潮干狩り IN 鹿嶋 2006/04/30


今朝のカーゴスペースは潮干狩りに向かう割には実に空いている。
それもそのはずで、昨日水風船と化した胴長はベランダで逆さまになって五月の風に揺られ日向ぼっこをしているからである。
そう、昨日決心したことというのは、ジーパンのまま海に入ることである。
この時期、鹿島灘の水温はまだまだ低い。
同時期の木更津あたりのつもりでいると、とんでもないことになる。
覚悟しようが決心しようが水温には変化がないのだが、入水した瞬間の心臓麻痺を防ぐ程度には役立っているのではないだろうか。

車に荷物を積んでいると御近所さんを見かける。
富津へ潮干狩りに出かけるといっていた方だ。
声をかけると、事前混雑情報にたじろぎ鹿島灘に変更するとおっしゃる。
実に賢明だと思う。
「じゃあ、現地でお会いしましょう」と我が家は先に出発する。

干潮の2時間前、予定通りに現地着。
貴重品を防水ウエストバッグに入れ、袋網を腰に巻き、ゴム付軍手に茨城規格熊手を持って海に向かう。
波打ち際は家族連れでにぎわっていて、いたるところ砂が掘り返されている。
袋網やスーパーの買い物袋にはいくつかのハマグリやホッキが入っているようだ。
波打ち際に遊ぶ方達の奇異の視線を感じながら股辺りまで海に入り貝掻きを開始する。
すぐにふたつばかり特大のハマグリを見つけるが後が続かない。
だいぶ場荒れしたようだ。
仕方ないので沖へ向かう。
プロ、セミプロ、ウェットスーツ姿のサーファー、数人の蛤キ印(私はこのカテゴリ)が集う特異点である。
特異点では水深があるので足探りが主流である。
足裏に当たる蛤を波間に素早くつかみ上げる。
ハマグリを見つけるタイミングが悪い時は、片足でしっかり蛤を押さえ、もう片足で体を持っていかれないように踏ん張って波が通り過ぎるのを待つことになる。
岸から特異点を見つけるのは比較的容易だし、そこは随分浅く見える。
しかし、取れそうだからといってずぶずぶと入っていくのは危険極まりない。
特異点と岸の間は相当深くなっていて、おまけに沖へ出払う離岸流が流れていることが多い。
たとえ泳ぎが達者な方でも無理である。
オリンピック自由形金メダリストよりも離岸流のほうが速いのである。
遠回りをして浅瀬を伝っていくのであるが、当然長居もできない。
蛤採りに夢中になっていると浅瀬だったところも深くなり、「♪往きはよいよい、帰りは・・・・無い!」なんてことになりかねない。
干潮前に入り、予め調べておいた干潮時刻には引き上げるのが賢いやり方です。(鹿嶋に来ているのに芝浦の潮位表見たってダメですよ、その場所じゃなければあかんのですよ、絶対に!)
たまに大きいのが混じるけれど5センチ前後の小型が多い。
数は随分採れたのと、息子が飽きているようなので波打ち際に戻ることにする。
今度は息子と最大限引いている波打ち際での正統派潮干狩り。
寄せて返す波が砂を流していくのだが、何かあるところは凸と見える。
凸となっているところを見ていくと特大の蛤の蝶番部だったりする。
ポツリポツリと拾っていく。
さて、あまり採れなかったらしい御近所さんの分も充分採れたし・・・ということで帰路に着いた。