題名を見て「なんだ?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、海上自衛隊厚木航空基地の航空祭です。
厚木基地といえば諸々の報道から米海軍基地を連想される方が多いと思われますが、実際には海上自衛隊と米海軍との共用基地となっています。今回は海上自衛隊側の航空祭になります。
海軍の航空祭も別の日に行なわれるのですが、今年からは住民の反対により飛行展示はおこなわれない様子……。厚木基地は大和市のはずれ(厚木市ではない)、典型的ベッドタウンのすぐ近くにあります。ターボプロップやレシプロならばともかく、アフターバーナーつきの戦闘機が飛んだら、たまったもんじゃありませんわな。確かに。
今の住まいから電車で1時間弱の場所にあるにもかかわらず、久しく行ってませんでした。以前厚木に行ったのは学生のころ。
思い立ったが吉日、ピーカンの航空祭日和となりました。
大和駅から滑走路脇までは歩いて5分程度ですが、そこからゲートまでは20分以上歩いたような……。辿りついたときには午前中の飛行展示が終わろうとしていました。
原型飛行から40年以上を経てなお、第一線級の性能を誇る傑作対潜哨戒機。ロッキード・マーチン P-3C オライオン
大型ターボプロップ機としては高い上昇力を持つ。
滑走路上を巡航速度で通過するデモ。時速600km(320kt)程度とのこと。
P-3Cは112kt〜410ktという幅広い速度で飛行できる。
機首下、ボムベイ(爆弾槽)の開放デモンストレーション。
対潜用の魚雷・爆雷・爆弾などを装備できる。
左は省燃費飛行を目的としたエンジンストールのデモ。
シャッタースピードが速くてわかりにくいが、右端の4番エンジンが停止されている。
右は再起動中の様子。
残念ながら着陸を撮り損ねましたが、かなり機首を下げてアプローチしています。
傑作機UH-1の後継機種として開発された汎用ヘリコプター。高い機動性と、自動操縦による安定性を兼ね備える。シコルスキー UH-60J ブラックホーク
要救助者を捜索するという設定で離陸。
左:要救助者を発見後、旋回。上空近くにて救助要員がラペリング降下。
右:要救助者を確保し、ウインチで引き上げる。
低空でロールしながら直進。機動性と安定性の高さがうかがえる。
エンジンストールを想定した、オートローテーションによる降下デモ。
左:ヘリパッドへアプローチ。 右:着地。地上の要員が駆け寄る。
海上自衛隊の初級練習機。富士 T-5
囲いもほとんどなく、割と自由な状態で展示。
そのせいで、子供がエルロンやエレベータをいじるたび、操縦舵輪が動く。
↑おいおい、いいのか?
有名なビジネスジェット機だが、海上自衛隊では訓練支援機として使用している。リアジェット U-36A
翼端ポッドは、ミサイルシミュレータと燃料タンクを兼ねる。
左(右翼端)が赤外線式、右(左翼端)がレーダー式らしい。
右:わかりづらいかも知れないが、機体がエプロンの端子にアースされている。
航空機は空気摩擦にさらされるため帯電しやすく、除電するための装備が不可欠だ。
先にも紹介したが、海上自衛隊の主力航空機だ。ロッキード・マーチン P-3C オライオン
機体名にちなんでか、垂直尾翼にオリオン座が描かれている。
左:ソノブイ投下口
右:ハープーン対艦ミサイルおよび対潜弾の展示(ダミー弾)
試験評価機、という肩書き。P-3C用の搭載兵装などを試験するための機体らしい。ロッキード・マーチン UP-3C
機首に巨大なピトー管が装備されている。
(写真サイズのせいで小さく見えるが……)
ブラックホークの対潜哨戒バージョン。自衛隊の機体には日本独自のアビオニクスなどが搭載されている。シコルスキー SH-60J シーホーク
左:機首には対潜捜索用のセンサと、母艦とデータリンクするためアンテナが装備されている。
右:傾いたテイルロータは揚力も発生させるため、柔軟な姿勢制御が可能。
艦上運用を前提とするためか、尾輪の機構が汎用型と異なる。
左:側面に取ってつけたような器具はフライトレコーダ。
「拾った方は自衛隊にお知らせ下さい」という注意書きが泣ける。
右:黄色い物体は磁気センサ。潜水艦とクジラを見分けるぞ。
部隊マークの下にあるのは、海面に着色するためのマーカーポッド。
主として救難捜索に用いられる装備。
左:対潜装備用のコンソール。
右:主任務は対潜哨戒だが、海難救助用のウインチも装備されている。
なんとコクピットに座らせてくれたよ!
左:主要なメータは意外とシンプル。
右:左右コクピットの間にある、オートパイロットや計器飛行などの操作パネル。
米軍でいうところのSH-3。長年使われてきた艦上対潜・輸送ヘリだが、老朽化が進み退役しつつある。シコルスキー HSS-2B シーキング
SH-60の前任。これを見ていると『ファイナルカウントダウン』を思い出す……。
体験搭乗は結構な人気。SH-60よりも。なぜ?
おなじみ、日本唯一の国産旅客機。日本航空機製造 YS-11M
これも体験搭乗に人が殺到。『プロジェクトX』の影響?
元々はターボプロップのビジネス機。レイセオン・ビーチ LC-90 キングエア
3mの高波でも離着水できる傑作対潜飛行艇PS-1をもとに創られた、救難飛行艇。新明和 US-1A
観客と比較すると、その巨大さがよくわかるだろう。
高波を打ち消すため、船首形状が二重になっている。
噂はともかく、札入れ・Tシャツ・硫黄島絵ハガキなどを購入。
ホットドッグは何本食べたか憶えてないや。(問題)
戦闘機が飛びまわる航空祭ほどではありませんが、けっこうな数の親子連れなどが見えてました。
近くの市街では地元イベント「大和まつり」がおこなわれており、それにぶつけた日程のようでした。
撮影に関しては反省も多かったですね。
腕の問題もありますが、機材の問題もあります。光学ズームつきのカメラが欲しいなあ。
7月には米軍側の航空祭も開かれますが、飛行展示がなくなるそうで残念。
せめてロック岩崎氏には飛んでいただきたいのですが、どうなることでしょう。