〔第27回神奈川県美術展〕 1991.10.26


 月館さんの作品が入選。作品名「16才の希望」(?)。コンクリートジャングルの中に、遠くを見つめて立ちつくす、若い女性が二人。その二人の目線の彼方を象徴するように、えんえんと伸びる高速道路の先には、美くしい山並。また、コンクリートジャングルの中に伸びる、一本のトンネル。その彼方には、明るい陽光に輝く海とヨット。殺伐とした現代社会への批判的精神(?)に満ちた作品であった。

 美術展全体の印象は、日本画と洋画の区別がほとんどなく、テーマがほぼ共通していること。その違いは、単に絵具の違いになっていること。このことの発見であった。日本画というと、花・蝶・風・月というイメージがあったが、それが、若い作家達によって、かなり壊されていることに、驚きを感じた。(月館さんの作品もそうであった)同じことは、版画作品にも言えた。

 全体として、現代の新しい美術の傾向を知ることができたといえる。


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