臨機応変に対応していい人、ダメな人

 人生において色々なことに直面しますが、そんなとき「臨機応変に対応しなさい」と言われることがよくあると思います。 そして、この「臨機応変に対応する」ということが、必要なことはもちろんです。 しかし、自信のない人が臨機応変に対応できるのでしょうか。 私は、自信のある人が臨機応変に対応することに、異論を挟む気はありませんが、自信のない人が臨機応変に対応しようとすることには、大きな問題があると思っています。

 自信のある人が臨機応変に対応するということは、その場その場に応じて適切な行動を取ることになる(多くの場合)ので、とくに問題となることはないのです。

 しかし、自信のない人が臨機応変に行動するとは、どういうことを指していうのでしょうか。 これか゜問題なのです。

 私に言わせれば、自信のない人が臨機応変に行動するとは、基本的に相手の顔色をうかがいながら相手を怒らせないよう、相手に気に入られるように行動することだと思うからです。 もし、そうであれば、その人はますます自信を失っていくだけになってしまうのです。 八方美人になってしまうから、自信を失うのです。 このことは、このサイト全体を通して口が酸っぱくなるくらい書いてきたことです。

 極言すれば、自信のない人が臨機応変に対応するということは、自殺行為にも等しいということです。 自信のない人は臨機応変に対応すれば、言うこと、やることに一貫性を欠くことになり、ますますつらい生き方をせざるを得なくなるということです。 では、どうすればいいか。 私の考え方は、次のようになります。

 自信のない人は、自分は臨機応変に事態に対応しているつもりでも、多くの場合事態に対応するのではなくて、その場しのぎのために対応することが多くなるのです。 当人には、このことは分からないのです。 そして、結果を見て「自分は臨機応変にたき切に対応してのに……」となることが、多くなってしまうのです。 そして、自信を失っていくのです。 自信のない人は、自分の言動に一貫性を持たせることが必要だと思います。 自分の言動に一貫性を持たせるということは、たいへんな努力を要することなのです。

 自分の言動に一貫性が出てくることによってのみ、自信を持つきっかけとなるからです。 自分では意識していなくても、結果的にその場しのぎのために臨機応変な言動を取ったとすれば、それは自分をますます苦境に追い込んでしまうと思います。 私自身の体験かも、そう断言できます。 首尾一貫したところがないから、生きることがつらくなったのに、そんな人が臨機応変などということをやりだすから、自分で自分を窮地に追い込んでしまうのです。

 あの人は、臨機応変に対応している人なのか、それとも自信がないために臨機応変に対応している人なのか(八方美人)、これを見極めることが大切だと思います。

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