自分が傷つかないようにすればするほど、傷が深くなる
私は生きるためには、「自分が傷つくことは避けられない」と繰り返し書いてきました。
多くの場合、自分が傷ついたり傷つけられてしまうと、あるいは傷つけたりしてしまうといやな思いをしたくなくて現実から逃げたり、自分の殻に閉じこもってしまうことがあります。 なぜなら、それらのことが自分を守ってくれと錯覚してしまうからです。 そして一番簡単な方法だからです。 外との関係を少なくしたり、あるいは外との関係を絶ってしまえば、自分が傷つく要因はなくなると勘違いしてしまうからです。 たしかに一時的には外との接触を断てば、自分が傷つくことは避けられます。
しかし外との接触を断つということは、自分を成長させてくれる唯一の道を閉ざすことなのです。 経験という大切なことから逃げてしまうからです。 経験することによって自分が成長していくのに、経験から逃げることは自分の成長を自分の手で止めることになるのです。 結果として新しいことを覚えることができなくなるのです。 と言うことは、いままでとは違ったあるいは想像しなかった現実にぶつかれば、ますます対応できなくなることです。 ただでさえ現実に対応することができなかったら現実から逃げたのに、現実から逃げることでますます現実に対応できなくなるのです。 このことは何度繰り返して、繰り返しすぎることはないくらい大切なことなのです。
苦しいからと言って逃げていても、いつかはまた同じような問題でつまづいてしまうのです。 そして、そのときは以前よりも状況はもっと悪くなってしまっているのです。 ものごとは先送りすればするほど、状況が悪くなるのです。 だから逃げてはいけない」と言いたいのです。
自分が傷つかないようにすることが、自分をますますつらい状況に追い込んでいるのです。 だれでも傷つきたくはないのですが、傷つかないでは人間として成長できないのです。 大切なことは傷つかないことではなくて、傷ついたらどうすればいいのかを学ぶことです。
だから傷ついても傷ついた自分をよく見つめていくしかないのです。 現実から逃げても、いつかは現実に捕まって、そのときはもっと苦労しなければならないからです。
自分を守ろうとすれば、どうしても相手の言動が気になってしまい、心から安心感を持つことができなくなってしまうのです。 自分の守り方になにか問題があるのではないでしょうか。 傷つかないように自分を守ろうとすれば、どうしても不安にならざるを得ないと思います。 だから結果的にますます傷ついてしまうのです。
自分が人間関係で悩みながら(傷つきながら)、自分が傷つかなくなる道を探すほかに道はないのだと思います。
「人生に逃げ場はない」と繰り返して強調したいのです。 逃げ場があるなら、私が一番先に逃げ出しますから教えてください。 でも、本当にむずかしいですね。