事なかれ主義

  私たちはだれでも、自分や自分の家族の人生は平穏無事であることを願わない人はいないと思います。 平穏で人並みの生活ができることを願わない人はいないでしょう。 でもこれがむずかしいことなのです。 現実は厳しいもので予期しないできごとや事件が、次々と持ち上がり、自分の計画したような人生を送れる人は皆無に近いのではないでしょうか。 もし自分の人生計画通りに、その人の人生が運んだとしたら、その人の生き方は次に述べるような生き方ではないでしょうか。 あなたの周りにもそんな人が必ずいると思いますから、その人ひとの生き方を観察してみれば、私の言っていることを納得してもらえるものと確信しています。

常に周囲のことを必要以上に気にして生きている人
       ・ この件に関しては、繰り返して書いていますので、そちらを読んでください  
常に否定的な考え方をする人 (マイナス思考)
       ・ ○○してはならない
損得ばかりでものごとを考える人
       ・ 自分の得にはならないことはしない
競争をするにも自分が勝つことよりも、相手の負けることを重視する人
       ・ 結果は同じでも、その意味はまったく違っていると思いますが、いかがでしょうか
       ・ このことは自分が成功しなくても、相手が自分より失敗することが重要なのです
       ・ 全体的に自分がビリの方でも、相手がそれより悪ければそれでいいのです
常に相手との比較においてばかりものごとを考える人
       ・ そこには積極的意味での生きる意味が見いだせないと思うのです
       ・ 相手はどうでも自分はこう生きるというのが積極的な生き方だと思うのです
常に結果論でものごとを考えがちな人
自分の身を守ることしか考えられない人
       ・ このような人は「見ざる・言わざる・聴かざる」の生き方をするひとです
他人に誠実な関心を持てないひと
       ・ 新聞の三面記事的な興味本位の関心を示す人は大勢います
人の先頭に立って積極的に行動しようとしない人 
八方美人的な生き方をする人
       ・ 自分の明確な考え方もなく、自分の考えていることを発言もできない

  ことなかれ主義がなぜよくないかと言えば(積極的に悪いと言っていませんので誤解のないように)、いくら平穏無事の日常生活を望んでも予期しないことが襲ってくることがあり、そのようなときにことなかれ主義では対応できなくなるという点にあると言いたいのです。 すなわち現実から逃避したような、あるいは背を向けたような生活をしているので、なにごとによらず経験する機会が少なくなり、現実に予期しないことや考えてもいないことに直面すると、どうにもできなくなる点に問題があるのです。 現実から逃げることがなぜしあわせをもたらさないか。 端的に言えば、経験だけが人間を育ててくれるからです。

  人生には予期しないことが次々と起こるものであり、ことなかれ主義で生きていると問題が発生したときにどうすればいいか分からなくなり、誤った選択をしがちになるということを忘れてはいけないと思います。

  ことなかれ主義は周囲に迷惑をかけることも少ない生き方なので、その生き方の善し悪しについてはなにも申し上げることはありません。 人はみな自分の責任において、生きていけばいいのですから。 結果を背負うのは自分以外にはいないのですから。

  いま若者に見られる従来とは違ったやさしさも、「ことなかれ主義」の変形ではないでしょうか。 私には、そのように思えてならないのです。

 問題は、人生には「事なかれ主義」は通用しない修羅場が必ずあると言うことです。 そのようなときを、「ことなかれ」でやり過ごしてしまったツケは非常に大きいのです。 経験したことのある人には、そのことの重要性が分かってもらえると思いますが、あとになってする苦労はとてつもなく大きく、重いものになるのです。

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