優先順位を常に考えよう

 なにをするにも、考えるにしても、ものごとに優先順位をつけるということが重要なことは論を待ちません。 優先順位は別の言葉で言えば「段取りをつける」ということです。 優先順位の付け方を間違うと、簡単なこともむずかしくなったり、できることもできなくなることもあります。 とくに仕事においては優先順位を考える人と、考えない人とでは長い間に天と地ほどの差がでてくるはずです。 段取りの上手な人が仕事のできる人です。 なにも仕事に限らず段取りの悪い人は、なにをやらせても一人前のことはできないと思います。 具体的に言えば役員(重役)になれることと、課長にもなれないで定年を迎えるひとの差とでも言っておきましょうか。  

 私は段取りが悪くて、どうにもなりませんでした。

  優先順位の付け方については、ハウツーものがたくさん出版されているので、そちらを見てください。 指示された仕事を指示されたとおりにやっている人を見受けますが、このような人はまじめと言えるのか、ほかになんと言って表現したらいいのか分からなくなるのです。 日本語として適当に言葉が見つからないのです。 これからの社会ではメリハリもなく、指示された仕事を指示された順番にこなすような人は必要としないのです。 常に優先順位を考えて、仕事の緩急やめりはりをつけなければ仕事をしているとは言わないのです。 そうしなければ他の人より多くの仕事を処理することもできず、結局給料が上がらないことになります。 優先順位も関係なく仕事をしている人は、仕事をしているとは言わずに作業していると言っておきましょう。 仕事と作業の区別も、ここでは省略します。

  仕事における優先順位とは、それほど重要なものなのです。 人生でも、同じことだと言えますが。 極端な言い方をすれば、優先順位さえ間違いなく決定できれば仕事は達成できたといってもよいくらいです。 優先順位を決定するためには、どのような考え方が必要なのかについても専門書をみてください。 これからの社会はますますマニュアル化していくと予想され、マニュアルには優先順位は折り込み済みなので優先順位を考える必要性も仕事によっては少なくなっていきますが、このようなときこそ優先順位を的確に判断できる人にとっては成功のチャンスが飛躍的に大きくなると思います。 他人のできないことをできるということは、社会人としてなによりも必要なことなのです。 

  来るべき社会の姿を考えて、必要と思われることは他の人がしないので自分もしないのではなく、他人がしないからやっておくことが社会人としての成功に直結すると思います。 仕事に取りかかる前に優先順位を考える習慣をつけることが、仕事をやりやすくすることになります。 仕事は能率的に的確に片づけて行かなければ、山のように仕事がたまってしまい身動きがとれなくなってしまうでしょう。

  仕事の途中でも常に優先順位を見直すことが必要です。 なぜなら仕事を取り巻く環境や状況が刻一刻と変化しているからです。 たとえば課長から指示された仕事をしているときに、部長から急ぎの用件を頼まれたときにはどうしますか。 この例は極端ですが、同じような立場の上司から急を要する仕事をたのまれ多場合はどうしますか。 先に頼まれた方から処理しますか。 それとも優先順位を確認しますか。 それに職務分掌がらみ、指示命令系統を軽く考えると、サラリーマンとしてはとんでもない目に遭いますよ。 このような重要なことは今の社会ではだれも教えてくれないのです。 社会人になってから怒られながら覚えたり、自分で努力するしかないのです。

  仕事は優先順位の付け方と指示命令系統をどう理解するかによっては、比較的楽にもなり、とんでもない目に遭うことにもなるでしょう。 もちろんこんなことは分かっていて、いまさら説教される必要もないとは思いますが。

  優先順位をつけることは仕事にかぎったことではなく、個人の日常生活においても同じく重要なことです。 日常のささいなことも無意識に優先順位をつけているはずです。 優先順位を無意識に決めるのではなくて、常に意識的に決めていくことが重要です。 そうすることによってなにごとにも問題意識が持て、それが人間を育ててくれるからです。

  日常生活で(人生)さまざまにことに、自分の納得のいく優先順位をつけることさえできれば、生きる苦しみは劇的に減ると、私の経験からは断言できます。 無意識のうちに優先順位を決められないでいるから、生きることが苦しくなってしまうのだと、この年になって思います。

  優先順位をつけられないから頭の中がこんがらかって、できることもできなくなるのではないでしょうか。 私はそうでした。 自分にとって大切なものは何か。 それを知ることは、生きることを理解することでもあると思います。

 社会や組織の仕組みを理解しないと、とんでもない目に遭うことは目に見えています。 自分より仕事のできる人は、自分となにが違うのか、よく観察してみることです。

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