人生の寄り道(失敗のようなこと)が余裕のある生き方を教えてくれる

 世の中には、あまり大きな失敗もしないで、人生の日の当たる場所を生きてきた人もいるでしょう。 いわゆる、「一流」と言われるところを、たいした問題もなく生きてきた人たちのことです。

 しかし、そのような人に人間くささがあまり感じられないのは、私一人なのでしょうか。 わたしのやっかみなのでしょうか。 いわゆる、優等生的な生き方をしてきた人は、一般的に失敗や挫折をあまり経験していないので、決まり切ったことや常識的なことにはすぐれた管理能力を発揮することが多いですが、イレギュラーなことにはなかなか対応できない、人の人情の機微を分からない、そんな人が多いように思われます。 もちろん、そのような人はその人なりに、人一倍の努力をしたことは分かりますが、人間味という点での努力には疑問を持たざるを得ないのです。

話は変わりますが、いまキャリアといわれる高級官僚が、新しいことに力を発揮できにくい理由は、このようなところにもあるのだと思います。

 いまTBSのテレビ番組で空前の視聴率を誇っている「半沢直樹」にでている、金融庁の主任検査官のようなタイプの人を想像していただければいいです。 

 人生には、ときとして想像もできないようなことも起こりうるのです。 他人の決めた道を歩んできた人は、想定外のことが起きると対応しきれなくなることが多いのです。 なぜなら、理屈や机上の理論でものごとを考え、対応するように育てられてきたからです。

しかし、失敗などを重ねてきた人は、想定外のことも数多く経験してきていることが多いので、生き方が臨機応変に対応できるようになっているからです。 人生の一見無駄と思えることを、数多く経験してきた人と、そうでない人とではものごとに順応の仕方が根本的に違うのです。

 なにが、いつ、どのような形で役立つかは分からないのです。 いつ、どんなことに遭遇しても対処できるようにするには、多くのことを経験し、失敗と成功を繰り返す中から自分なりの生き方を見つけていくしかないのです。

 この経験こそが、人生を楽にしてくれるのです。 現実から逃げ回っていては、生きることが楽になることは絶対にないのです。

人生には、必ず寄り道(失敗、無駄だったと思うこと)がある。 要は、その寄り道をどのように捕らえて、今後の人生に活かすかにある。

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