川崎市教育課程研究会 特別活動部会 提案 97.8.26
総合学習としての多摩川自然観察 |
川崎市立西高津中学校 川瀬 健一
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提案の概要 |
1. とりくみの経過と内容─────資料およびビデオ参照
2. その目的 ─────資料参照
3. 生徒の意識の変化 ─────資料参照
4. 今後の課題 ─────資料参照
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とりくみの経過と内容 |
1)96年4月から97年3月まで
○4月から市の環境教育の委嘱研究開始。
○9教科2領域での環境教育の視点に立った活動をどう組織するか。
○学年の取り組み
〔1学年〕 10月の文化祭にむけて継続的に地域の問題に取り組む
○〔テーマの決定〕6月21日〔学年委員会─学級委員〕
テーマ:ふるさとを知る〜多摩川〜 ねらい:文化祭という場を利用して「今住んでいるこの地域をより深く知る」というねらいで3年間調査研究する。2年後には「地域環境マップ」などを つくりたい。 |
○〔調査項目の決定〕6月24日〜29日
1)班単位の討論
2)図書室で本を調べて、調査したい項目を考える(各クラス1時間)
3)班の意見の発表とクラスでのまとめ。
〔生徒たちの調べてみたいこと〕
・どんな魚がいるか? ・どんな昆虫がいるか? ・どんな花が咲いているか? ・どんな草が生えているか? ・どんな石があるか? ・どんな化石がとれるか ・多摩川の水はなぜ汚れたか? ・多摩川の水はどこから来てどこへ行くのか? ・どんなゴミが落ちているのか? ・多摩川にはわき水はあるのか? ・多摩川の全長は?・多摩川の流域面積は? ・水の汚れと花や鳥との関係は? ・多摩川の水質の変化 ・昔と今の流れの違い ・橋の歴史 ・多摩川の水は何に利用されたのか? ・二ヶ領用水はいつできたか? ・多摩川はいつできた? ・多摩川の洪水の歴史 ・なぜ多摩川とよぶのか? ・多摩川の上流が国定公園に指定されたのはいつか? |
○〔調査活動〕9月〜10月
1)多摩川自然観察ウォークラリー〔9月21日(土)午前中〕(※ビデオ参照
・ウォークラリー形式(生活班単位)学校←─→多摩川(※別紙資料1))
・調査項目 a)川底に住む生物の種類と数(※別紙資料2)参照)・・・・・・水質検査のため
b)川底の石につく藻の種類(※別紙資料3)参照)・・・・・・・・・水質検査のため
c)川の水の採取・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・水質検査のため
d)河原に生えている植物の採集(5種類)
e)河原にある石の採集(5種類)
f)河原にあるゴミの種類と量
・調査結果のまとめ(※別紙資料4)参照)
a)底生生物のまとめ〔当日河原にて〕
b)藻の種類〔当日午後理科室にて1:00〜3:00〕
c)水質検査〔当日午後理科室にて1:00〜3:00〕(PHと残留塩素)
d)植物の種類〔25日(木)放課後3:00〜5:00図書室にて〕
e)石の種類〔25日(木)放課後3:00〜5:00理科室にて〕
f)ゴミの種類〔当日河原にて〕
2)川についての聞き込み調査〔9月20日〜27日〕(※別紙資料5)参照)
・各自近所の人10人に聞き取り調査を実施
・聞き取り項目 a)川で泳いだことはあるか
b)川で魚をつった事はあるか
c)川が洪水をおこしたことを知っているか
d)川が異常渇水をおこしたことを知っているか
e)川は汚れていると思うか(川=多摩川・平瀬川・二ヶ領用水)
・調査のまとめ─年齢、性別、居住地域別に集計
3)文化祭にむけての調査のまとめと追加調査と展示作業〔10月14日〜24日毎日午後1:25〜5:30〕
・クラス単位に分担してまとめ〔学年委員会〕
a)水─水質検査のまとめと浄化実験装置づくり─────────3組
b)川の中の生物─藻や底生生物のまとめと魚や底生生物の採集──2組
c)川辺の生物─植物標本づくりと昆虫・鳥の調査────────1組
d)川に流されたもの─石の種類と利用方法、ゴミの種類─────5組
e)川の歴史─聞き取り調査のまとめ、洪水の歴史────────4組
○文化祭での発表〔10月26日(土)〕(※ビデオ参照)
・多目的ホールと教室2つを使用して多摩川を再現
・各クラス展示説明係を置いて、参観者に説明
・1日自由に参観(体育館・武道室・音楽室─演技、教室─展示)の中で展示体験コーナーとして実施。
2)97年4月から
○今年のテーマ決定(5月14日)〔2学年・学年委員会〕
テーマ:ふるさとを知る・ 多摩川の自然環境を守ろう ねらい:意外とたくさんいた生き物。それを守り、もっと住みよい環境にするにはどうしたらよいか考え行動する。 |
○調査活動(5月〜)
1)第2回多摩川自然観察〔5月31日(土)午前中〕・多摩川現地に集合、解散
・観察項目 a)川の底生生物の観察 ・・・・・・・・・・・・・・水質検査のため
b)藻の採集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・水質検査のため
c)水の採取と簡易測定パックによる測定(科学部による精密測定も実施)・・・・・水質検査のため
d)植物を5種類採集
e)昆虫を5種類採集
f)ゴミの種類の調査
・水質検査項目─簡易測定パックを使用し河原で測定(※ビデオ参照)
a)水素イオン濃度測定(PH)(資料6)参照)
b)残留塩素の測定
c)COD(化学的酸素消費量)の測定
d)りん酸イオン濃度の測定
・調査結果のまとめ(※別紙資料7)参照)
a)底生生物〔当日現地にて〕
b)藻の観察〔理科室にて6月3日(火)3:00〜4:00〕
c)水質検査〔当日現地にて〕
d)植物種類〔理科室にて当日1:00〜2:00〕
e)昆虫種類〔理科室にて当日1:00〜2:00〕
f)ゴミ種類〔当日現地にて〕
2)多摩川クリーン作戦〔7月17日午前中〕・全校生徒にて二子橋〜東名高速近くまでの河原のゴミ拾い。
3)今後の予定
・多摩川源流への調査行(夏休み中に)
・実行委員会の結成(9月中頃)
・多摩川上流〜河口までの水質検査 ┐
・多摩川上流〜河口までの生物調査 ├9月〜10月に実施
・多摩川上流〜河口までの下水道調査│ (放課後または土曜日)
・多摩川上流〜河口までのゴミ調査 │ ※自由にグループを組む予定
・多摩川の汚染状況や下水道普及状況の歴史的変化の調査│
・役所や下水処理施設の見学 ┘
・文化祭での発表〔10月25日(土)〕
・多摩川上流での自然観察〔11月〕 学年全員で実施
・多摩川クリーン作戦などの行動の組織
・環境教育委嘱研究本発表でのまとめ〔98年2月 4日〕
・地域環境マップづくり〔来年度3年次の予定〕
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多摩川自然観察の目的 |
1)学校全体の方針
○教育課程編成についての方針
1)自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力を育成する
2)基礎的・基本的な内容の指導を徹底する
3)個性を生かす教育の充実に努める
○環境教育
1)研究主題:「こどもたちの生き方」を考える環境教育
2)副主題:身近な環境問題に気づき、主体的に行動できる生徒の育成
○文化祭(※別紙資料8)参照)
・ねらい
1)日頃の文化的活動の集大成の場とし、活動の成果を発表することにより 活動目標の達成という充実感を持たせる。
2)生徒たちの自主的な活動を主体とし、興味関心をより深め、自分自身や 集団のありかたを見つめる契機とする
3)目標に向かっての集団的取り組みを行うことにより、学級・学年・学校 集団としての一体性と集団の力を強化する。
○生徒会による規約・心得の定期的な検討と改正(毎年夏)
○年3回の学習指導研修会(1学年を使って各教科の研究授業と教科を越えた参観と討議)
○年数回の観点別評価学習会(新しい学力観にそった評価と授業のあり方の研究と討議)
2)学年の方針
学習指導要領にうたわれている学力観に基づき、3年時の修学旅行をクラスやグループをなくし、生徒一人一人が目的に合わせた学習をする中で、興味や関心にあった友達とグループをつくり行動することを最終目標として、学校生活や授業、また、学年行事や学校行事をどのような方法でどのように運営し、何を学ばさせるかを考えた。 クラスの班編成のありかた、清掃・日直・学活・昼食のとりかたなど、全て班を単位に行動し、班長や学級委員やその他の係を中心に運営できるように、学年として動きを統一し、とりくんでいきたい。 |
(昨年、1年次の保護者会に配付した学年指導方針より)
○行事の取り組み
・合唱コンクール(5月30日)
・学年遠足(箱根、オリエンテーリング)(6月6日)
・多目的ホールの学習、展示、憩いの空間への模様替え(7月)
・体育祭(9月15日)縦割りブロック制にて
・多摩川自然観察ウォークラリー(9月21日)
・文化祭(10月26日)
・自然教室(1月21〜24日)(国立中央青年の家)
・学年球技大会(3月)
3)多摩川自然観察の目的
○昨年度の場合
・身近な自然にふれ、そこで遊ぶことにより、感性の部分で自然を捉える。
・多摩川の自然を多方面から調査し、その実態をつかむと同時に環境に対する意識を高める。
1)ウォークラリーという形式で楽しむ。
2)水の中に入る(水の採集・生物・藻)ことで水を体感する。
3)生物調査により、意外に豊かな自然を実感する。
4)文化祭での多摩川の自然の復元をはかる事で自然の現状を認識する。
○今年の場合
・身近な自然にふれ、そこで遊ぶことにより、感性の部分で自然を捉える。
・多摩川の自然環境の現状を知り、これを守るために何ができるかを考える。
1)化学的な水質測定をし、感性ではなく化学的データで現状を知る。
2)より正確なデータをとるため、科学部による精密な測定の実施。
3)生物調査により、秋とは異なる自然状況を把握する。
○教科学習との関連において
・社会科や理科、その他技術家庭科や保健体育科での学習は、どちらかというと知識レベルでの学習に偏りがち。しかも、各教科の関連性
がないままで、学習が行われている。
・統合学習とか総合学習など、知識を生きた知識として、現実を把握し問題の解決をはかるための総合的知識として学ぶ必要が叫ばれて
いる。
・しかし、同時に、知識を生きたものにするには、知識レベルだけでなく、 感性のレベル・体感のレベルでの体験が不可欠である。
・以上の統合としての学年レベルでの体験学習。
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生徒の意識の現状と変化 |
1)自然観察の感想文より
男 | 女 | 合計 | |
@たのしかった | 39%(48) | 28%(63) | 34%(55) |
A川は思ったよりきれい | 13%(15) | 14%(19) | 14%(16) |
B川はきたない | 16%(16) | 31%(33) | 25%(24) |
C生物が多くて感動した | 4%(30) | 15%(39) | 9%(34) |
Dゴミが多い | 11%(29) | 36%(43) | 23%(35) |
E川をきれいにしたい | 5%( 6) | 15%(17) | 10%(12) |
F見た目と違い川はきたない | 3% | 6% | 4% |
Gその他 | 29%(15) | 11%( 2) | 20%( 9) |
複数回答 ( )内は昨年の回答
○上の結果からわかること
1)昨年今年と共通した特色:
・どちらでも最も多い感想は「楽しかった」。その理由は『水に入った』り『魚を追っかけた』りして遊べたこと。中には『遊べて楽しかった
が・・・もっと川がきれいなら良かった』と感想を述べている生徒もおり、環境に対する意識を高める上で、川で遊ぶという事が大切であ
ることがわかる。
・またこれに関連し、昨年5月の感想文では「生物が多くて感動した」との感想が多い。これは『こんなにきたない川なのにたくさんの生き
物がいて、ビックリ』という実感であり、同時に『川が思ったよりきれい』という実感とも結ついている。
・次に多い感想は「ゴミが多い」と「川がきたない」である。これは相互に結びついた実感であり、これに「川が臭い」という実感と、現実に
「きたない水の底生生物が多い」という観察結果とも結びついている。
・数は少ないのだが、以上の感想と「川をきれいにしたい」という感想は結びついてくる。中には『川がもっときれいであれば、人にとっても
生き物にとっても、もっと楽しい所になる』と書いた生徒もおり、「楽しさ」「川のきたなさ」「生き物が多い」という実感が相互に結びつい
た」例である。
2)昨年と今年の違い
・「たのしかった」と感想を書いた生徒が大幅に減少しているが、これは2度目ということと、今回は水質検査を中心にしたということの結
果であろう。
・感想のトップが「楽しかった」ということはかわらない。
・「生物が多くて感動した」が大幅に減少したのは2回目の体験の結果である。
・前回と比べてみても、多摩川の自然観察をやってみての生徒の感想の傾向は上の二つをのぞき、ほとんど同じである。
・ただし、わずかな違いではあるが、「川がおもったよりきれい」と答えた生徒の割合がわずかに減少し、「川はきたない」と答えた生徒の
割合がわずかに増加したことは特徴的である。これに「見た目と違い川の水は汚いことがわかった」を加えれば、「川はきたない」と答
えた生徒の割合は29%となり、「川は思ったよりきれい」と答えた生徒の約2倍となる。これは今回、河川敷で4種類の化学的測定方
法により、川の水の汚れの具合を全員で計ってみたことの結果ではないか。
・川の中の生物調査によって川の汚れを知る活動に加えて、化学的調査を加えたことはその目的を達していると思う。
○生徒の意識の変化
・上で述べたように、多摩川の水は見た目とは違い、かなり汚れているという認識は広がってきたと思われる。これは調査・測定の結果
でもあると共に、あいかわらずゴミが多いという現状によっても広がっていると思われる。
2)自然観察のアンケートから
○今後どんな事を調べたらよいか(今年の5月31日に実施)
どの程度工場排水や家庭排水が流れこんでいるか何が原因で多摩川が汚れたのか 上流と下流の違い どこが一番汚いか 今のままだと川がどうなってしまうか いつから今のように汚くなったのか どこが一番きれいか 川の流れの速さや深さ |
25人 16人 8人 3人 3人 2人 2人 |
どのような魚がいるか どのような植物が多いか どのような昆虫がいるか どのような鳥がいるか どこに魚が一番いるか 昔はどんな魚がいたのか |
23人 21人 17人 1人 1人 1人 |
ゴミについて どんな人がゴミを捨てるのか どんな人がゴミを拾うのか |
32人 3人 2人 合計 37人 |
多摩川に来たら何をするかアンケートをとる | 2人 |
昔と今の河原の変化 | 1人 |
どうしたら川がきれいになるか どうしたらゴミがなくせるか |
18人 2人 合計20人 |
○何がわかるか
川の汚れの現状と原因を調べていきたいと考えるものと川に住む生き物を調べていきたいもの、そしてゴミについて調べたいもの。さらに
ごんごどうしたら川をきれいにできるかを調べていきたいものと、ほぼ4つに分かれている。ここでもゴミとあげた生徒が一番数が多いことか
ら、ゴミが一番関心をもたれていることがわかる。やはり、見た目に汚いことがすぐわかるからであろう。
川の汚れの現状と原因の調査をかなりの数の生徒があげ、同時にどうしたら川をきれいにできるかをあげていることは、注目に値する。
昨年にひきつづいて多摩川を調べている事と、今回の調査で4項目の化学的水質検査を入れて、ほぼどの調査項目でも「汚染されている」と
結果が出たことに理由があろうし、その検査の汚染度を記した用紙に原因として「家庭排水と工場排水」があがっていたことが背景だと考えら
れる。
そして川にすむ生物をいろいろ調査しようと考えた生徒が多いことは、昨年にひきつづき、川の中や川辺の生物をいろいろ調査して、川で
の自然体験を重視してきたことの結果だと思う。
このように具体的に今後の調査活動の内容を生徒の多くが答えられたことは、多摩川に関する生徒の関心が高まりつつあることを示してい
ると思う。
○多摩川の自然を守るには何をしたらよいか
ゴミをすてない ゴミを持ちかえる ゴミをひろう ゴミを減らすように呼びかける 河原にゴミ箱をもっとたくさん作る |
120人 11人 50人 17人 4人 合計202人 |
水を汚さない 家庭で洗剤などを流さない 家庭で油などを流さない 家庭排水を流さない(減らす) 家庭排水をろ過してきれいにする 工場排水をろ過してきれいにする 排水の処理方法を変え、川に流さない 工場や家庭に排水を川に捨てないように呼びかける |
2人 10人 7人 12人 1人 1人 3人 1人 合計37人 |
魚を放流する 植物や昆虫をむやみにとらない 鳥や木を保護する コンクリートで固めない |
2人 2人 1人 1人 合計6人 |
一人一人の心がけの問題 川でものを食べたり飲んだりしない |
5人 1人 合計6人 |
○何がわかるか
ここでもゴミが圧倒的であった。やはり目に見えるもの、そしてすぐ手をつけやすいものということであろう。「とりあえずすぐには改善できな
い水の問題はおいておいて・・・・」と答えていた生徒がいたことは特徴的である。
しかし、具体的に方法としてクリーン作戦をやろうとか、看板を設置したり、ポスターを貼ったりなどの方法をとってゴミを減らすことを考えた
り、ゴミ箱が少ないからもっと増やそうなどの提言ができたことはとても好ましい。これは今すぐにでも実施できることだし、クリーン作戦を月に
一度という提案も何人もの生徒からなされており、生徒の関心の高さが分かる。
しかし一方で水質の問題が具体的に提案できないということは、生徒たちの多くが、川の水を汚染させた原因を具体的には知らないという
現状を示していると思われる。
この点で先にあげた今後の調査の方向で、川の汚れの原因や家庭排水・工場排水の問題を調べたいとする生徒が多かったことも、上の推
測を成り立たせる。 今後この方向での調査が必要である。
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今後の課題 |
1)水を汚した原因の調査
・二子橋付近の多摩川の水はリン酸イオンの値や化学的酸素供給量が高く、生物調査ともあわせて、汚染された水であることが分かる。
・りん酸イオンの濃度が高い事とアンモニア性窒素の濃度が高いので、原因は家庭排水と汚水にあると考えられる。(※別紙資料7)参照)
・下水道の問題が鍵。
└───→下水道普及率調査と水質検査 川の汚染の歴史的変化の調査
2)「清流」の体験
・川が「きたない」とか「きれい」とかの生徒の感想は各自の体験によって基準が異なり、かなり相対的なもの。
・ほとんど汚れていない川の水を生徒の多くは知らない。
・「清流」の体験なしに、多摩川の汚染を感性の部分で深く実感することはできない。────→多摩川上流自然観察の実施
3)調査に基づく認識の深まりを
・今までは、調査・体験に主眼が置かれてきた。
・各々の分担によって活動がなされ、全体として認識を深める場がまだ持てていない。
・様々な調査に基づいて、お互いの認識をつきあわせ深めあう事が必要。
・討論会(パネラー形式で)の必要性。
└────→文化祭でのシンポジウム開催
4)川の自然を守る行動の開始
・すでに昨年の段階で「調査より行動を」という生徒も多く、ゴミ集めを提案したものもあった。
・ゴミ以外にも水を汚染する原因が分かった所で、よりつっこんだレベルでの、自然環境を守る行動を考えさせたい。
・これが来年度の「環境マップ」につながる。
└─────→クリーン作戦を越える提案を
5)教科の学習との結合
・今までの活動によって得た認識は、いまだ部分的で感性的な側面が強い。
・特別活動としての学年の取り組みでは、総体としての地球環境問題などとの関わりは、どうしても個別生徒の力量に委ねられる。
・理科、社会、技術家庭科、保健体育科などの授業において、今後、この2年間の多摩川の自然観察の体験と結びつける形で、環境問題全般
を各々の教科の目標にひきつけて、知識として学習していくことが必要。