メリューン侯家小伝
統一王朝暦2000年代、ユル=ストラディウムからギュノロンにかけて隆盛を誇ったメリューン一族の系譜。
『月歌物語』の背景資料として作成されたが、公式の設定ではない。
“蒼星侯”アウレクス(1975〜2032)
初代メリューン侯。聖都貴族の血を引くストラディウム騎士と伝えられる。前半生は定かでないが官途を辞し各地を放浪、2005年にユル=ストラディウム辺境に移住しメリューン市を建設。2022年侯位に叙され自治特許権を獲得。没後その亡霊が城内を徘徊すると噂された。
“寛容侯”エセリオ(2007〜52)
二代メリューン侯。父の事業を継承して本国や周辺諸侯との融和に努め、市域を拡張して商業を振興するなど侯領の基盤を確立した。「見者の塔」を建て、一族の女性を管理者に任じた。
“明星の”ファルナ(2003〜48)
初代アウレクスの長女。実母は不明(妖精説あり)。生後父の下を離れて育ち、父の侯位叙爵を機に帰還。「見者の塔」の初代管理者となる。家臣に嫁してエロードを生むが、ギュノスよりの帰途に幽魔に襲われ、夫と共に落命。
“鷲瞳侯”ナルクス(2032〜61)
三代メリューン侯。二代エセリオの長男。侯領周辺の幽魔退去に功を上げる。侯位継承後、「薄暗がりの時代」の混乱回復に伴い、通商路独占の利益が失われたことから、父の政策を一変し活発な領土拡張に転じる。最初の妻と死別後、従妹エロードを妃に迎えるがギュノス河畔に戦死。出撃の朝、覆面の占師がその死を予言したと言われる。
“火雷侯”オズィセン(2036〜80)
四代メリューン侯。二代エセリオの次男。ナルクスの拡張路線に反対したが、兄の敗死後はその遺志を継いで周辺諸侯を撃破し侯領を拡大。甥たちをギュノロン公国に進出させる。芸術家や学者を城館に招聘し華やかな都市文化を開花させる。最初の妻との士別後、最愛の従姉エロードを妃に迎える。晩年は妻や子の死により統治への意欲を失い、宮廷儀礼と信仰に耽溺する晩年を送った。
“秋の”エロード(2035〜76)
第三代・四代メリューン侯妃。母は初代アウレクスの娘ファルナ。母の死後「見者の塔」管理者となる。2061年“鷲瞳侯”ナルクスに嫁すが、その直後にナルクスは戦死。2075年塔を出て“火雷侯”オズィセンに再嫁するが、フェルネリオ出産時の産褥により死去。
生涯を通じ一族の精神的拠り所であった。
“賢き柱”イルセルミク(2059〜79)
四代オズィセンの長男。幼少より早熟の才を現わして期待をかけられたが、不可解な失踪を遂げた。
“麗波侯”フェルドヴェーグ(2070〜97)
五代メリューン侯。四代オズィセンの次男。その治世に侯領は最盛期を迎える。闊達で温和な性格であったが一門の離反を招き、ギュノス執政の殺害と西方守護軍の追討を招く。ハラスの戦いでセルベス・セルトーグ指揮する西方守護派遣軍に破れて重傷を負い、メリューンに篭城。一族と共に「見者の塔」で自決。
“輝ける星”オズィルクスト(2073〜97)
四代オズィセンの三男。武略の才に長けた勇士で、ギュノス執政ヴィンドゥルスを討つ。ハラスの戦いで兄の脱出を援護すべく、敵中に突撃して戦死。嫡子フィルスは聖都で育てられたが、後に北方で消息を絶ち一門の血統は絶えた。
“星恋花”エルノマ(2062〜97)
三代ナルクスとエロードの娘。母の没後「見者の塔」の管理者となる。イルセルミクと婚約するが、婚約者は謎の失踪を遂げる。メリューン陥落に際して講和を提言するが容れられず。最後は包囲軍の投降勧告を拒絶、塔に火を放ち街と一族に殉じた。
“銀の花冠”フェルネリオ(2076〜2116)
四代オズィセンとエロードの娘。エルノマの異父妹で、典雅な容貌と優しい性格により一族の愛情を一身に集める。2093年コーデ伯に嫁す。夫の死後、伯領を姪フレア・パークスに譲渡、聖都に上り一族の慰霊に余生を送った。
“炎の剣”ドゥアセヴァーン・コーデ(2067〜2111)
コーデ伯。交通の要衝を領した富裕な貴族で、フェルネリオを妻に迎えフェルドヴェーグの義弟となる。メリューン陥落の際に出兵を企てるがナーハン執政に阻止される。以後ナーハン執政と確執を深めるが、平行して奇行が目立つようになり、居城の塔内で焼死した。
レイリク・ナルメリューン(2051〜97)
エセン伯。三代ナルクスの長男。四代オズィセンがギュノロンに獲得したエセン伯領に封じられ、ナルメリューンの家名を立てる。息子をギュノス執政とする代わりに伯領返還を求められたことから侯家に叛逆を試みる。祝宴に乗じて侯家抹殺とメリューン城占領を策するが失敗、ユル=ストラディウムに奔る。西方守護派遣軍に加わり、ハラスの戦いで戦死。
ヴィンドゥルス・ストラメリューン(2074〜96)
ギュノス執政。レイリクの嫡子。執政家の猶子となり2096年執政に就位。父の謀反は知らなかったが荷担の嫌疑をかけられ、ギュノス河畔の渡し場でオズィルクストに討たれる。その死はメリューン戦争の引き金となった。
アルフス・ストラメリューン(2056〜97)
ルーマ伯。三代ナルクスの次男。四代オズィセンが獲得したルーマ伯領に封じられストラメリューンの家名を立てる。ヴィンドゥルスの死後、ギュノス市を占領。包囲されたメリューンを救援に向かうが、ハウレス・ニセイ率いる騎兵隊に迎撃され敗走。メリューン滅亡後、コーデ伯領への脱出を図るが舟上で何者かに刺殺された。
アイヴァンナルス・ストラメリューン(2072〜2102)
アルフスの長男。音楽を愛する教養人だが長く病床にあり、メリューン戦役には参加せず。派遣軍に伯領を没収されコーデ伯の居城に客死。遺児ヘルレイはギュノス森林に篭り略奪者となった。
ナルセヴァーン・ベルゲ“沿海侯”(2073〜)
ギュノロンの貴族。生家は没落騎士で、各地の諸侯に傭兵騎士として仕える。青年時代は才知と美貌で知られた。オズィルクストやコーデ伯と親交を結び、フェルネリオの許婚者の候補とされたこともある。レイリクによる陰謀を阻止し、ヴィンドゥルスの死に一役買うが、メリューン戦争では西方守護派遣軍に加わる。のち政略結婚で沿海領を継承し、勢力を拡大する。
戻る