自分だけを守ろうとするから、よけいつらくなる

 「自分だけを守ろうとするから、よけいつらくなる」。
  そんなバカなことがあるのでしょうか。 いま生きることがつらくて仕方がない人は、他人のことまで考える余裕がありますか。 私の経験からは、そんな余裕はないと思います。 自分のことだけで手一杯だと思います。 

  自分の身を守る方法を知らなければ、生きることが苦しくなることは当然のことでしょう。 しかし自分の身だけを守れば、生きることが楽になるのでしょうか。 私は自分の身の守り方を間違うと、生きることがかえってつらくなると思います。 いまは生き方や考え方について教えてくれる人がほとんどいないので、自分の身の守り方を間違ってしまうことがどうしても多くなってしまいがちにから、生きることがつらくなっているように思えてならないのです。

  では、どのような身の守り方が生きることを楽にしてくれるのでしょうか。 そして、どのような身の守り方が生きることをつらくしてしまうのでしょうか。 ここで改めて考えてみたいと思います。 一見自分の身を守っていると信じていることが生きることをつらくしていたり、逆にこんなことでは自分の身を守れるはずがないと思うことが守っていてくれることも多いのです。

 このことはホームページ全体を通して言っていることなので、箇条書きにだけします。 (順不同です。)

どのような身の守り方が生きることをつらくするのか
言うまでもないことですが、自信を持てない (すべての苦しみの源になります)
八方美人になってしまう
自己主張しない
ささいなことを軽視する
なにごとも他人と比較してしまう
妥協してしまう
争いを避けてしまう
現実から目をそらしてしまう
失敗を恐れて、なにもできなくなってしまう
完全主義になってしまう
最善の策だけを求めてしまう
他人の価値判断を自分の価値判断の基準にしてしまう
他人に依存してしまう
その場しのぎをしてまう (その場を嘘でとりつくろってしまう)
断るべきことに「ノー」と言えなくなってしまう
「けち」になる  (けちと節約は違う)
相手の意見を聞かず、自説ばかり押し通そうとする
相手の立場を無視する
心が弱いため相手の責任までかぶってしまう
自分の身を守るためことなかれ主義になってしまう
優先順位を無視して、なんでも相手の言うことをきいてしまう
自分を責めてしまう
感情を殺してしまう
自分自身が傷つくことを避けてしまう
他人との摩擦を避けようとして自分を表現することを避けてしまう
高圧的な態度に出てしまう  (空威張りは劣等感の裏返し)
自分の世界に閉じこもってしまう
自分だけがつらい思いをして生きていると思い込んでしまう
自分を否定しながら、自分を変えようとしてしまう (自分を否定しながら自分を変えることはできない)
不安から逃げて、不安と向き合おうとしない
行動しないで、頭の中だけで問題を解決しようとする
理性や理屈だけで考えようとする
経験すること(現実に直面すること)から逃げてしまう
自分の責任を回避しようとする (責任転嫁)
生きる苦しみは、なくなるものと思っている (絶対になくならない)
しあわせは日常生活の外にあると考えしまう
人生は自分の思い通りになると思っている
お互いに傷つけあわずに生きようとする (結果的に傷つけあわずには生きられない)
自分ひとりで生きいるのだと錯覚してしまう
なにごとも待ちの姿勢になる
つらい過去は自分にとっては意味のないものだと考える
自分だけは特別だと考える (考え方によっては、すべての人は特別なのですが)
  ・ 自分にだけは災難は起こらないと思うから
人生に逃げ道があると考える
失敗からなにも学ぶことができないから (ただ恨むだけになるから)
自分が変わろうとしないで、相手だけ変えようとする

  ほかにもいろいろとあげられますが、このくらいにしておきます。 そしてこれらのことのすべては、私のホームページの中で繰り返し書いていることです。

どのような身の守り方が生きることを楽にするのか

 上に書いたことと逆のことですので、詳しくはホームページの各項目を読んでほしいと思います。 

  ここでどうしても強調しておきたいことが、ひとつあります。 それは端から見た行動は同じでも、動機が違えばまったく違う意味を持つということです。

 分かりやすい例として「八方美人」について、説明します。

  自分に自信がないために、相手に受け入れてもらおうとして八方美人になっているのか、それとも自分に自信のある人が、人間関係によけいな摩擦を起こさないために八方美人を演じているのかと言うことです。 外から見ればどちらも八方美人には違いありませんが、前者は消極的な八方美人であり、後者は積極的な八方美人だということです。 自分に自信のある人がいくら八方美人を演じても、自分を損なうことはありません。 しかし自分に自信の持てない人が八方美人になることは、失うものはあっても得るものはなにもありません。

 だから相手を見るときに、この人は自分に自信があって八方美人を演じているのか、逆に自信がないので八方美人になったり、空威張りをしているのかを見抜くことが大切なのです。

  その行動の元となっている動機を知ることが非常に大切なのです。 しかし、それができるためには逃げないで現実と直面していくしかないのです。

 自分だけを守ろうとすれば、どうしても自分の意見や生き方を押し通す(強引にとまでは言いません)、自分を正当化する無理な理屈を通すことになるので、相手から嫌われてしまうことが多くなりがちです。 とくに自分に自信を持てなければ、弱い自分を隠すために自己主張は強くならざるを得ません。

 人間は、自分のことだけしか考えないような人を好きになるはずがありません。 同じような性格の人達だけが集まって、他人の悪口を言い合いながら、仲良くしているようなこともありますが、そのようなことは論外のことです。 自分の身を守るには、相手の人格を大切にしなければならないのです。 相手と仲良くしながら、言うべきことは言うということが理想だと思います。

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