なぜ、自分を好きになれないのか

 世の中には自分を好きになれなくて苦しんでいる人は、想像以上に多いようです。 かく言う私も若いときには、自分が嫌いでなりませんでした。 他人が嫌いというなら話は分かりますが、なぜ一番大切な自分を自分が嫌ってしまうのでしょうか。 逆に言えば自分が大切だからこそ、自分を嫌ってしまうのだと思います。 どうでもいい自分なら、好き嫌いの問題はあまりなくなるのではないでしょうか。

  なぜ自分を好きになれないのか。

自分では悪いと分かっていても止められないことが多いから
   ※ ギャンブルなど
理想と現実の自分が違いすぎるから
自分の思い通りにならない自分だから
   ※ 八方美人になりたくないと思っても、八方美人になってしまうから
   ※ 「ノー」と言わなければならないときに、「ノー」と言えないから
「いましなければならい」と分かっていても、先延ばししてしまうから
忍耐力がないから
努力しても、実力や学力が付かないから
容姿が見劣りするから
いつも自分で自分を騙してばかりいるから
過去の自分を受け入れられないから
完全でなければならないと思うから
現実から逃げ回ってばかりいるから

  要は現実の自分と理想とする自分とのギャップが大きすぎて、その差を埋めることができないと感じるからではないでしょうか。 努力して埋められるくらいのギャップなら、一時的には自分を嫌いになることはあって、最終的に自分の殻に閉じこもってしまうまでは行かないのではないかと思うのです。 自分で自分をどうにもしようがなくなったと感じるから、自分を嫌ってしまうのではないでしょうか。

  では理想と現実のギャップが大きすぎるなら、現実を簡単に変えられないなら理想を下げればいいと思うのですが、自分を嫌ってしまった人には理想を下げることができなくなってしまうのです。 元々自信がないから理想を高く掲げたのに(自信があるように見せるため)、その理想を下げるということは自信のなさを認めることになるからです。 周囲に対してだけでなく、自分に対しても屈服したことになるからです。

  いま自分を嫌いで仕方がない人は、自分の理想が現実を無視した高すぎる理想ではないかどうかを考えて欲しいのです。 他人に認められることで自分を認めようとすることに、根本的な問題があるのです。 他人に認めてもらえなくても、自分自身で自分を見つめることができればいいではないですか。 自分で自分を認められないのに、他人に認められようとは笑止千万なことではないでしょうか。

  「自分は弱くて欠点だらけの人間なんだ」と認めることができたときには、いままではになかった安らぎを感じ取ることができるのではないでしょうか。 自分だけではなく、他人も欠点だらけの人間なんだと身をもって体験することができれば、そんなに自分を嫌う必要はなくなるはずです。 他人に認められようとするから、理想を引き下げることができないのです。 「自分は自分で、他人は他人で、お互いに考え方も生き方も違うのだ。 それでいいのだ。」と納得することが大切なのです。

  自分がもう少し努力すれば達成できる理想を掲げることが大切なのです。 その目標が達成できたら、次にはもう少し大きな目標を設定すればいいのです。 目標を達成した充実感こそが自分を好きになることなのですから。 完全を求めれば求めるほど、自分は劣等感に陥ってしまいます。 なぜならこの世の中には完全ということが、現実には存在しないからです。 存在しないものを求めれば、自分の無力感を確認するだけになって、自分を嫌いになってしまいます。

  なんでもいいから、続けることが自分を好きになる近道だと思います。 いままではできなかったことも、その気になればできるという事実が、自然に自信になるのだと思います。 「なにごともはじめがつらいのです。」  そしてこのつらさがいつまでも続くと思って、すぐに投げ出してしまうから自分を嫌いになってしまうのです。 あきらめないことが自分を好きになるこつだと思っています。

  なぜ自分を好きになれないのかの、もうひとつの理由は自分自身がうそをついているということを感情が知っているからではないでしょうか。 つまり「他人はだませても、自分はだませない」のです。 だから自分を好きになろうとしても、本当の自分が建前の自分を拒否してしまうのではないでしょうか。

 どんなささいなことでも、やってみて自信を付けることが、自分を好きになるはじめの一歩になるのだと思います。 少しでも自分が変わることができれば、必ず自分自身に対する自己評価が違ってくるはずです。 このとき、絶対にしてはならないことは、他人の評価を気にしないことです。 絶対にです。

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