行動しなければ、なにも変わらない (待っているだけでは、なにも変わらない)

 「人間のもっとも偉大な力とは、その一番の弱点を克服したところから生まれてくるものである」
                                           ヒルティ

  だれだって、考えるだけならどんなことでも考えられますが、それを実行することはなかなかできないものです。 いま苦しみから抜け出すためにどうすればいいのか分かっていても、そのことを実行するとなると難しいのです。 なぜむずかしいのか、これは自分に言い聞かせる意味で考えてみたいと思います。

いまだってなんとか生きているのだから、これからどうなるか分からないことはしたくない
    ・ 一般に言う「弱い人間」
    ・ 自分の価値観が変わることが恐ろしくて絶えられない
単純に、余計な苦労はしたくない  (怠け者)
世間の目が気になって、自分を変えるに変えられない
プライドが許さない 
    ・ そんなプライドは捨てるに限ると思うのですが
自分が変わることによって、相手にいやな思いをさせてしまう
    ・ 八方美人
だれかがやってくれるかも知れない、だれかが助けてくれるかも知れないから、それまで待っていよう
    ・ 依存心が強い
自信がないから、やる気になれない    
責任をとりたくないから、やる気になれない
その場しのぎでごまかせると思っている
いままで築きあげてきた努力が一気に崩壊するかも知れないという不安がある

  だれだって、余計な苦労をしたいと思う人はいないと思います。 しかしその考え方こそが、自分の生き方をますます苦しくしているのだということには気がつきにくいのです。 私は「人生には逃げ場はない」となんども繰り返していますが、逃げるから生きることにますます自信を失ってしまうのです。

  考えるだけでは相手に自分の意志が伝わらないので、利害が直接生じることがないからなんでも考えられるのです。 しかし自分の考えを実行することは、すなわち利害関係が生まれることでもあるのです。 その利害関係とは経済的なことに限らず、精神的なこともあります。 言い方を変えれば、自分が行動することはだれかに何らかのかたちで、陰に陽に影響を与えることが避けられないのです。 その相手に与えた影響が自分に跳ね返ってくることが恐ろしいから、苦しいから、面倒くさいから行動できなくなるのではないでしょうか。

  そして分かっていても行動することのできない自分がいることを現実に否定することができないから、自分に嫌気がさしてしまい、ついには自己不信に陥り自信を失っていくのではないでしょうか。 自分が一番克服しなければならないことに目を背けるから、なにもできなくなるのです。 そんな意気地のない自分を忘れるために、ますます自分を見つめることができなくなってしまうのです。

  自分の嫌いなところを克服しようとするには、勇気が必要なのです。 そして自分の一番嫌いなところを克服できれば、自信がついてくるのも当然なのです。 それさえできれば、大概のことは克服できる自信と勇気が湧いてくるはずです。 ヒルティが言っているように、自分の一番の弱点を克服できた人には自信がみなぎるはずです。 いまの若者の多くは考えるだけで、それを行動によって本当に自分のものにするという姿勢が欠けているから、いつまでたっても苦しみから抜け出すことができないのです。 行動で確認することが恐ろしいから、結局はなにもできなくなって自分がつかないのです。

  自分の最大の弱点を克服できたのに、自信をもてないと言うことはあり得ないのです。 自信の大きさや、どんな自信かにもよりますが。

  失敗は自分の価値がなくなることと同じだと思っているから、なにもできなくなるのです。 確かに失敗は一時的には、その人の社会的な価値に傷を付けますが、そんなことはあくまで一時的なのです。 一時的に傷つくことが恐ろしくて一生涯苦しんでもいいのですか。 この間テレビの番組欄を見ていたら、次のような番組が目に入りました。

 世間の物笑いになることが恥ずかしいといっているから、なにもできなくなるのです。

  それはスーパーの「やおはん」のことでした。 正確なタイトルは忘れましたが、「最大の失敗は成功したことである」という内容だったと記憶しています。 小さな地方のスーパーから出発して、中国ではスーパーと言えば「やおはん」と言われるまでに成長した会社で、バブルの時代には時代の寵児として有名になった会社です。 おそらく大きな挫折も経験することなく成長した会社だったのでしょう。 しかし、挫折を知らなかったことに大きな落とし穴があったのです。 攻めの姿勢だけで守りの姿勢を知らなかったことが、会社の倒産につながったのです。 ここには失敗を知らない成功がどんなに恐ろしいものなのかが語られています。

  失敗はだれにとっても辛いことなのですが、そこから学ぶべきことはいくらでもあるのです。 失敗を避けようとばかりするから、なにもできなくなるのです。 もしくはやったとしてもちょっとしたことで挫折してしまい、今度は本当になにもできなくなってしまうのです。 「失敗は成功の母」なのです。 一時的な失敗ばかりに目をとられてはいけないのです。 その失敗を教訓として、それを乗り越えられる勇気と自信を持つことが必要なのです。 失敗はその勇気と自信の大切さを教えるためにあるのだと確信しています。 つらいことには、違いないのですが。 それを乗り越えたひとだけが、生きる喜びを味わえるのです。 ただし何度も言うように、同じ失敗を何度も繰り返すことは別の問題です。

 現実は行動することによってしか変えられないのです。 考えただけでは変えられないのです。 行動しないから変わらない。 変わらないから、簡単に諦めてしまう。 だからなにも信じられなくなり、自信を失うのです。

  自分に自信を持つためには、行動しなければならないのです。 一時的に挫折することも避けられないのです。 そのことを体で味わって欲しいのです。 行動しないで自分を変えようとするから、自分が変わることができないのです。 そしてますます自信を失っていくのです。 なにも大きなことをする必要はないのです。 日常生活のささいなことから変えようとすることが、もっとも大切なのです。 このことは「自信」のページに詳しく書いてあります。

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