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某Tさんにお誘いを受け、フネ撮影行脚。
晴海を親善訪問していた英艦『ケント』が出航するところを、レインボーブリッジ上から撮ろうというものです。
正しくはレインボーブリッジの歩道部分(レインボープロムナード)ですね。
プロムナードとか言ってもこんなん。
見よこの閉塞感。
そもそもが首都高の迂回路として造られたもののオマケだから、当然といやあ当然なのですが。
今回は休日の朝だからよかったのですが、以前平日の夜に行った時は大変でした。
10トントラックがビュンビュン通過して、橋梁が激震状態。地獄にでも堕ちたのかと思いましたさ。
さて晴海埠頭を見ると、いました。
右が『ケント』で、左がホストシップの『むらさめ』。
23型フリゲートも、むらさめ型護衛艦も、このサイトでは何回も紹介しているので、今更説明の必要はありますまい。
……注意深くご覧の方はお気づきでしょうが、遠くのビルにだけ太陽光が射しています。
当日は「曇りのち雨」の予報だったのですが、良くも悪くもコロコロ変わる光線に苦しめられました。
なんて思っていたら、某TV局のヘリが飛んできましたよ?。
この日は関東圏で合同防災訓練をやっていた(後述)ので、その取材に来たようです。
暗くてフォーカスが出なかったので、サムネイルのみ。
さて、『むらさめ』が曳船に引かれるころには、埠頭のほうにも光が当たってきました。
奥に巡視船もいるけど、よく知らないんだ。
こんどは東京消防庁のシュペルピューマですよ。
くるりと旋回する間に光線変わりすぎだー。
『むらさめ』が橋に近づいてきたので、あわててレンズを望遠から標準に交換。
すんません、実はフォトショップで傾き修正しました。だって欄干の下端にある穴にレンズを突っ込まないと、金網が写り込んでしまうんですもの。
しかし、やはりというか何というか、基準4,000トン超の艦で、主砲が3インチというのは小さい。
OTOメララの76mm砲は軽量小型で連射も素早い優れた砲ですが、200トンのはやぶさ型ミサイル艇にも搭載されている兵装なので、その20倍のフネに載せるには見劣りします。
ああ、あと煙突の合間にあるMk.48 VLSを初めて見ましたが、こりゃまるで卒塔婆立てですな。卒塔婆立て。
とっさに撮ったので金網が写り込んでいるが、寛大な心で許してほしい(・∀・)
……ところで艦橋に怪しい人影が。
……サッカーマン? 正解は1分後(ウソ)
さて、『ケント』も出航の準備が整ったようです。
むらさめ型よりは小ぶりだけど、フリゲートという割に大きいなー、と思っていましたが、エゲレスでは他国が汎用駆逐艦に分類するようなものを"frigate"と称するそうです。
……っと、EC135が舞い戻ってきおった。
軽く機体解説をしておきましょうか。EC135はユーロコプター社製の軽量双発ヘリコプター。
原型となったのはMBBのロングセラー機Bo105ですが、合併前のMBBとアエロスパシアル両方の特徴が出ている機体です。
そうこうしている間に『ケント』が近づいてきたので、再度レンズ交換。
やはりこれまで見ることのできなかった英式VLSもばっちり見えます。
よくみると速射砲のところに水兵がいるのですが……サッカートランクスですよ。
というわけで、先ほどの正解はエゲレス水兵でした。
2隻の艦尾航跡も撮りたいところですが、ここはレインボープロムナード。おいそれと反対側へ行くことはできないのでした。
後を追いかけるようにやってきた海保の巡視艇『はやかぜ』。
と、晴海の余韻に浸る間もなく葛西へ移動。
なぜなら葛西沖にエセックスが展開しているからです。
ワスプ級多目的強襲揚陸艦 LHD-2 エセックス
……まあ、夏場に沖のフネを撮ったらこうなるよね。
この日は終日曇の予報だったのですが、この時間帯はしっかり晴れています。
あまりにも淡いのでコントラストその他の設定をバキバキにした途端、不意打ちを受けたり。
よく知らないけど、試験的に輸入しているカモフ・へリックス系の機体らしいです。
この後もメタメタな写真が続きます。いちおうフォトショで修正してありますが。
防災訓練なので、艦載ヘリやLCACでの被災者搬送訓練が実施されます。
あー、なんかMH-60が着艦するっぽいです。
MH-53。ローターを含めた全長は30メートルほどあるはずですが、なんか豆っぽいです。
遠めでお預けを食らっている我々に、とうとう救いの手が!
多目的揚陸艦の名の通り、ヘリコプターで揚陸する強襲揚陸艦と、上陸用舟艇で揚陸するドック型揚陸艦の能力を兼ねています。
葛西臨海公園の手前にある葛西海浜公園へ、LCACが近づいてきました。
防災訓練のため、海浜公園のほうは関係者以外立入禁止になっておりました。
LCACはいわゆるホバークラフトの形態を取ることで、約50ノットの高速性能と、平らな場所であれば浜辺から地上へ乗り上げることのできる水陸両用性を持っています。
それでいてM1主力戦車を輸送することの可能なペイロードも持ち合わせています。
なんか「自称」平和団体(=左派テロリスト)に言わせれば「高速で海岸へ侵攻し、機関銃で海岸の住民を殺戮する恐ろしい兵器」だそうです。実際は船体を軽くするためアルミで出来ているうえ、ガスタービンの吸気口が船腹にパックリ開いているので、ロケット弾一発で轟沈するであろう脆弱な舟艇です。
あるいは沈まずとも、ゴムスカートやファンが傷つくだけで航行不能になってしまいます。あらかじめ橋頭堡が確保できている海岸でなければ何もできません。
(米軍のLCACに機関銃が搭載されているのは事実ですが、ゲリラ的な襲撃に備えた自衛用で、攻め込みながら撃つような器用な真似はできんでしょ)
とか考えていたところ、砂煙。
被災者役の人々が降りてきます。ヘリで被災者を集め、海岸にキャンプを作る、という想定のようです。
人が降りた後のLCAC。ランプドアのスロープが意外となだらかです。
奥には仮設のキャビンブロックが見えます。戦車などを輸送する際は降ろすと思われます。
ちなみに、海岸公園ごしに見たエセックスはこんな感じ。
揚陸艦は空母と違って人員収容能力も優れているので、災害派遣に適した艦といえます。
ちなみに、海上自衛隊に強襲揚陸艦はありませんが、おおすみ型輸送艦はドック型揚陸艦に近い性格を持ちます。おおすみ型は全通甲板でヘリの離着艦も可能ですが、格納整備や管制ができないので強襲揚陸艦に劣ります。
(このためインドネシアへの災害派遣では、ヘリの扱いにかなり苦労したといいます)
そうこうしているうちに、LCACが再浮上を始めます。
実は連続撮影とかしていたのですが、冷静に考えると使い道がござんせん。アニメGIFとか作るの面倒だし。
LCAC、エセックスへ帰還。
いや本当にやたらと暑い。おつかれさまでした。
(2008年9月6日脱稿)
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