マイナス思考

 「あの人はプラス思考だとか、マイナス思考だ」だと言いますが、ここでは主にマイナス思考について考えてみます。 広辞苑の第五版でこの言葉を引きましたが、のっていませんでした。 私なりにマイナス思考とはどういうものなのかを考えて、それが日常生活にどのような影響を与えるかを考えてみます。 マイナス思考とは、そのひとにとって不利益なこと、よくないこと、自分を萎縮させるような考え方の総称ですが、具体的にあげれば

自分の考えに反論されると、自分の全人格を否定されたと思う
注意されると怒られたと思う
やってみる前に、悲観的な結論ばかりだしてしまう
    ・ これがマイナス思考の特徴だと思います
ものごとが上手くいかないと自分のせいだと思う
逆にものごとが上手くいくと、他人の手柄であって、自分はその成功に貢献していないと思う
    ・ 悪いことの原因は自分にあり、いいことの原因は他人にあると思う
失ったものばかりに気を取られて、残っているものがあることに気づかない
    ・ 「死んだ子の年ばかり数える」
自分以外の人には生きる価値があって、自分には生きる価値がないと思う
家族関係が上手くいかないのは、自分がいるせいだと思う
なにごとにつけても自分を責める
    ・ 反省することは必要だが、自分を責めてはいけない
他人の長所を過大評価し、自分の長所は過小評価する
過去にいつまでもこだわる
    ・ 過去のたったひとつのことにこだわって、人生そのものを駄目にしている
他人の負うべき責任を引き受けてしまう
人間関係を自らつくることが苦手
自分を正直に表現すると、相手に嫌われると思う
意外かも知れませんが、肝心なことに気がつかない
    ・ どうでもいいようなことに気ばかり遣っているように思えるのです
心配性ととりこし苦労が多い

  まだまだあるでしょうが、これくらいを上げてみればきっと思い当たる節があるはずです。 このなかのいくつかについて、考えてみます。

  マイナス思考の最たるものは、なにごともやってみる前に否定的な結論を出してしまう点でしょう。 駄目だと考えながら努力すれば、なにごとも本気になることはできません。 なにしろ「駄目だ」という結論を出しているのですから、なにごとも本気になって努力する気にはなれないのです。 「やるだけ無駄だ」と考えているのですから、結果も自ずと悪くなることが多いのです。 悪い結果をみて「やっぱり駄目だった」という認識を強くするだけなのです。 

  次にやることを「駄目だ」と強化された認識の元でやるから、また結果が悪くなり、ついには「なにをやっても駄目だ」となってしまうのです。 ものごとは色々とやり方を変えてやってみなければ、結果は分からないのです。 確率として成功、失敗の確率が高いことは数多くありますが、それでもやってみなければ結果は分からないのです。 ジャンボ宝くじにあたる人も、必ずいるのですから。 結果が分からないからこそ、チャレンジに値するのだと思います。 世の中には結果を恐れて成功する保証がなければ、なにもできない人も大勢いるのです。 保証のない世界に生きているのに、保証を求めてしまうからなにもできなくなってしまうのです。

  ここで言いたいことはただひとつ、マイナス思考は「やってみる前に消極的な結果ばかりだしてしまう」ということです。

  次に上げられることは、失ったことや失ったものばかりに気を取られて、残っているものを活用しようとしないことです。 要するに過去にばかりこだわって、ものごとを正しく判断できなくなって将来を見通せなくなってしまうことです。 過去のたったひとつのことに気を取られてしまい、それが原因でものごとを正しく判断できなくなっているとしたら、あまりにも犠牲が大きすぎると言えます。  その過去のできごととは子供を亡くしたりとか、失恋とか、離婚とかの大きなこともあるでしょうが、なかには一般的に言って日常的に起きていることが原因となっているかも知れません。 たとえば親友に裏切られたとか。 当人にしてみれば大きな心の傷には違いありませんが、立ち直れないことではないと思います。 もちろん同じできごとであっても、人それぞれに心の傷の深さが違うことは分かっていますが。

  そのたったひとつのことが解決できれば、プラス思考になれるということもあるはずです。  問題なのは親の教育やしつけのなかで、マイナス思考をしっかりと植え付けられてしまった人です。 このような人は具体的に心に傷があるというのではなく、「ただ、なんとなく」マイナス思考になってしまうから問題の根が深いと思います。 いま自分がマイナス思考で苦しんでいて、その原因がどこにあるか分からない人は、親のしつけを考え直す必要があると思います。 念のために言っておきますが原因が親のしつけにあったとしても、決して親を恨んではならないということです。

  それからもう一つ上げておきたいことは、マイナス思考の人はなにごとも自分を責めてしまいがちだということです。 そして自分が責任をとらなくてもいいことでも、自分を責めてしまいがちなのです。 自分を責めてしまえば、自分には価値がない、自分がいるから周囲に迷惑がかかるのだとなり、生きることが苦しくなるのは当然の帰結なのです。

  自分を責めることと反省することは違うのです。 反省することは大いにいいことですが(日光猿軍団の猿「二郎」も反省しますから…少し古い話です、でも今年平成13年一杯で解散することになったそうです)、自分を責めることからはなんの解決も生まれないのです。 自分を責めることは、生きることを苦しくするだけです。 

  反省と自分を責めることの違いを、よく考えて欲しいのです。  反省からはよりよい方法が生まれるし、自分を責めることは自分の存在を否定してしまうからです。 マイナス思考が高じていくと考え方が消極的なり、社会や人間嫌いになってますます自分を追いつめていくことになります。

  マイナス思考から抜け出すことは難しいと思いますが、プラス思考に変えなければ苦しい生き方しかできないのです。 そのためにはあるがままの自分の姿を、見つめ直すことが大切だと思います。 どのような自分でも自分は自分なのです。 変えたいと思っても、思っただけでは自分は変わらないのです。 さまざまな経験を通して、自分の考え方を変えていくしかないのです。 「やってみよう」という決断と、なにかのきっかけが必要なのです。

 マイナス思考を払拭するためには、考えてばかりいてはできないのです。 一般的には考えてばかりいればいるだけ、マイナス思考が強化されるだけです。 とにかくなにかをやってみて、その達成感を味わわなければマイナス思考からは抜け出せないと言えます。

トップページへ戻る