2022

【2022.9.1】 老兵は死なず
 あと1週間でNFLも開幕となる。今年はキッズフラッグフットボールに掛かりっきりで、今日も28日のゲーム動画をチェックしながら、オフェンスやディフェンスをどうしていくかを考えていた。RAIDERSのことは気になる。しかし、それにも劣らず子供達のフラッグチームのことを考えるのは面白い。何となくHCやOC、DCの気持ちが分かるような。

 とは言っても、そろそろ今シーズンのRAIDERSの予想をしない訳にはいかない。このHPを始めて以来ずっと続けていることを急に止めたくはない。pro-football-referenceで対戦相手の情報を集めても良いが、とてもじゃないが1週間では終わらない。で、今年もNFL写真名鑑を購入。各チームの古いROSTERを修正した上で、毎度のことながらQB中心の予想だ。

 雑誌を開いたが、特に読みたい記事も無く、各チームのROSTERをチェック出来れば良いと思っていたが、絶対に読まなければいけない記事が1本。タック牧田さんのコラム“老兵は死なず・・・・・・”。これだけは外せない。癖があって頑固爺の牧田さんは、頑固さと尖がり具合ではRAIDERSのオーナーだったアル・デイビスと双璧ではないかと思う。

 今回も癖のあるコラムだったが、僕は「まったく同感だ」と思った部分が一つある。それは、「アメリカの情報が無ければ記事をかけない日本のライターが、情報を引用して書いても構わないが、原文を消化して自分の文章を書け」という部分。僕は2000年にこのHPを開設して続けているが、自分の中で心掛けているのは正にこのことだ。

 2000年当時からニュースとしてNFLの情報をアップするページはかなりあった。会社が発信しているページや個人が発信しているページも、ほとんど英語の記事を翻訳したものだったように思う。勝敗や成績を見るにはそれで十分だった。でも、それでは面白くないじゃないかと思い、それなら俺が面白い内容を書いてやろうじゃないか。という生意気な考えで始めたのがこのページだ。

 英語力の乏しい僕は当時必死で意訳し、そこに自分の考えを書くようにした。自分の考えを書かなきゃ、HPをやってたって意味無いじゃないかと思っていた。その後翻訳ソフトの登場で英語の記事は遥かに簡単に読める様になり量も増えた。翻訳した記事も多く助かっていることは確かだ。でも、その記事の裏には何があるのだろうか、HC、GM、オーナーはどう考えているのだろうか、サラリーキャップの問題は、といったことを考えるのは面白い。

 さらに、Gamepassのお陰でプレシーズンからゲームを見られる様になり、自分の目から入ってくる情報も増えた。僕はRAIDERSの記事ばかり読んでいるが、映像を観た時に、その記事の内容は自分の見た感じとは違った場合には、しっかりと書くようにしている。記事の内容と自分の目のどちらが正しいかと考えることも楽しいのだ。

 話が自分のことになってしまったが、タックさんが引退されるのはとても寂しい。タックさんはもう90歳になられたのか。タッチダウン誌に掲載されていた“自分一人のアメリカンフットボール”を読み始めたのが1976年だから、もう46年もタックさんの記事を読んでいる。アメリカンボウルの練習を代々木グランドに見に行った1986年に、金網越しに「お疲れさまです」と声を掛けたのが記憶に残る。また1人、癖のあるオヤジがフットボール界から消えてしまうのは寂しいが、長い間、本当にお疲れさまでした。

 
【2022.3.10】 QBウィルソン、ロジャース、ウェンツ
 新シーズン開幕の3月16日を前に各チームの動きが活発になって来た。そんな中で飛び込んできたQB関係のニュース。何と言っても驚きは昨日報道のあったラッセル・ウィルソンのDENへのトレード。1巡指名2つ、2巡指名2つ、5巡指名1つにQBドリュー・ロック、DEシェルビー・ハリス、TEノア・ファントを見返りにDENはウィルソンと4巡指名1つを獲得することになる。

 DTハリスはシーズン中に31歳になるとはいえ昨シーズンも6サックを記録したディフェンスのスターター。TEファントは4年目を迎えるこれまたバリバリのスターターTE。QBロックは大したことないというのは分かっているが、これらの3人に加え獲得するドラフト指名権を考えると、DENはかなりの代償を払っている。ウィルソンはそれでも獲得したい程のQBだというのは十分に分かる。嫌な奴が駄馬に来たもんだ。

 それゆえ、逆にSEAはどうしてウィルソンをトレードに出したのかと考えてしまう。ウィルソンはシーズン中に34歳になる。とはいえ、パスプロテクションさえ良ければまだ5年は活躍出来るQB。ハッキリ言って、SEAがスーパーボウルリングを手に入れることが出来たのはウィルソンのお陰で、HCはキャロルでなくても誰でも良かったのではと思っている。

 SEAのQBにはジーノ・スミスしかいない。彼にスターターは務まらないのは明らか。DENから獲得するQBロックは際どいパスを決めたかと思えば簡単なパスをミスする波の多いQBで安定性に欠ける。彼をスターターにしようと思ったら、OLを強化してランプレイ中心で行かないと厳しい。2021シーズンはウィルソン、スミスと脚のあるQB2人が合計46サックを浴びている状況のままだと、プレッシャーに弱いロックが活躍できる可能性はほとんど無い。SEAはエースQB探しでこれからしばらくは苦労するだろう。

 RAIDERSはDEマックを放出しCHIからドラフト1巡指名2つ、3巡指名1つ、6巡指名1つを得た。その指名権を上手く使えたかどうか分からない。どちらかと言えば失敗だろう。ドラフト1巡指名で良い選手を指名できるかどうかは運次第。RAIDERSの場合はまだDEだったから良かった。もしこれがウィルソンの様なエースQBだったらどうなっていたことか。

 一方でGBはQBロジャースと4年間2億ドルの契約を交わした。補償額が1億5,300万ドルというのがロジャースに対する信頼度の高さを物語っている。ロジャースは2021シーズン前に移籍要求を出すなどチームに対して不満を表していた。何とかチームに合流した2021シーズンはスターターQBの中で一番高いレイティング111.9を叩き出し、プレイオフ進出を牽引した。

 GBが2020年ドラフト1巡指名したQBラブでシーズンを乗り切るのはどう見ても無理な話。シーズン中に39歳になるQBと4年契約で補償額も大きいということはかなりのリスクを含んでいるが、さりとて今ロジャースにチームを去られた場合は2年間悲惨な状態が続くことも予想される。契約は4年だが、その間にラブが育てばロジャースを放出することも視野に入れながらの選択だったのではないか。ブレイディの様に40歳になってもロジャースを欲しいチームはきっとある。

 ロジャースとウィルソンという2人のベテランQBに関する扱いの違いに驚いていると、今日はINDがQBウェンツをWASにトレードするというニュース。昨シーズンは終盤の大事なゲームを2つ落としてプレイオフに出来なかった。その責任の一端はウェンツにあるとはいえ、1巡指名と3巡指名を引き換えに獲得したQBを僅か1年で見切るのは早すぎないか。

 ただ、気になるのはHCライクはQB出身で、2020シーズンはQBリヴァースでプレイオフ進出していたということ。ライクはQBを見る目があるのではと想像する。その目にかなってPHI時代に育てたウェンツを獲得したものの、僅か1年で見切るということは、何か重要な欠点の様なものを見付け、これは改善できないと感じたのかもしれない。

 ウエンツはどうもボールを持ち過ぎるところがある。ここを直せば良いQBになれるのにとPHI時代から思っていた。彼はBUFのバックアップQBになったトゥルビスキーを思い出させる。トゥルビスキーもボールを持ち過ぎるのが欠点で、CHIでスターターとして活躍できなかった。WASではHCリベラがウェンツを使ってどんなオフェンスを展開するのだろう。ここで失敗するとウェンツはジャーニーマンになる可能性もあり正念場だ。  

 ドラフトというのは宝くじの様なもので、特にQBというポジションは最高額を当てるのに等しい。まだ、働けるQBを放出して宝くじに賭けたSEAの思惑が分からない。宝くじを買うよりも今ある財産を確実に使い切ろうとするGBは堅い手段を取った。INDはQBを見る目のあるHCライクに賭けた。2020シーズンオフのスタフォードとゴフのトレードも驚きだったが、ウィルソンのトレードはそれ以上に驚きだった。

 
【2022.2.14】 競り合いを制したのはLARだった
 LARオフェンスがもたつき、CINの勝ちゲームになる流れだった。4Qの2ミニッツに逆転されても残り時間1分25秒とタイムアウト2つがあり、最低でもFGでOTに突入出来るだけの力がCINにはあると思って観ていた。だが、LARディフェンスはKCディフェンスとは違い、DTドナルド率いるDLはプレイオフのこれまでの戦いでも、ゲーム終盤になっても破壊力が落ちない。今日のゲームでも、終盤になるにつれてLARのDLは破壊力を増した感じで、この力にCINのOLは耐えられなかった。

 試合開始直後のLARオフェンスをパントに追い込んだCINは、オープニングドライブを自陣42ydから開始するというチャンスを掴んだ。しかし、2nd & 2、3rd & 1をランで更新することが出来ずに、ハーフライン付近で4th down になった。ここは固くパントだろうと観ているとCINはギャンブルに。成功すれば良いが、失敗すれば3点を覚悟しなければいけない状況。結果的にギャンブルは失敗し、LARは次のシリーズわずか6プレイでTDを上げている。

 ここでギャンブルしなくてもTDなりFGを奪われた可能性はある。しかし、一発勝負のスーパーボウルリングが掛かったゲームでリスクを冒すべきだったのか疑問が残った。果敢に攻めるのと無謀に攻めるのは紙一重と言えば紙一重だが、レギュラーシーズンでも序盤のギャンブル失敗が終盤に大きく響いてくるゲームがリーグ全体でも多かっただけに、ここはパントだったのではないか。実力差がほぼ無い中で無理をすることは無かった。

 CINは1QにFGで3点を返したが、敵陣11ydでFDを更新したにもかかわらずTDを奪えなかった。直後のシリーズでLARにTDを許し13-3となった時には、「この後CINがFGで終わりLARにTDを追加されたら一気に流れはLARに傾きそのまま一方的になるかもしれない」と感じた。直後のオフェンスでCINはRBミクソンからWRヒギンスへのパスというスペシャルプレイでTDを上げたことが、この重要性を物語っている。ここでTDがマストで、なりふり構わずにTDを取りに行った。

 こうなると、次のLARは重要になる。後半CINのレシーブで始まるだけに、ここは突き放しておきたいところ。敵陣44ydからの3rd & 14でラッシュから逃れたQBスタッフォードは左に逃げながらWRジェファーソンへのTDパスを狙ったが、パスは短くSベイツにインターセプトされた。3メンラッシュでパスカバーを増やしたCINディフェンスにやられたという感じだったが、パスがもう少し長ければ決まっていた可能性がある。QBスタッフォードの「何とかここで1本TDを取っておきたい」という気持ちhが痛いほどよく分かる。

 前半を終わって13-10でLARがリードという展開は、CINが良く食らいついているという状況でCINペースだと考えられる。その思いがさらに強くなったのは後半最初のプレイ。左SB位置からスイングでサイドライン際を縦に上がったWRヒギンスへのTDパス。競り合いの時にヒギンスともつれて倒れたCBラムジーは、リプレイを見るとヒギンスにフェイスマスクを掴まれており完全に反則。しかし、あの角度では審判からは見えないだろう。ラムジーの倒れ方がおかしかったとしても、一瞬のことで気が付かなかった可能性が高い。LARにとっては不運な一発。

 このTDで13-17と逆転された直後のLARオフェンスで、WRショーロニクの手を弾いたパスがCBウェインズの手に収まった時には「完全にCINペースでこのままの流れかもしれない」と思った。ボールは敵陣31yd地点。ここでCINがTDを上げれば13-24と2ポゼッションゲームになる。オフェンス力があるとはいえ、2Q中盤にWRベッカムが膝の故障でサイドラインに下がっただけにLARは厳しい。

 しかしCINは敵陣22ydでまたもや4th & 1。FGを蹴ることも出来るが、ここはゲーム当初以上に勝負所。ここまでQBバロウは自らボールを持って走っていない。そろそろ出る頃ではないかと思っているとやはり出た。ノーバックのショットガンからバロウが真中を走った。これは決め打ちのQBドローでは無かっただろうか。

 FDを更新され自陣18ydからという苦しいLARディフェンスはRBミクソンのランとTEウザマーへのパスを何とか止めて3rd & 3。ここでブリッツを入れた5メンラッシュでDTドナルドがQBバロウをサック。このサックは大きかった。絶対にTDを防ぎたいこの場面で飛び出したドナルドのサック。前半はダブルチームにも遭い完全に抑えられていたドナルドだったが、後半になるとCINのOLが疲れて来たのかラッシュが効き始めた。

 13-20とTD差で迎えた次のLARオフェンス。パスを通してFDを2回更新したが敵陣23ydで3rd & 5。どんなパスで行くかと観ていると、ハンドオフを受けたRBヘンダーソンが左から走って来たWRコップにバックトス。コップは右オープンに出たQBスタッフォードにパスを投げる。スタッフォードはオープンだったがオーバースローでインコンプリート。スペシャルプレイが決まってTDを上げたCINと決まらずにFGとなったLAR。この差は大きい。16-20でPAT失敗の1点も大きく響きそうな点差

 この後は両チームのDLが頑張りオフェンスが進まない。特にLARは4メンラッシュやブリッツを入れた5メンラッシュでQBバロウにプレッシャーを掛けまくる。ただ、RBミクソンのランが時々出ており、この時点でもCIN有利は変わらない感じだ。一方のLARはランが全く出ず、オフェンスは手詰まりの状態。RBをフレアーに出してショートパスを投げ、ランの様に使えばと思って観ていたが。

 残り時間6分13秒から始まったLARオフェンスはカムバック系のパスを使って慎重に刻む。ポイントとなった4th & 1のギャンブルはWRコップのジェットスイープで更新。こういう速いオープンでないとランは出ない。2ミニッツに入るまで、WRに投げたショートポスト以外は全てカムバック系。CINディフェンスもさすがに無理は出来ないからよく決まる。

 大きかったのは2ミニッツ前にRBエイカーが8yd走って更新したFD。ゲームクロックは2ミニッツに近づいており、スクリーメージにセットしてそのまま時間を流すのではないかという感じの時に、エイカーを走らせた。CINディフェンスは虚を突かれた感じでズルズルと走られて8ydを許し、自陣8ydラインまで進まれた。このプレイがひょっとしたら試合を決めることになったプレイかもしれない。全く出ていなかった真ん中のランで、この日最大の8ydゲイン。このラン以外では12回キャリーして13ydしか進んでいなかったのだから。

 1st downのパスではエンドゾーン奥をを左から横切ったWRジェファーソンがワイドオープン。スタッフォードはミススローでTDにならず。ここに来て大きなミスが出た。3rd downでWRコップへのパスが失敗に終わった時、最後は8ydをどう勝負するのかと考えているとフラッグが飛んだ。何とも微妙なコップに対するSウィルソンのホールディング。しかし、その前のプレイでRBヘンダーソンはホールディングされている様にも見えたことから、合わせ技1本でコップの時にフラッグが投げられたのかもしれない。

 最後はコップのバックショルダーにTDパスが決まったが、2つ前のプレイでもコップをカバーしていたCBアップルはインターフェアを犯しており、これ以上のディフェンスは無理だっただろう。逆に同じところを突いたLARのオフェンスが上手かったと褒めるしかない。実はこの時僕は3本続けてスニークをコールし、CINにタイムアウトを使わせた上で時間を使いTDを奪うことを考えていたが。

 23-20と逆転されたが、残り時間1分25秒とタイムアウト2つあればCINが最低でも同点に持ち込むことは可能だと思っていた。事実、ブリッツをあざ笑う様にWRチェイスがヒッチパスを受けて17ydゲインし、WRボイドに9ydパスが決まった時点で敵陣49yd、残り時間54秒、タイムアウト2回、2nd & 1という状況だったことから、FGは固いと思っていた。

 2nd &1からのパスはWRチェイスが間違ったのだろうか。縦に走っていれば際どいパスでインターフェアのフラッグが飛んでいた可能性もある。このdownのオフェンスがCINにとっては勿体なかった。それでも十分にFDを更新できると思っていたが、DTドナルドがRBぺリーンのランを止め、最後のギャンブルはバロウをサックした。CINは最低でも同点、出来ればTDによる逆転を狙える可能性は十分にあった。その可能性を砕いたのがDTダーノルドで、2nd downのミスが全てだったように思う。加えれば後半6サックを喫したOLの崩壊は大きい。

 スタッフォードはDETでこのまま勝てずに終わるQBなのかと思っていた。それが1年後にはスーパーボウル・リングを手に取ることに。人生とは分からないものだ。LARはスタッフォードに大きな代償を払っており、WRベッカムの加入、OLBミラーの加入と地元開催の今年を逃したら、サラリーキャップもあり来年は無いという背水の陣だっただけに、喜びも一塩だろう。

 逆にスーパーボウル3連敗を喫したCIN。QBバロウを見ていて直ぐに思い浮かんだのがMIAのQBダン・マリーノ。僕はHPを始めたばかりの頃の2000.3.15にこの欄でマリーノ引退について書いている。マリーノは数々の素晴らしい記録を持っているが、2年目のシーズンにスーパーに出た後は2度とスーパーにたどり着かなかった。バロウはマリーノになってしまうのか、それともスーパーを制することが出来るのか。そんなことを考えながら、今年のプレイオフは面白かったなと回想していた。

 
【2022.2.12】 スーパーボウル直前予想
 チャンピオンシップゲームが終わって2週間もあるとやはりダレてしまう。RAIDERSのシーズンも既に終了し、新HCの下でのコーチングスタッフや選手の入れ替わりが気になるところ。さらには、キッズフラッグフットボールのメンバーをどう増やして行こうか、どう練習に取り組もうかといった事の方が重要性が高く、「月曜日は朝からスーパーボウルだっけ」くらいの感覚になっている。

 それでもやはりスーパーボウルは観ないといけない。と共に、どうなるかの予想もしないと。故障者を確認すると、両チームほぼ現状のROSTERにおけるベストメンバーで臨むことが出来るのが分かった。NFL.comで両チームのスタッツを確認するとほぼ同じなのも分かる。細かく見て行くとオフェンスはRBミクソンがいる分だけCINが有利かなと感じる。ディフェンスは両チームともランディフェンスが良く、パスディフェンスはNFL中位以下でこれまた同じ位。こう見ると、ほぼ互角という感じだ。

 LARはチャンピオンシップではSFに対してもたもたしたオフェンスでミスを重ね、ディフェンスが凌いでくれたお陰でやっと勝てたというイメージが強い。CINはしぶとかった。前半3TDを奪われながら、後半のKCをFG1本に抑えて逆転勝ちした。この粘りは侮れない。しかし、KCディフェンスとLARディフェンスを比較した場合には、LARの方が比べようもなく強い。

 KCディフェンスは、チームにオフェンス力があることから、少々リスクがあっても思い切ったサインを使うことが出来る。ビッグプレイはあるがトータルすれば強いディフェンスとは言えない。オフェンスに頼り切ったディフェンスといえる。CINはKCがこんなディフェンスだったからこそ勝てたのであり、もし、LAR戦でKC戦と同じ様に突き放されたら、そう簡単にキャッチアップ出来ないだろう。

 LARのオフェンスはロングパスの脅威があり勢いが付くと一気加勢に攻め立ててくる。一方でプレイオフでのゲームがそうだったように、ギャンブル失敗やロングパスに頼った雑なオフェンスをしていると力を十分に発揮できない可能性がある。僕はここがゲームのポイントではないかと思っている。

 CINはRBミクソンの走りが計算でき、QBバロウのパスとスクランブルもある。LAR相手とは言え、コンスタントに進み25点から30点位の得点を取れる可能性はあると思っている。これに対してLARは波に乗れば一気にTDを重ねてCINを突き放すことが出来るが、オフェンスがターンオーバーを含めた何らかのことでもたつくようだと不完全燃焼に終わるかもしれない。

 このゲームの勝敗は全てLARオフェンスの出来如何だというのが僕の予想。波に乗って前半からLARオフェンスが飛ばすことが出来ればLARの完勝。後半は興味を失ってしまうようなゲーム展開が予想される。一方で、LARがTDを取れる場面でFGに終わったりギャンブルを失敗したりで前半得点を重ねられないと、CINの粘り強さに際どく負けるのではないかと思う。

 どちらのパターンになるかの予想は難しいが、2週間の間が空いてしまったことによる試合勘の欠如により、LARオフェンスがもたつくのではないかと思う。LARのホームであるが、CINがスーパーボウル初制覇となるのではないだろうか。その方がゲームとしては最後までハラハラさせてくれる展開で、第3者にとっては面白いと思っている。さて、当たるかな。

 
【2022.1.31】 好ゲームが続いたプレイオフ
 RAIDERSがプレイオフで敗れた後、いい試合が続くのだが毎年の様にプレイオフの感想を書く気が起こらない。今シーズンはとんでもない接戦ばかりなのだが。それでも少し書いてみようかなと思った今日のチャンピオンシップゲーム。

 試合前の予想は何となくだがCINがKCに勝つかもしれない、LARはSFに勝ち切るだろうと思っていた。理由はと言えば確たるものはない。KCはディフェンスが粗く、ビッグプレイがある代わりにチョンボもあると考えていた。オフェンスはランゲームが出ない中、QBマホームズの個人能力に頼らざるを得ないというのも気になっていた。

 KCが負けた理由として大きかったのは、ディフェンスではなくオフェンス。KCオフェンスはゴール前ではシャベルパスを上手く使うなど、変化に富んでいる。しかしながら、シーズン終盤に来て、こういったスペシャルプレイも相手ディフェンスが予想して対応するようになって来た。そうなるとランが出ないだけにパスだけでは厳しくなる。

 前半3シリーズ連続でTDを上げた後のKCオフェンスは後半になると全く進まなくなりFG1本に終わった。CINディフェンスは統計的にマホームズが苦手としている2ディープで、4メンラッシュまたは3メンラッシュでマホームズにスパイ、レシーバーはマンツーマンカバーという方式を後半は使用したように思えた。

 マホームズはタイミングパスを投げることが出来ずに、ラッシュから逃げ回りながらオープンになるレシーバーを探したが、CINの2ディープが上手く機能してレシーバーがほとんどオープンにならない。やむなく走るか無理なパスを投げることとなり、後半のオフェンスは機能しなくなった。

 それでも3ポゼッションゲームというのは大きく、CINが試合をひっくり返すのは難しいかなと思っていたが、TEN戦で9サックを受けながら勝ち切ったQBバローのオフェンスは粘り強くパスにも精度があった。さらに、RBミクソンのランをKCディフェンスはどうしても警戒せざるを得ないことから、パスディフェンスだけに集中できないのも大きかった。何と言えば良いのか、CINオフェンスの粘り勝ちとでも言えば良いのか。

 前半終了間際のオフェンスでKCは残り1分5秒からゴール前1ydまで迫った。パス失敗で残り5秒。投げるなら早いパスを1回だけ投げることが出来る。しかし、KCは時間を掛けて左オープンのWRヒルに投げてTDを狙ったがインバウンズで倒されそのまま前半終了。このオフェンスを見て僕は「KCはCINを舐めてる。FGを蹴らなかったのが響くかもしれない」と感じた。

 結局ここでFGを1本入れていればOTまでにもつれ込まなかったゲーム。KCの奢りが敗因だった気もする。OTでのインターセプトはCINディフェンスが上手かったと言えばそれまでだが、CINの2ディープディフェンスに対するマホームズの焦りが生んだ結果だろう。KCはランゲームを強化しない限り王国は長く続かないだろう。どこかSEAに似ている気がする。

 SFが負ける理由として一番気になっていたのはQBガロッポロのパス。素晴らしいパスを決めるかと思えば、何でこんなにオープンなのにミススローするのか。プレッシャーを受けた時に何であんなに危ないパスを投げるのか。前半にミススローが出ればいいのだが、大事なところで飛び出しインターセプトを喰らうのが一番怖いと感じていた。ディヴィジョナル・プレイオフでも3本はインターセプトされそうなパスがあったが、運よく逃れることが出来た。だが、そう何度も上手くは行かないから危ないだろうというのが僕の考え。結果的にはその通りになった。

 一方のLARも前半はQBブラッドフォードのパスがターンボール気味で今日はダメかと思ったが後半修正してきた。後半はギャンブル失敗前のプレイコールや、敵陣に入ってからどうしてこんなにロングパスで一発を狙うのかと疑問に感じることもあった。もう少し着実に攻めて行けばもっと楽に勝てたものを、自分で自分の首を締める様なオフェンスで苦しんだ。それでも勝てたのは、ブラッドフォードのコントロールの良いパスのお陰で、OC(HCだったかな)は今日のプレイコールを反省しなければいけない。

 もし、今日の様な無駄なチャレンジによるタイムアウト消費、奇をてらったギャンブル、ロングパス頼りといったリズムを悪くしてしまうようなオフェンスをしていたら、ディフェンスが良くてもCINに足元をすくわれるだろう。LAR有利とは思うが、LARオフェンスがもたついた場合、CINが初のスーパーボウルチャンピオンに輝くと踏んでいる。

 
【2022.1.25】 残り時間13秒
 BUFがTDパスを決め、36-33と逆転した時点で残り時間は13秒。だが、KCにはタイムアウトが3回残っている。時計を止めるためにサイドライン際に投げる必要はなく、フィールドの何処にでもミドルパスを決めてタイムアウトを使えば、十分にFG圏内に進むことが出来る時間だ。さてBUFはどうするか。深く蹴り込んでタッチバックにするのか、ゴールライン付近に高いキックを蹴り込みリターンを防ぐのか、はたまたスクイブキックで時間を消費させるのか。

 キックオフを待つ間に僕が考えたことは、何とか13秒という時間を少しでも減らすことが出来ないか。10秒を切ることが出来れば、ミドルパス2回で時間切れになってしまう可能性があり、KCはロングパス1本に託すしかなくなる可能性がある。ここはスクイブキックを使って時間を少しでも進めさせるのではないかというのが僕の考えだったが、実際には奥に蹴り込みタッチバックとなった。

 スクイブキックを選択した場合のリスクとしたら、丁度いいバウンドでヒルのところに跳ぶ場合だろう。ヒルが20yd付近で上手くキャッチしてリターンされたらたまらないが、残り時間を考えた時にそれほど無理はしないだろう。もし、30yd付近でキックをキャッチすることが出来た場合でも、よほどカバーチームが迫っていない限りヒルであっても果たしてリターンをしただろうか。1プレイでFG圏内に進める距離までリターン出来る可能性が低い限り、時間の消費の方が怖い。

 もう一つのリスクは、ヒルのところにキックが飛ばなかった場合。思ったよりも浅い場所でKCが簡単にボールを押さえてデッドにし、時計が動かなかった場合だろう。この場合はタッチバックにした場合よりも良い位置をKCに与えてしまう。

 もし、バウンドが不規則でリターナーやその前の選手に当たってこぼれたりしたら、その時点で時計が動き始め、押さえるだけで2,3秒使うことになる。ボールが上手く敵陣深くまでバウンドしてリターナーがジャッグルして自陣15yd付近でデッドになり、しかも残り時間10秒を切っていたらKCは絶体絶命のピンチになっていたはずだ。これがBUF側にとっては最良のシナリオ。

 ボールを高く蹴り上げゴールライン付近でヒルにキャッチさせた場合、カバーチームは十分ヒルの近くまで到達出来る。ただ、その場合でもヒルのクイックネスを考えるとリターンは怖いが、よほどのビッグゲインを許さない限り時間は消費できる。もし、キックが伸び過ぎてタッチバックになったとしても、それはそれで構わない。敵陣深くまで上手くキックが飛べば、時間を消費させるか距離が残るという可能性はある。

 この時は高いキックは直ぐに頭から消え、リスクはあるがスクイブキックを選択した方が、タッチバックの位置から13秒、タイムアウト3回のKCオフェンスを確定させるよりも良いのではないかと思って観ていた。FGを蹴る位置として敵陣35ydを想定した時、自陣25ydから40yd進めばいい。これまでのNFLゲームを観て来て、2プレイで40yd前進は何度も観て来た。ましてや、QBはマホームズでWRヒルとTEケルシーがいる。タッチバックはあまりにも危険だと。

 結果は知っての通り。マホームズは2本のパスでそれぞれ5秒を使い、敵陣31ydまで進んで同点のFGに結びつけた。Gamepassのコーチフィルムを観ると、BUFディフェンスは2Sを深く、他はスクリーメージから10yd付近で守り、パスが決まっても直ぐにタックルして距離を稼がせないプリベントディフェンスを引いた。しかし、カバーは緩くヒルとケルシーにキャッチ後に走られたのが大きく響いた。

 勝負にタラレバは禁物だ。だが、僕はスクイブキックを選択すべきだったのではと思う。少しでもKCオフェンスにプレイさせる時間を少なくする可能性があれば、そちらに賭けるべきだった。KC陣25yd付近までリターンされても、3秒、あと3秒使わせることが出来ればBUFは勝てたと思う。短時間での判断は厳しいが、僕はキックオフまでの間にスクイブキックだろうなと思って観ていたのだから、当然HCも全ての選択肢を検討して出した結論がタッチバック。どちらが良かったのかは分からない。

 1秒とはこんなに長いものかと、BUFファンは天を仰いだだろう。僕がBUFファンだったら昨日は怒り散らすか寝込んでしまったかもしれない。BUFファンにとってはスーパーボウル]]VでKノーウッドが47ydFGを外して敗れ去った時に次ぐショッキングで悲しい敗戦だった。