2003年8月1日〜3日  長野県白馬村周辺

 今年の夏休みは受験資格を取得するために義務付けられているスクーリングに全て費やされる。子供たちは「遊びにいけないのー」と?プラス!!!の抗議の目を向ける。仕方ない、何処か行ってくるか。梅雨ももう明けるようだし、海水浴がいいかな、あわよくば鯵釣りもして、などと考えて宿を探すが見つからない。困ったなと思いつつ、ふと、山もいいかも・・・と思う。天の川を見せてあげたい、あわよくばアンドロメダ銀河も見られるかも。実にいい加減なのだが、山に方針変更する。山はどこがいいかと思うが、普段海辺ばかりうろついているから皆目見当がつかない。山、山と思い巡らせているうちに、高校の山荘が小諸にあって、高原を散策した記憶がうっすらとよみがえってきた。そういえば花がきれいだったよな。さあて、どこにしようか、そういえば白馬とか有名だよな。みんなが行くということはやはりそれなりにいいんだろうということで、白馬にした。地図ソフトで道のりを図ると370キロ位か。愛通勤車レガシィなら、さほど疲れる距離じゃないな。宿が取れればいいんだけれど、できれば勤務先と保養所契約があれば経済的にも助かるんだけどなとインターネットで探した。ありました、リゾート イン ヴィヴァルディ(余計なことかもしれないけれど、ビバルディにしないと検索に引っかからないで不利のような気がします)というペンション。料金は随分安いけれど大丈夫かなあと若干の不安を覚えつつ連泊を予約したのは宿泊前日でした。

 1日朝9時半、ナビを白馬村落倉にセットして出発をする。外環道路から関越、長野自動車道に抜けていくコースだ。しかし、ナビはどうも中央高速ルートでいきたいらしく空きあらば辻辻で進路変更させようとする。ナビがあきらめるまでナビとの戦闘モードに入った。ナビを使わなければいいじゃないかと思われるかもしれないが、道が全然わからない。いわば世迷言をしゃべる地図として認識することにした。ナビをノースアップに設定しなおし、目的地との方向性を見て進んでいくことにした。さて、混む松戸市内を抜けてようやく外環に入った。ナビはまだあきらめていない。ナビの嘘コキと戦いながら外環を走っていると渋滞の案内。うげっ・・・、ナビは中央高速ルートはあきらめたようだが、今度は女性の元気なかわいい声で「渋滞が発生しています」などと連発している。ほとんどいやみに聞こえる。どうもこのナビとは相性が悪いらしい。結局関越に入ったのは昼過ぎになった。

 豊科インターに着いたのは午後3時をまわっていた。これじゃ、あっちこっちを見るというわけには行かないなあと思いつつ、安曇野ちひろ美術館に行った。久しぶりにちひろの絵を見たが、やはりいいな。ほっとするというか、郷愁に浸るというか、微笑ましく思うというか・・・。また金沢健一展というのもやっていて地元の中学生が説明と実演をされていた。芸術と物理が融合したようでなかなか面白く感じた。

 さて、現地まで行ってから若干道に迷ったもののようやく宿に着いた。直ぐに風呂に入った。男女別の温泉ということだが、オーナーのご好意で片方を貸切にしてくれた。思いがけず家族四人で風呂に入った。子供たちは大満足。湯の質もよかったし。

 夕食の準備ができたとオーナーが知らせに来てくれた。おっ!ビックリしました。美味しそう。ホームページそのままの料理が出てきます。素材もよく、味付けもよく、量もたっぷり、器もこだわっている。ビールのコップもガラスではなく焼き締めが出てくる。硬いビールが焼き締めのコップに揉まれて柔らかくなる。旨い!ワインは五一ワイン。かみさんが好きな甘めの白を頼んだがこれもいける。ホタテのキィウィソース仕立てのオードブル、信州牛のステーキ、めかぶ蕎麦、山菜の天ぷらなど、すこぶる堪能させてもらった。ナイフとフォークではなく箸でいただくのが肩が張らなくてとてもいい。もし都市部のレストランならこの食事だけでここの宿泊料金の倍でしょうね。これまた大満足でした。オーナーご夫婦も気さくですっかりリラックスさせていただきました。

 2日目、朝食(これまた美味しかった)後、宿のオーナーに場所を訊き、八方尾根に向かった。カフェテリア黒菱までは車であがっていく。狭く急な道で慎重に運転をする。景色どころではない。黒菱に着いてビックリ。かなり広い駐車場なのだがいっぱいなのだ。ようやく駐車スペースを見つけてリフトに向かうが、周りの人たちの装備がかなり本格的なので不安を覚える。

 リフトは快適だ。足下に高山植物がいっぱい咲いている。気温もちょうどいい。最初のリフトは二人乗りで、次は四人乗りだった。往復で大人は千円くらい、子供はちょっと安いくらいだったかな。さて、八方池山荘に着きここからは徒歩となる。さあてと道を一目見て、やばいと思った。おいおい、これじゃ登山だよ、参ったな、予想外だ。まあ、ここまで来てグズグズ言っても仕方ない(この思考が怪我や遭難の第一歩かな)ので人の流れに身を任せることにする。その表現がオーバーでないほど人が多い。子供と手をつないだりしながら石の登山道をあがっていく。周りは高山植物がきれいだが、人が多いのでゆっくり見ることはできない。いや、神経が図太ければゆっくり見ているようですな。たくましいな熟年者たちは。運良く雷鳥も見ることができた。キヤノンの10×30ISを持っていってよかった。でも、もう少し小さいともっとよかったかな。斜面の白いのは何だと思っていたら雪渓だ。ガスが出ていて遠くのアルプスの山々は見えないものの足元の草花はとてもきれいだ。きてよかった。等と思っていたら先を歩く息子がバランスを崩して転がりそうになりすかさず抱きとめた。怖い怖い、落ちたら命はない。また、大人がバランスを崩し際のロープをつかんで危うく何を逃れた瞬間も目撃した。やはりそれなりの装備を整えた方がいいですな。さて、途中休み休みようやく八方池に着いた。情けないことにへとへとだ。日頃の運動不足を痛感したが、だからといって日頃鍛える気なんて全然ない。

 少し休んで帰路に着いた。こんな距離しかなかったのかと思うくらい早く着いた。このころ急に天気も良くなった。下りきった八方池山荘のソフトクリームの美味しかったこと。さて、下りのリフトに乗り、景色を眺めながら帰ってきた。かみさんと子供たちにとっても充実感のある楽しい出来事だったようだ。
 さて、くたくたに疲れて宿に戻り風呂に入って美味しい夕食をご馳走になった。さぞやよく眠れるだろうと思っていたのだが眠れない。一年坊主の息子がベッドから落ちるのだ。寝返りを打ったりして何か音がするたびに私のほうが不安で目を覚ましてしまう。 夜中を過ぎても満足に眠れない。思案の末に息子が寝てるベッドの脇の床に寝ることにした。思ったとおりで、やはり落ちてきたがクッションになってどこも打たなかったようだ。息子は私の腹の上でそのまま眠ってしまった。仕方ないので私もそのまま眠った。

 朝食後、直ぐに宿を出た。オーナーご夫婦は車が見えなくなるまで見送ってくださった。また、泊まりますね。さて、車を ART HILLS に向ける。ガラス工芸の施設だ。子供に吹きガラスで何か作らせよう、と思って行ったのだが、予約をしないと無理みたい。仕方ないのでサンドブラストを子供たちが体験する。ガラスコップに貼ってあるシールをカッターで切り取って砂を吹きつけ瑕をつけて模様とする仕組み。料金は1500円でお手ごろであります。子供は真剣にやっていた。息子などはうまくいかないと泣き出したほどだ。ここで土産も買って帰路に着いた。途中わさび農場にも寄ったが私たちには余り面白いところではなかった。わさびのソフトクリームも余り旨いものではなかったし。

 帰りも渋滞箇所があり、寝不足の私にはとてもつらい。途中栄養ドリンクを2本飲み、ようやく自宅までたどり着いた。