努力は短期的には失敗という形で現れることも多い

 このことも幾度となく繰り返してきたことですが、大切なことですからまた書いてみます。 「人生はやってみなければ分からない」のですが、やってみるということは失敗というリスクが必ずつきまとうものなのです。 そして、失敗が恐ろしくてなにもできなくなってしまうことが多いのです。

 これに対して「失敗は成功の母」ということわざもあります。 失敗は自分の欠点や短所を教えてくれるという意味ですね。 多くの場合、人はその失敗からなにかを学び取り、同じような失敗を繰り返さないようにやり方を変えて再挑戦しているのです。 それでもまた、失敗することもあります。

 いまのしつけや教育では、「失敗は人間のくずのやることだ」というような極端な考え方をする人も多く、親は子供に対して「失敗してはダメよ」としつけることが多いので、子供は二度、三度と失敗すると恐ろしくなり、なにもできなくなってしまうのではないでしょうか。 そのような環境で育てられて子供が大きくなって、いまなにもできない大人たちが多くなったのだと思います。 幼いときから親に言われてきたことが、無意識のうちにトラウマになってしまっているのではないでしょうか。

 成功した人が異口同音に言うことは「失敗しても、失敗しても懲りずに挑戦し続けたから成功した」ということです。 ひとつの失敗は「そのやり方ではダメだから、次にはやり方を変えなさい。 あなたには、このような欠点があるから直しなさい」と教えてくれているのです。 それが、失敗に学ぶということです。 あとで冷静になったときにしか分からないことですが、失敗したときは謙虚な心と勇気を持って事実を見つめ直すことが、成功への鍵ではないでしょうか。

 多くの場合、数え切れないほどの失敗を繰り返しながら、そして反省を繰り返すことで成功するのです。 もっとも多く成功している人は、もっとも多く失敗をしている人だとも言います。 ビギナーズラックということもありますが、それは偶然であることが多く、自分の実力が反映された結果とはなかなか言い切れないものです。 失敗の積み重ねが成功をもたらし、その成功が自信へとつながるのです。 仕事では同じような失敗が続くことは許されないので、その原因を究明し早期に改善していかなければならないことは言うまでもありません。

 大切なことは、勇気はどんなに頭の中で考えただけでは持てないということです。 いまの詰め込み教育の現場で、勇気を育てることは非常にむずかいことなのです。 いまの教育では意地ややけくそのようなものは育つでしょうが、それらは勇気とはまったく違うと考えるのは間違いでしょうか。 意地ややけくそは短絡的にしか表現されないのです。 それがさまざまな社会問題につながっているのではないでしょうか。

 勇気は行動し、失敗を繰り返すことで身に付くものなのです。

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