心の弱い人は、相手を許すことができない

 世の中には「人を恨んで自滅している人」は多いようですね。 きっと、想像以上に多いのではないでしょうか。 かく言う私も似たようなものですが。 自分がつらい思いをするだけならまだしも、その恨みを晴らすために暴力をふるったり、殺人を犯してしまうことも日常茶飯事になっています。 そして、多くの人が不幸に巻き込まれているのではないでしょうか。

 そして、そのようなことに人は気がつきにくいので、問題を一層解決することがむずかしくなってしまうのです。

 その恨みの原因が相手にあることが明確ならまだしも、自分の誤解で相手を恨んでいるのかもしれないのです。

 相手を恨み続けても一文の徳にもならない、逆に自分自身を苦しめるだけだと分かっていながら、相手を恨まなければ自分を維持していくことができないのですね。 それだけが自分を楽にしてくれると思いこんでいるのでしょう。 それしか解決の方法がないと思いこんでいるのでしょう。 それが心の弱さなのだと思います。 そんな恨みはさっぱりと忘れることができればいいと思いながら、忘れることができなくなってしまっているのです。 忘れることができないから、その恨みがいつも心のどこかに引っかかっていて、ますます自分を苦しめるのだと言えます。 

 感情さえ収まれば、問題が解決したかのような錯覚に陥ってしまうのが、人の常なのでしょう。 一時的に感情が収まっても、問題が解決したわけではないのです。 このことも、どこかに書いてありますので、詳しくはそちらの方を読んで下さい。

 「相手を恨むことだけが、いまの苦しみから自分を救ってくれる」としか考えられなくなってしまっているのです。 そのような目で相手やまわりをみてしまうから、事実が見えにくくなって、ますます恨みを募らせてしまうのです。 「相手を恨むことは、実際いまの苦しみをいとも簡単に和らげてくれると信じられるし、自分を正当化できる。」のですから。大多数の人がこの罠にはまっても不思議ではないですね。

 心の弱い人がなぜ相手を許すことができないのかと言えば、相手を許してしまえば自分の苦しみをぶつける対象がなくなってしまうからです。 相手を恨むことで自分を救おうとしているのに、その相手がいなくなれば自分をどうしていいか分からなくなるからなのです。 「相手を恨まなくても、いまの苦しみから逃れられるのだ。」ということを、だれも教えてやらなかったことが問題だと思います。

 相手を許してしまえば、「今回もまた、負けた」と感じ、そのような自分をますます嫌ってしまうからです。 世の中の多くのことは、勝ち負けで判断するとよい結果を得られないことが多いのではないでしょうか。

 また、自信があれば自分が一時的にはいまより傷ついても、苦しみを克服できるのですから、相手を許すことができるのです。 時間はかかっても。 自分に自信を持てないから、いつまでも相手を恨み続けることになり、恨み続けるしかできないから、いつになっても自信を持つことができないのです。 これは「経験が人を育ててくれる。」と同じことです。 心の強い人は(自信のある人)、苦しみをバネにすることで自分を変えられるから、ますます自信をつけていくことができるのに対して、自信のない人は自分の苦しみを相手のせいにして、現実から逃げたり、現実をねじ曲げてみようとするから、いつまで経っても強くなれないのです。

 本当に苦しみを克服するには、相手のせいにするのではなく自分自身を反省し、自分の弱さを直視して、いまの苦しみに立ち向かうしかないのです。 自信のある人はこのことを体験的に分かっており、そうできるから相手を許すことができるのではないでしょうか。 時間のかかることはあっても。 たとえ、本当に相手が悪かったとしても、比較的短期間で忘れることができるのです。 いつまでも「俺はあいつを許せない。」と言っている人もいますが、それは自分の弱さを暴露していると言うことに本人が気づいていないのだと言えます。

 苦しみを克服して相手を許すことができた人だけが、自分をより大きく飛躍させることができるのです。 その苦しみをバネにして、自分が成長できたからこそ相手許すこともできるのです。

 逆に、心の弱い人は経験を糧として自分を成長させることができないから、いつまで経ったも相手を許せないし、おしまいにはそんな自分をも許せなくなって苦しみ続けることになるのです。 マイナスの悪循環がはじまるのです。

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