こびれば(相手にいい顔をすれば)、ますますやられる

 この言葉は私のホームページの掲示板に寄せられた言葉です。 このことについて私は間接的にしか書いてきませんでしたが、言われてみれば重要なことだと思いましたので、あらためて書きます。

こびへつらう  …  相手に気に入られようと機嫌をとる

  言葉をかえれば、八方美人になることです。 なぜこびへつらうようになってしまったのかについては、八方美人のページを読んでください。 ここでは一度こびへつらうとどうなるかについてだけ、触れておきたいと思います。

  相手に気に入られようとして一度自分の信念を曲げたり、言うべきことを言わなかったりすると、相手はこう思うはずです。 相手に思いやりがあっていい人ならあまり問題はないのですが(あまりであって、やっぱり問題はあるのですが)、相手が悪いやつだったり利己的なやつだったりすると、あなたの弱みにつけ込んで、徹底的にあなたを利用しようとするから問題なのです。 そのような人間は、数え切れないほどいます。 そしてその餌食になって苦しんでいる人も、数え切れないのです。  あなたが気に入られようとしている相手からあなたを見れば、

俺の言うことは、少々の無理でもきくはずだ
俺の言うことには反対しないはずだ

 と、考えるはずです。 この世の中には、利用できる者は徹底的に利用しようとする人が数え切れないほどいるのです。 自分の利益のためには、相手が死のうが生きようが気にもしない人もいるのです。

  ここから多くの苦しみが始まるのです。 相手と仲良くしよう、相手に気に入ってもらおうとしたことが逆にあなたを苦しめてしまうのです。 自分の意に反して相手の言うことを聞かなければならなくなるから、自分の言いたいことを言えなくなるから、そんな自分を嫌いになるのです。 そして自信を失い、自分をも失っていくのです。 マスコミで報道される事件を見聞きすると、相手に嫌われるのが怖くて悪いことだとは知っていたけれども、盗みを働いてしまったということはしょっちゅうです。 盗みくらいなら許せても、そのためにひとを殺すことも決して珍しくはないのです。 いまの青少年問題の核心のひとつは、このようなことがあるはずです。

  一度相手にこびへつらってしまうと、相手は図に乗って要求をエスカレートさせてくるだけです。 おかしいなと思ったら、早い段階で相手の要求を拒否するこことが必要なのですが、悲しいことにこれができないのです。 自分でできなければだれかに相談すればよさそうなものですが、心の弱いひとは自分の弱さを他人にうち明けることができないのです。 そうして深みにはまってしまうのです。

  「自分はなぜ相手にこびへつらわなければならないのか」、そのことを考えることが必要になるのです。 詳しくはここでは触れませんが。 こびへつらうことがどんなに危険なことか、分かってもらえるのではないでしょうか。

  だから協調しても妥協してはならないのです。

  どこかでこびへつらいを止めることができなければ、生きることがますますつらくなるだけです。 そして生きることがつらくなればなるほど、ますます相手にこびへつらうことによって自分を守ろうとするだけです。 このことを止めることができれば、生きることが非常に楽になると思います。 多くのことで悩む必要はありません。 このたったことつの「こびへつらい」を止めるだけで、世の中はまったく違って見えるはずです。 このホームページの主題も、このことだけにあると言っても過言ではないのです。

  どうやって「こびへつらい」を止めるか、それはこのホームページ全体のテーマです。

  こびることがどれほど生きることをつらくしているのか、自分の周りの人を見たり、悩み事相談を見れば分かるのではないでしょうか。 自分に自信がないから、相手によく思われることで心のやすらぎを得ようとすることが、どんなに自分を苦しめてしまうのかは想像以上のものがあれます。

  このページの最期に、このヒントを与えてくださった○○さんに感謝いたします。 ありがとうございました。

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