自分を大切にするとは

  よく「もっと自分を大切にしなさい」と言われますが、「自分を大切にする」ということがどんなことか、分かったようで分からないことですね。 私は若い時分「時分を大切にする」とは、一口で言えば自分に甘く接することだととんでもない勘違いをしていたことがありました。 みなさんのなかには、そんなふうに考える人はいないと思いますが、私は本気でそう考えていた時期がありました。 いま考えると赤面の至りです。

  では「自分を大切にする」とはどんなことなのでしょうか。

自分の信念に忠実である  (本音で生きられる)
自分に責任を持つ
自分の考えを明確に言える  (自己主張できる)
妥協ではなく協調できる
ありのままの自分を認めることができる (普通は自分は弱い存在であると認める)
言い逃れをしない、その場しのぎをしない  (現実を直視して逃げない)
失敗を恐れない
他人の考えに翻弄されない  (八方美人にならない、世間体に惑わされない)
他人と比較しない
完全主義にならない
小さな努力を積み重ねられる
怒られる勇気がある
自分にうそをつかない  (事実を事実として受け入れる)
断るべきときには、はっきりと断れる
けちではなく、節約できる
自分に固守しない
決断力がある
変化を恐れない
自分以外の人を自分の考えに縛り付けない
自分の責任範囲を明確にする
自分の身を自分で守る
自分の感情を大切にする
同じ失敗を繰り返さない
結果を恐れないで、やってみる勇気がある
自分を責め続けない
他人に信頼される  (当てにされる人とは違う)
過去を勉強にしたうえで、過去を許せる (許せるとは忘れると同じです)
災い転じて福とできる
自分の人生は自分で決められる
自分の思うように生きられる  (好き勝手に生きることではない)
自分を中心に考えられる
名によりも大切なことは自分に自信を持てる
     ・ 自信とはどこかに書いたように「自分で自分を頼りにする」ことです
その他いっぱいあると思います
     ・ 各人各様の自分を大切に仕方があります

  このように上げてみると、一体自分はこのうちのいくつのことができているのだろうと思うと、恥ずかしくなってしまいそうです。 でも書いたかぎりは、目標に向かって気長に努力していこうと思います。 自分は、気長に構えている時間がないくらいの年齢(平成13年現在68歳)になっているのですが。 「あわてない、あわてない」  

  なぜ自分を大切にできなくなるのか、それは小さなときからのしつけや教育、自分を取り巻く環境(友だちや社会)が大きな原因でしょう。 とくに親のしつけは決定的な意味を持つと言えます。 それは根本的には自分の自信をなくすことを教えられたからです。と言うか、そのような育てかたをする親が多くなったいうことですね。  もちろん親はよかれと思って、子供をしつけたことには間違いないのですが。 結果的に間違ったしつけをしたといえると思います。 それだからと言って、親を恨むことは筋違いです。 決して親を恨んではいけないし、私の本意でもありません。 私の本意はなぜ自分がそうなったのかの原因を探ることにあるのですから。 小さいときから次のように育てられれば、自分を大切にできなくなってあたりまえでしょう。

いつも兄弟や周囲と比較されて、「お前はだめな人間だ」と言われてきた
家族の中で自分だけが特別の目で見られ、そして差別されたり、区別されてきた
自分ではなにも決断してこなかった
    ・ すべては親が自分に変わってやってくれた
他人との心の交流がなかった
勉強ばかりしていて、「知識のあることが人間の価値だ」と信じ込まされてきた
失敗を過度に恐れた 
    ・ 失敗する人間は愚かな人間だと教えられた
感情を押さえ込むことを強要された
思いやりを持つことを赦されなかった  (自分以外の人はすべて敵、競争相手だと教えられた)
処世術のひとつとして、八方美人になることだと思った
なにごとも完全でなければならないと教えられた
自己主張は悪いことだと教えられた
「やっても無駄だ、長いものには巻かれろ」と教えられた
    ・ 私の場合です
すなおで、いい子になれと教えられた  (結果的に自立心のない人になってしまった)
親に「お前さえいなければ、こんなことにはならなかった」と言われた
親の溺愛や過干渉の中で育てられた

  要するに小さいときから、あるいは他人の心ない一言によって自信を喪失するようになり、それが原因で無力感に陥ったのではないでしょうか。 人それぞれに事情が異なるので、あくまでひとつの参考として考えてください。 自殺願望やリストカットなども、この無力感から抜け出そうとする心の葛藤の現れではないでしようか。 または自分に注目して欲しいという、願望の現れかも知れません。

  いずれにして「自分を大切にできるようになる」とは、自信を回復することではないでしようか。 自信を回復して、「自分にも生きる価値がある」と分かれば、きっと自分を大切にすることができるようになると思います。 自分を甘やかしたり、責任転嫁をしたり、ごまかしているうちは自信を回復することはできないと思います。 自信を回復するためには時間がかかりますが、あせらないで気長に努力すれば、きっと自信がついてきます。 こんなときこそ、他の人と自分を比較してはいけないのです。 自分には自分なりの生き方しかできないのですから。 自分には自分にだけフィットする服装があるのですから。 他の人の意見を聞くことは有益ですが、その人のまねをしてはいけません。 往々にして他人のまねをしたために、かえって自信をなくしてしまうこともあります。

  自分に自信を持てないから「こんな自分は嫌いだ」と自分をいじめたり、責めたりするのではないでしょうか。 納得している自分を責める人はいないはずです。 

  自分を大切にすることを一言で言えば、自分の感情を大切にする、自分に嘘をつかない、事実を事実して受け入れ自分の都合のいいように解釈しないことでしょう。

  自分を大切にするとは、「いま楽をするのか、それとも将来楽をするのか」と言うことでもあると思います。 「いまは苦しくつらいことが多くても、それを教訓としていろいろのことを学び将来に役立てる」ことが、自分を大切にするということだと思えるのです。

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