フレッド・ビレトニコフ
| 大事なレシーバーを忘れていた。本当はレシーバーの一番初めに紹介しなければいけなかった。サイドラインの魔術師ことフレッド・ビレトニコフ。その風貌からはとてもフットボール選手の風格は漂ってこない。どう観てもその辺のインチキ・ペテン師という風貌だ。でもその風貌ゆえに忘れられない選手の一人とも言える。
僕は彼の現役時代をのちのビデオでしか知らない。1976年のシーズン中もステイブラーにばかり目が行っていて、ビレトニコフのことはあまり観ていなかったと思う。そんな僕がビレトニコフを意識したのは、スーパーボウル]Tの特集が組まれた1977年3月のTD誌でその姿を観てからではないかと思う。 二本歯の、まだ耳のところが膨らんだ古いヘルメットを被り、ペラペラのショルダーパットを身に付けてフィールドを駆け回っていた。写真を観ると、今のようにブロッキングパットもつけず、さらにニーやサイも入れずに、それこそヘルメットとショルダーパットだけでプレイしていたようだ。こんな所にもレシーバーとしての機能を重視した何となく職人っぽさを感じさせる。 記録によるとビレトニコフはこの日4回のキャッチしかしていなかったにもかかわらず、スーパーボウルのMVPに輝いた。それもそのはずだ。彼のキャッチは得点に結びつくパスばかりだったのだ。 まず、最初のキャッチはRAIDERSの1本目のTDに結びつく、ゴール前1ydに迫る6ydの右サイドラインパス。2本目のパスは右WRからの17ydショートポストパターン。これもゴール前1ydまで進み2本目のTDに結びついた。 そしてもう1本は4Qに出たゴール前2ydに迫る48ydパス。この後RAIDERSはダメ押しのTDを追加し、勝利を確定した。4本のパスキャッチの内3本がゴール前に迫るパスキャッチ。MVPは当然だろう。 スーパーボウル]Tのビデオはもう3,4回観ただろうか。そしてダイジェスト版や“RAIDERS 無法集団の素顔”というビデオではもう数えられないくらい何度もこの試合を観た。そしてビレトニコフがスローモーションで独走するシーンを観ては、何てカッコイイのだろうと見る度に感動している。 ジェリー・ライスやティム・ブラウンのような素晴らしいレシーバーとは少し違うかもしれない。どう観てもパッと見は良くないのに、試合では職人芸を見せたビレトニコフ。その全てを僕は観ていないが、彼こそがRAIDERS最高のWRだと思っている。 2004.2.17 |