5月25日  科学博物館 上野動物園

 東の空が白んだ頃、目が覚めてしまった。昨日から子供たちはどっかに行きたくてしょうがないらしい。私もひとつレポートを書き上げたので息抜きがしたい。どこか良い所はないかとインターネットでチェックしていたがなかなか見つからない。ふと高校があった上野公園界隈を思い出した。科学博物館と国立博物館が好きで良く行ったものだ。あそこなら入館料も安いし、近くに有料駐車場もあるし、うまいものも食えるし、というわけで目が覚めたかみさんと子供に話したら「行く!」と大賛成だ。こういう時の支度は早い。7時過ぎには車に乗った。途中デニーズで食事をしたので上野駅近くの駐車場に9時頃着いた。一時間あたり400円也。実は私の住む街の鉄道は日本一の高い運賃。家族四人で片道一時間までかからない上野を往復すると何と6500円ほどかかってしまう。だから車のほうが安上がりだし便利なのだ。

 最初は科学博物館に入った。空いているうちにと、いの一番(このところ落語をよく聞くので感化されこういう表現が日常生活でも多い)に行ったのは新館2階の「たんけん広場・身近な科学」。ここは大人も夢中になってしまうし本当に興味滑車深い。

 先ずははずみ車サイクルコプタに乗る。自転車の前半分みたいなところに乗ってスイッチを押すと後ろのオモリのついた腕が伸び始めて体重をシーソーの原理で釣りあわせゼロにしてくれる。後はペダルをこいで上のプロペラを回して浮き上がる仕組み。大した仕掛けでもないのだが子供は一生懸命にこいでいて単純に楽しいらしい。次は滑車の原理を利用して綱を引っ張り自分の体重を持ち上げる装置だ。私には面白かったが子供はつまらないらしい。科学原理が解っているのではないので見た目の派手さ不思議さが優先されるようだが、まあ仕方ないか。次々といろんな装置で遊ぶことにする。向こう側から手が出てくるように見える凹面鏡(?)にはびっくりした。下の子は怖くなって二度と近づかなかった。タイヤの太鼓を叩いて紙コップを飛ばす装置は子供が気に入ったようでしつこいくらいに遊んでいた。ボランティアの方がいろんな装置の解説をしながらいっしょに遊んでくれる。いやあ、ありがたい。ボランティアの皆さん、ありがとうございました。なかには子供が不思議に思うことを「お父さんに訊いてごらん」などと恐ろしい言動をされるボランティアの方もいて冷や汗をかくこともある。こちとら物理は好きだが基本的に文系だぞと開き直りたいが追っかけて「中学で習うんだけどね」などといわれてぐうの音も出ない。さて、偏向ガラスの原理を使った幻の壁も面白い。本当に壁があるように見えるのだが、人が通り抜けていく。人間は光を感じてそこにある物体を想像しているに過ぎないこともよくわかる。次ははずみ車。ハッブル望遠鏡のこと凹面鏡を書いた本にはず大竹とんぼみ車のことが出ていた。何の支点もない宇宙空間で望遠鏡の方向を変えるためにはずみ車が使われているのですと。何のことかその時はさっぱりわからなかったが、ここで体験した。自分が望遠鏡の立場になれるのだ。他にもいろんな装置があるので皆さんも一度是非いかれたらどうでしょう。面白いですよ。その他、恐竜の化石や鯨の捕食模型などなど、実に様々なものが展示してあって全部をきちんと見るには一日では足りないかも。

 さて、昼食の時刻になるので広小路方面に歩く。鈴本の昼の部が始まるようでたくさんの人が並んでいた。久しく寄席にも行っていないなあ。旨いと評判の豚カツ屋に行ったのだが混んでいて入れない。仕方ないのでぶらぶらしながら店を探し結局甘味処の「みはし」に入った。おやつにあんみつでも食べようと思っていた店だ。きちんと分煙になっていて好感を持つ。接客態度もとてもよい。磯辺巻きや雑煮やらと、お目当てのあんみつを注文した。ここのあんみつは旨いねえ。量もある。くどくなくって実に良い。男女問わず結構一人で入ってくるお客さんも多い。堪能いたしました。
空気でビーチボールをコントロール
 子供がパンダタイヤと紙コップを見たいというので動物園に行く。今は一頭なのですね。日曜日で天気もよく園内は随分と混んでいるがパンダ舎は特にそう。30年前ほどではないにしろ、やはりパンダ人気は健在なり。次に両生爬虫類館にいく。普段行く千葉市動物公園には大掛かりな爬虫類はゾウガメくらいしかいないのでワニや蛇など見る機会があまりない。「いるかなあ」とかみさんと話しながら蛇の前に行くと、やはりいました、いや、「ハリーポッター!」と叫ぶ子供がね。蛇は変に人気になってしまっているようだ。この館を一通り見て帰ることにしました。今日は随分歩いたな。車に乗った途端、子供たちは爆睡でありました。