最後のよりどころは自分しかいない

 生き方が不必要に苦しくなってしまう理由のひとつに、最期のよりどころは自分しかないのに、他人によりどころを求めてしまうことがあるのではないでしょうか。 自分に自信を持てないと、どうしても自分の生き方のよりどころを、自分以外(配偶者、家族、親、子供、親友、会社、社会の規範や常識など)に求めてしまうからよけい自信を失ってしまうと思います。 

  自分のよりどころを自分以外に求めると、いつも相手の動向を気にするようになり、八方美人的な生き方をしなければならなくなって、ただでさえ薄い自分という存在がますます薄くなってしまいます。 自分の魂を相手に売り渡したに等しくなってしまうのです。

  どんな人でもはじめから自分に自信があるのではなく、失敗や挫折を重ねながら自信がつくものであり、その過程ではどれほどの苦労や悩みや恥ずかしい思いをを重ねてきたかは分かりません。 このような失敗や挫折を乗り越えることができた人だけが、自信を持つことができ、人生に勝利を収めることができると信じます。 あきらめないで努力する以外に自信のつく方法はないのです。 苦しさに耐えかねて挫折すると自信を喪失し、なにごともやる気がなくなっていくのです。 そのような人は生きることのよりどころを自分に求めることができず、他人によりどころを求めてしまうから、ますます生きることがつらくなっていくのです。 

  自分に責任を負うことができなければ、責任転嫁をして社会や相手を呪うことになります。 自分の生きるよりどころを他人に求めれば、決して充実した人生を送ることはできません。 このことは自分の周囲にいる人たちの生き方を観察すれば、分かるのではないでしょうか。 一番大切なことを他人に任せてしまうから、いつまでたっても生きることが楽にならないのです。 一時的には苦しくても、生きることのよりどころを自分に求める努力をしなければならないのです。 それができれば必ず生き甲斐のある人生になるはずです。 社会との連帯感の中で、自分を最期のよりどころにしなければならないのです。 他人に依存しているひとを観察すれば、あとは言わなくても分かってもらえるものと思います。 

  自分を信じることです。 たとえどんなに頼りなく、情けない自分であってもです。 ここが生きることの出発点になると思います。 この出発点をごまかしてしまうから、すべてのことがおかしくなっていくのではないでしょうか。 そのためにはなにごとも積極的に考えて、行動することです。 気持ちの切り替えがなかなかできない人は、行動だけでも変えてみてはどうでしょうか。 行動が変われば気持ちの切り替えも意外とスムーズにできるものです。 このつらさを乗り越えなければ、つらい生き方をするだけです。 またには自分の姿を自分の心の鏡に映してみることが必要でしょう。 そして自分は「こんな姿をしていたのか」と思えば、自分を変えないわけには行かなくなると思います。 

  「最期のよりどころは自分だ」ということは、自分で決断しなければならないということです。 自分で決断することになれていない人が自分で決断することは恐ろしいことかも知れませんが、これは逃げてはならないことなのです。 結果がどうなれ自分で決断して生きることができるようになれば、生きることが必ず楽になってきます。 そして自信がついてきます。 生きることが楽になると言うことは、それだけ自信がついてきたことのなによりの証拠なのです。 

  考えてばかりいないで、やってみることです。 やってみてから、言うこと、考えることです。

  他人に与えられた人生を歩んではいけないのです。 自分で自分の生き方を見つけなければ、生き甲斐はあり得ないのです。 他人を信じることは必要ですが、他人を頼ってはいけないのです。 自分を頼りにすることができる人だけが、幸せになることができるのです。  私の経験から言わせてもらえば、責任転嫁をしないようになってから生きることが楽になったと思います。 生きることが楽になるということは、自分に自信を持てるようになったということです。

  どんなことでも、どんなときでも、最後に頼れるのは自分しかいないのです。 自信のない自分を頼らなければならないから、生きることがつらくなるのです。 不安にならざるを得ないのです。 自分でもコントロールできない自分を頼らなければならないから、不安だけがさきになってしまい、なにもできなくなるのです。 どんな人でも心の底では自分だけしか頼れないことを知っているからではないでしょうか。 

  それなのに心の弱さに負けて他の人に頼ってしまうから、ますます弱くなってしまうのです。 他の人の言うことを参考や手本にすることは必要ですが、他の人をまねたり頼ってはならないのです。 他の人をまねたり、頼ってもいいのですが、いつまでも頼ってしまうことがいけないのです。

 自信を持つために、なぜこんなにもつらい思いをしなければならないのでしょう。 私が考える、回答は次の通りです。

 「この世の中はすべてが相対的だ」と書きましたが、楽しい、生きていて良かった思えるためには、それと正反対のことが不可欠なのです。 すなわち、苦しく、つらいことを経験しなければ、真の生き甲斐のある人生が送れないと言うことしか考えられないのです。

 それしか考えられないと言うことは、上に書いたことが私の真実だと言うことです。

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