過去を恨んでいる限り、過去を忘れることはできない

恨みは人の心から消してしまうことが、もっとも難しい感情です。 恩はすぐに忘れる人(自分のことか)でも、恨みはなかなか忘れないばかりが、時間とともに大きくなっていくことも多いです。 それは時間が経過すればするほど、その恨みの効果が現れてくるからではないでしょうか。

  私は「過去を忘れるとは、過去を克服して人間的に成長すること」だと思っていますが、恨みでもって人間的に成長することはできないのです。 感情の収まりはついても、人としては成長できないのでのです。 言葉を換えれば恨みでもって、問題を解決することはできないのです。

  恨みはあくまでも問題を解決するのではなくて、一時的に感情を満足させるだけなのです。 恨みにはそれ以上の効果はないのです。 我々が恨みを晴らすことで、問題が解決したと勘違いしているだけなのです。

  だから過去を恨んでいる限りは、過去を忘れることはできないし、人間的に成長することもできないのです。

  本当に難しい問題だと思います。

  私の経験からも、過去のことを許せたとき、過去のことを反省材料として同じ失敗を意識的に繰り返さないようになれたときに、自由になれたと思っています。

 過去にこだわっていては、なかなかしあわせにはなれないのです。 過去を克服したところにしか、しあわせはないのです。 話は飛びますが、だからイエス・キリストは「許し、許す」こと、すなわち「愛」を説いたのです。 歴史を見ても、恨みで相手を服従させることはできても、仲良くはできないのです。 平和は訪れないのです。

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