え込むということはないと思いますが、自分が一人立ちしたり、部下を持つようになったら、部下には仕事を一人で抱え込まないようにすることを教えることが上司の能力のひとつになると思います。

  自分が指導すべき部下を与えられていないときの仕事の進め方について

基本をしっかりと覚える
       ・基本を崩さない(基本を崩さざるを得ないときは上司の許可を得る) 
       ・手抜きはしない
独断専行処理はしない
       ・絶えず上司や先輩職員と連絡を取る
分からないことはそのままにしておかない
       ・自分で調べる
       ・先輩や上司に教えてもらう (ただし、同じことを何度も聞かないようにメモなどを取る)
       ・先輩や上司は自分を頼りにされれば、部下はかわいいものです
先輩や上司に対して感謝の気持ちを忘れない
指示命令は必ず復唱して確認する
トラブルが発生したら、なにはさておいても上司に報告する
ミスや都合の悪いことも隠さないで報告する
       ・これができれば苦労はないのです     
       ・怒られるのがいやで報告が遅れると事態はもっと悪くなっていて、よけい怒られることになる
       ・どうせ怒られるのなら、はやく怒られた方が気が楽になり、後の仕事にさしさわりがでない
       ・都合の悪いことを隠していると、いつばれるかが気になって落ち着いて仕事ができない
       ・落ち着いて仕事ができないと能率が下がる
       ・怒られ方も能力のひとつです (怒られ上手は仕事上手でもある)
仕事に対する心構えをしっかりもつ
時間管理ができる
公私のけじめを付ける
報告・連絡・相談をかかさない (報連相の原則) 

   次に部下を持ったときの注意点について

部下の手柄は率直に誉めて、部長などに報告する
部下の失敗は自分の失敗として素直に認め、上司として責任ある態度をとり責任転嫁はしない
部下の手柄を横取りしない
上司の機嫌をとるために、部下を犠牲にしない 
指示命令は簡潔明瞭に行う
部下が働きやすい雰囲気を創る
助言を忘れない
自らが部下の手本になるよう努力する
公私混同しない
部下の人格を傷つけないようにする
部下の能力を伸ばしてやる
仕事をため込む上司は信頼されない
部下に能力がないと言って、なにごとも自分一人でやろうとしない
組織としてのプレーに徹する (個人プレーやスタンドプレーは嫌われる)
部下を公平に扱う
部下の前で上司の悪口は言わない  
      ・裏を返せば、部下は自分のいないときに同じように自分の悪口を言われていると直感的に感じ、上司として信頼されなくなる
事後のフォローを忘れない

  最後に本題である仕事を一人で抱え込むと、どうなるかについて

他の人が比較的暇でも自分だけが忙しくて、事務量の割り当てが不公平だと感じる
      ・他の人は仕事の量が少ないのではなく、仕事の進め方が上手な場合が多い
      ・自分の仕事の段取りや進め方がまずい
生活に時間的な余裕がなくなりいらいらしてくる
自分が忙しいので他の人を手伝えなくなり、非協力的な人間だとみられるようになる
自分の仕事がたまってくると、全体の仕事の進み具合に悪影響を与える
自分がなにからなにまで一人で抱え込んでいるので、自分が休んだりすると仕事への影響が大きい
組織としての流れが停滞する
自分は一生懸命に仕事をしているはずなのに、最後には仕事のできない人間だとの烙印を押される
最期には浮いた存在になってしまう

  自分としては一生懸命仕事をしているつもりなのに、だめ人間の評価しか受けられないのは悲劇としか言いようがありません。 こうなると、その人は会社や周りの人間とくに上司を恨んで生活するようになりがちです。 一生懸命働いているのに、結果的に人を恨むような生活しかできないとしたら、簡単に不幸と言っては惨めすぎないでしょうか。 自分のどこが、なにがそうさせてしまうのでしょうか。

  社会と自分との関わり合い方に対しての、根本的な考え違いがあるのではないでしょうか。 たとえば会社で働くことは組織の一員として働くことであり、組織は協力すること、共有することによって成り立っているのに、悪く言えば自分勝手な仕事をしているのではないでしょうか。 社会の中で自分が生かされているという感覚がないのではないでしようか。 すべてが自分中心にだけ組み立てられているので、連帯感がなく孤立していくのではないでしょうか。

  他の人を信用できないから、なにもかも自分でしないと気が済まないのだと思います。 能力のある人は自分の仕事を部下に割り振ることによって(権限の委譲)成果を上げて、上司からも部下からも信頼を得ているのに。 このちがいはなんなのでしょうか。

  仕事を抱え込むとろくなことはひとつもありません。 仕事は分担し合ってこそ、成果が上がるのです。 それが人をうまく使うといことだと思います。  仕事を一人で抱え込まないためには、どうすればいいか。 お互いに考えてみましょう。 能力のある人は仕事を上手に部下に割り振るのが上手な人です。

 なぜ、仕事を抱え込んでしまうかといえば、気が弱くてできないことをできないと断ることができない、相手に自分は能力のない人間だと思われたくないなどをあげることができると思います。 組織上は、自分にできそうもないことは断る、そのむね報告することが必要ですし、実際そのような仕事の進め方をしている人の方が出世も早いようです。

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