地域紹介・東部平原

位置

 ユルセルーム大陸東南、旧エンダルノウムとファライゾンの中間に広がる地域。
 東をエスティファ湖、北をエルダ大森林、西をグレア山系に囲まれた東西500km、南北700kmあまりの平原。
 地理的にはファラノウムに近いが、ファライゾンに属するのかどうかは資料が無い。
 「東部平原」とはあくまで便宜上の呼称であり、この地域の正式な呼称は不明。

自然

 地域の大半が内陸の平原であり、内陸性気候と推測される。
 西部地域から南部のゲスタノ丘陵にかけては、大きな河川や森林は見られない。おそらくは乾燥したサバンナないしステップ気候で、夏季には高温で乾燥し、冬季には若干の雨が降ると思われる。
 これと比べ東部では、エスティファ湖沿岸に面し河川も多く、寒暖の差も緩やかで雨量が多いであろう。
 主要な野獣は平原地域の種(野牛、馬、狼、兎、野鼠など)であろう。大森林はないが、水源に沿って散在する林には小動物も多い。また「大戦」ではデュラ軍の主要な進撃路であったため、魔獣や竜類も出現の可能性がある。これらの種はエスティファ湖とその水竜に東漸を阻まれているため、この地域の大きな脅威の一つであろう。
 このような地域は典型的な麦作牧畜地帯と考えられる。また乾燥した平原での遊牧や、湖水部での漁労も想定される。

略史

 統一王朝期には「王の道」によって聖都ファラノウムと王都エンダルノウムを結ぶ通商路として繁栄したが、「大戦」の際にはデュラ軍の主要な進撃路であるため荒廃した。
 四王国期にもこの地域はファラノウムの恩恵を受けた。聖都や「華やかなりし故郷の町」フェリアとの興隆により経済的・文化的な繁栄を見たと思われる。しかし「大暗黒期」のフェリア水没により、長い混乱状態に陥った。

民族・社会・文化

 この地域に関するまとまった情報は全く存在しない。
 しかしこの事実は、東部平原が無人の荒野であることを意味するものではない。「薄暗がりの時代」の主要な記述がもっぱら西方に偏っているため、ストラディウムの関心を引かない地域については情報に乏しいためと推測される。
 しかしながら「王の道」が残り、ファライゾンやヘリアの学院からもそう遠くないことから、統一王朝系の文明社会が存在すると推測される。
 気候風土や地勢から見た潜在的生産性は大きく、文化的経済的にも発達した社会が想定される。氏族制社会だけでなく都市国家や封建領主制も考えられるし、統一国家が存在してもおかしくないだろう。

解説

 東部平原の特長は何も語られていないことに尽きる。つまり「何を語ってもよい場所」と言ってよいのだ。
 ここには外部と無縁の権力や社会を設定することができる。ストラディウムやデュラといった軍事強国からは遠く、ファライゾンはそもそも対外的に活発ではない。そのため諸外国(と設定にうるさいプレイヤー)に煩わされることなく、自由な国造りができる。おとぎ話のような小王国(それこそ「王国」を名乗っても誰も文句をつけないだろう!)が散らばっていてもいいし、ユルセルームには例外的な民主政都市国家、さらには大陸統一を目指す英雄(だか魔王だか)が暴れまわる戦乱地帯にしたって構わないのである。

 また地理的にもこの地域は物語の舞台として好条件がそろっている。「王の道」の存在は、この地域は旧統一王朝時代の遺跡に恵まれていることを意味する。また「大戦」の折にはデュラ軍が通過した地域でもあり、過去の戦乱の遺物や伝説を絡ませる余地は大きい。さらに旧フェリアにも近く、災禍を逃れた市民が移住した可能性は大きい。
 周辺諸地域もヴァリエーションに富む。グレア山系を越えた西方にはグドルの支配する廃都エンダルノウムや呪われたエノイルの町がある。デュール派やグドルの手先の侵入が想定されるし、沿岸部にはヒュノーの海賊も出没するだろう。
 北方には妖精族の住むエルダ大森林が広がっているし、ヘリアの学院と関ることもできる。ラムザスから移住した遊牧民がいてもおかしくない。
 このように明確な設定上のきまり事が存在せず、しかも設定に説明をつけられるだけの素材が散らばっているこの地域は、ユルセルームにおける最高の箱庭である。


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