自分を正当化しようとするから、よけい苦しみが大きくなる

 世の中には、自分を正当化しないと気が済まない人は大勢おりますね。 なにか言われると、すぐにけんか腰になったりして顔を赤くして、自分の意見を声高に話す人です。 世の中は自分に合わせて動いているのではないのに、すべてが自分の思い通りにならないと気が済まないのですね。

 このような人は、なにごとも自分の考え方に合わせようとばかりするから、常に周囲や世間と軋轢ばかりが生じ、不満をため込んでしまうのです。 ものごとが自分の思い通りにならないときは、自分の問題があるのではなくて、相手に問題があるのですから、当然不満や不平が積もっていくことになります。 その結果として、社会や相手を恨んでしまうのです。

 問題は、なぜ自分の間違いや欠点を認められないのかということです。 自信と勇気のある人であれば、自分の間違いを修正することは難しいことではないのですが、陣や勇気のない人が自分の誤りを認めることは、非常に難しいのです。 自分の存在そのものを、自分で否定することとしか考えられないからです。

 世の中のことは、自分中心に展開しているのではないのに、自分中心に展開しないと気が済まないから、いつまで経ったても、いやときが経てば経つほど不平や不満がたまり、生きる人がつらくなってしまうのです。 このことは、いまさら改めて書くまでもないことでしょう。 世の中は自分中心に回っていのだなどと勘違いしてしまうと、生きることがつらくなることだけは当然です。

 大切なことは、自分と社会との調和を取ることです。 現実は、ことの善し悪しを別にして、自分の意見が通る方が少ないのです。 これが現実です。 その現実を無視して、自分の意見ばかりを押し通そうとしても、人間関係がうまくいかないのは当たり前ではないでしょうか。 自信のない人が他人や社会の意見を受け入れることは、自我の存立の問題にもなるので、必然的に自分の意見を押し通さざるを得なくなるのです。 そして、世の中の嫌われ者になって行かざるを得ないのです。

 自分を正当化ばかりしようとする人の、心の中を考えてみれば、少しは人を見る目も変わってくると思います。 決して自分に自信があるから、自分を正当化しようとしているのではないのです。 逆に、自信がないからこそ、自分を正当化しなければならなくなっているのです。

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