どうでもいいことに執着しすぎてはいないか

執着  …  そのことばかりに心をかけること
深く思い込むこと
精神を注ぎ込むこと

  私たちの日常生活は様々のできごとがあり、やらなければならないこともたくさんあります。 それらのひとつひとつに同じようにエネルギーを使っていたら、体がいくつあっても足りなくなるのが普通ではないでしょうか。 そこで私たちは意識的に、多くの場合は無意識に、直感的にやるべきことに優先順位をつけて時間を割り振りしています。 多くの場合にはこれでうまくいっているのですが、よく考えてみると、どうでもいいようなことに時間やエネルギーをさきすぎてはいないでしょうか。 

  理性的に判断できることには、このようなことはあまりありません。 たとえあったとしても理屈で判断できるので間違いは正しやすいのですが、感情的な問題になると、どうもうまくことが運ばないことが多くなるようです。 頭では分かっているのだけれども、体がいうことをきかないというやつです。  私もいまだにこれではいけないと思っても、なかなか思うようにできないことが多くて困っています。

  次のようなことで頭を悩ませていることはありませんか。

悪口を言われて困っている
根も葉もない噂を流されて困っている
同僚や友人とちょっとした話の行き違いから問題が大きくなり悩んでいる
誤解を受けて悩んでいる
相手はどうしても自分のことを理解してくれない

  このようなことはしょっちゅう起きており、いつもこの種の悩みを抱えることで仕事や家庭生活にも影響がでてきます。 大したことではない、あるいはちょっと話し合えば理解し合えることがなかなかできないのです。 なかには大切なことも、もちろんあります。 感情が邪魔をしているからです。  私たちはこのようなことに、時間とエネルギーをさきすぎているような気がします。 それらのことが事実に基づくことで、自分の生活がそれによって乱されるならば、本気になって問題の解消につとめなければなりませんが、単なる噂であればほっておけばいいのです。 噂は本人が否定すればするほど、真実味を増すものなのです。 自分に自信があるひとは噂話は気にかけないはずです。 自分に自信がない人ほど、周囲の噂や自分に対する周囲の評価を気にするものです。 逆に言えば周りを気にする人ほど、自分に自信がもてない人だということになります。 はたして、あなたはいかがでしょう。 

  根拠のない悪口、噂や誤解は、あっさりと否定してむきにならないに限ります。 むきになればなるほど、相手はおもしろがったり、本当のこととして受け取りますから。 このことを逆に利用し本当のことも当人があまりにもあっさり受け流してしまうと、相手は本当のことも単なる噂だったのだと受け取ることも多いです。 この手で問題を回避することもできますが、この方法はできそうで簡単にできることではありません。 機会があったらぜひ試してみて、この薬の効き具合を確認するとよいでしょう。 抗生物質よりも効き目がありますよ。

  噂などはほっておくのが一番です。 芸能番組で噂を必死になって否定している芸能人(タレントと言うのかな、時代遅れですね)がいますが、それを見ていてあなたはその噂が本当だと思いますか、それとも嘘だと思いますか。 多くの場合その噂は本当だと思うでしょう。 それと同じことが自分にも降りかかっているのです。 「人の振りみて我が振り直せ」と言うことわざがあります。 他人の行動を参考にして、自分だったらどうすると考えることは大切なことです。

  噂などはほっておくのが一番には違いがないのですが、しばらくの間そのプレッシャーに耐えられるかどうかが問題です。 噂話はただおもしろければいいのですから。 他人の悪口や噂話をすることで、ストレスを発散しているだけですから。 本当に相手のことを心配してくれる人は、無責任なことは決して言いません。 むしろ黙っている人ほど心配してくれているのかも知れません。 無関心で、自分さえよければそれでかまわないので、黙っている人も多いことは当然です。

  なにがどうでもよくて、なにがどうでもよくないかは、その人の生き方、考え方の根本に関わる問題です。 だからこそ、人生について深く考える人は、自分なりの生き方を持っているので他人になにを言われても気にしないし、なにが起きてもあわてることもないのです。 これに対して自分の生き方をあまり考えない人には、周囲のことのすべてが気になるのです。 なにしろ自分なりの考え方がないので、周囲の意見に振り回されざるを得なくなるからです。

  どうでもいいことに執着しないと、それだけエネルギーをほかのことに集中できます。 その積み重ねは大きな財産となって自分に跳ね返ってくるはずです。

  大事なことをひとつ書き漏らしました。 それは噂ばかり立てている人は、結局はだれからも信用されなくなるということです。 だれかに信用してもらおう、相手にしてもらおうとして、相手に取り入るために情報を積極的に流すことの結果がだれからも相手にされなくなるのです。 自分のことをこのような人の知られたら、たちまち噂が広がってしまいます。 そんな人を本気になって信ずる訳にはいかないはずです。

  我々はどうしても重要なことは分かっていてもできないし、どうでもいいことには無駄な時間を費やしすぎるのではないでしょうか。

 どうでもいいことを相手にしないためには、自信と勇気が必要なのです。 逆に言えば、多くの場合自信と勇気がないから、どうでもいいことに多くの時間を割いてしまうことになるのです。 いい意味で自己中心的に考えられれば、どうでもいいことで思い悩むことも劇的に少なくなるはずです。

 自信や勇気があるということは、生きることをこんなにも楽にしてくれるのではないでしょうか。

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