平成9年7月の日記

- diary: July 1997 -


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 8月4日付:下文のフォロー。

 なぜエヴァを観ていて、カミュを読みたくなったか?
 それは、「人類補完計画」を見ていて、『異邦人』のラストに出てくる神父のことを連想したからだ。

 『異邦人』という小説は、主人公ムルソーが知人のいざこざから殺人犯になってしまい、死刑判決が下る物語だ。その辺の枝葉末説が気になる方は、ご自分でお読みいただきたい(新潮文庫刊)。
 物語は死刑執行の前夜で幕を閉じるのだが、そのときひとりの神父が慰問に来る。そして「あなたのために祈りましょう」と言う。だが、ムルソーはその言葉に隠された嘘を見抜く。
 その嘘というのはさりげなく、ついた本人すら気付かない。いまだから思うが、おそらく西洋的思想を持つ人間にとっては、それが嘘であるということ自体信じられないだろう。
 でもムルソーはそのさりげない、しかしエゴイズムに満ちた嘘を、看破した。神父は涙を流して立ち去る。

 ふと思った。『新世紀エヴァンゲリオン』に描かれた「人類補完計画」とは、人類をひとつの巨大な「嘘のかたまり」にすることではなかったのか? 無数の小さな嘘と真実とにおびえ、結果ひとつの「絶対的な嘘」にすがったのではないか?
 そう思うのである。だから罪にまみれた碇シンジを目撃しても、彼同様に補完を拒否したい。


7月30日

 "The end of evangelion"を観た。

 余計なことを言っても仕方がない。
 思ったとおり、綾波は語り部であり、シンジはなによりも自分自身を選んだ。
 そして今、以前から抱いていた「アルジェリアの太陽を見たい」という欲求が膨らむばかりだ。

 悪い。いま無性にカミュの小説を読み漁りたいんだ。『エヴァ』を観て、余計にそう思った。

 ちなみに下に書いた考察ってのは、できそうにない。もし期待した人がいたら、ごめん。


7月23日

 突然、思ってしまった。

 もしかすると、『新世紀エヴァンゲリオン』とは、「頭の良い野比のび太が引き起こす悲劇」ではないのか?
 ……笑うな! まじめに考察しようと思っているんだから。しばし待たれよ。


 同人の原稿、終わんないよー。書いているうちに場面の切り替えかたが某漫画に似てきている。文書なのに。


 『虹色の青春』終わった。

 個人的には非常に楽しかったのだが、典型的コテコテのラブコメなので、その辺の「恥ずかしさ」を「楽しさ」と感じられなければどうしようもない、という問題もある。
 が、そんな人はそもそもこのソフトを買ってはいまい。このソフトで泣きを見るのは「小島組」というネームバリューに振り回されて買った人間だけだろう。って、そんな不幸なヤツはいるのだろうか?


7月22日

 『風のリグレット』、最大の懸念は回避された。業界への恨み節云々というやつは、さいわいなかった。

 が、結局このソフトは、筆者にとって楽しめる者ではなかった。
 その理由は、コンセプトがどうとか、演技がこうとかいうものではない。

 主人公・博司の台詞を聞いていると、耐え難い怒りをおぼえるから、だ。

 おおざっぱな選択肢には現れないちょっとした言動が、いちいち違和感を与え続けた。
 俺だったら溶岩に叩き落とされても、そんなこと言わんぞ!(誇張アリ)と思うことを、サラッと言うんだもの。

 あいつが自分の言動の因果を考えでもしたら「悩んだようだけれど、ま、これも経験だ。」なんて言ってやろうとも思うが。
 エンディング間近で言い訳じみた独白をしているぐらいだったら、泉水の実家を訪ねなかった自分を反省しろ! 引き返したのは自分に自信がなかったからだろうがッ!

 『E0』でもそうだったが、どうしてここまで自己認識の甘いシナリオを書くのさ?
 「これもひとつの運命だ。」では、単なる思考停止である。
 「SCEとは別れたけど、これもひとつの運命だ。」なんて言ってみろ。呪うぞ。

 見たエンディングはひとつだけれど、この調子じゃ、他も先が見えた。
 『風のリグレット』とは、これでお別れ。やっぱりワープは、SCEとヨリを戻すまで一皮むけないのだろうか?


7月21日

 殺伐期間も、もうすぐ終わるかな? 終わらないかな?

 『風のリグレット』プレイ中。ただし、ゆっくりと。
 DISK2の後半で、「いいかお前ら、ここで悩め!」的な意図がミエミエの展開をしてくれるから、続ける意志がゆらいでいる。坂元裕二殿、あなたはあかほりさとるか? サンプルを聞いたときの嫌な予感が的中しつつある。

 これ以上、嫌な予感が的中しなければよいのだが。もちろん、この場合の嫌な予感とは、「この企画を認めなかった業界各筋に対する恨みの念」のことである。ただし、その片鱗はすでに見え始めている……。

 最後までやってないのにこんなこと書くのはなんだけどさ。
 ま、日記ってことで、許してくれい。


 途端に『メタルブラック』をやりたくなり、サターン版を起動。クリアできん(コンティニューは使い切っていないが)。

 アーケード版発売当時、その凄絶な世界観に焦ったが、今思えば『エヴァ』の世界観はこれのパクリではないのか? とも思える。
 MAXビーム=A.T.フィールドとか、生物とも機械ともつかない敵とかもあるが、それ以上の部分でも、大きな影響があるのではないかと思う。気になる人は自分でやるべし。

 もっとも、庵野監督が『メタルブラック』をやったという話は聞かないのだが、『逆襲のシャア』の仕事でつながっていた可能性はある。


 『虹色の青春』のフリーキック、「なるようになれ」と思ってやったら、途端に調子が良くなった。
 なんだかなあ。

 話の雰囲気がだんだん良くなってきたので、ここいらでセーブ。


7月18日

 ああ、辛い。非常に殺伐とした気分だ。

 13日にアップしたサターンオタク批判。間違ったことを書いたとは思っていないんだけれど、あれを書いたためにずいぶんと心が沈んだ。他人の殺伐たるを責めるは、また自らの殺伐たるを認めるに他ならぬ故。

 正直なところを書くと、筆者には今ゲームを素直に楽しめないという状況があって、で、その一方でゲームを楽しむよりも『サターン』という神を崇めて盲信する(正しくは、盲信したがっている)オタクたちがいるという状況に、とても腹が立つわけです。うう。
 お願いだ。人のうわさや流言だけで、ソフトを持ち上げたり、けなしたりしないでくれ。『リアルサウンド』はその両方で満ちあふれていて、かなり嫌な状況にある。
 筆者自身が『リアルサウンド』をプレイするときは、こんな現況を忘れたいと思うが、あいにく筆者は神様ではない。

 俺なんか以上に、ゲームを創っている人たちは苦しむぞ。「俺達の仕事はなんだ? ゲームが面白くなる努力をするよりも、ネットにサクラ情報を書き込んだ方がいいのか?」ってね。


 いつの間にやら500カウント超えているじゃありませんか。みなさんありがとう。
 でも、お礼のネタがない。うう。


 今、ゲームは『虹色の青春』をゆっくりとやっている。ストーリーを味わっているときには非常に楽しいのだけれど、部活のシーンでフリーキックが外れると、異常にイライラする。
 これは筆者の運動神経コンプレックスのせいか、それとも、筆者が抱く中途半端な完璧主義のせいか? うう。


7月7日

 今日は七夕。晴れてよかったね。都心じゃ星なぞ見えぬがな。


 それはともかく、プレステ故障記、完結編。

 本体が壊れてしまった。いまさらメーカー修理など、金も時間ももったいない
 ガンコンがあやしいが、とりあえず本体を調べる。
 パッド・メモリカード用のDC3.5V電源が出力されていない。メインボードのコイルが焼き切れていた。かわりに、その辺に転がっていたコイルをつける。あぶないなあ、俺。

 こうして本体は修理できたが、その原因として考えられるのは、ガンコンによる電源ショートだ。
 が、ガンコンの基板に異常はない。では、ケーブルの絶縁不良か?
 思い切ってケーブルのプラグをカッターで裂く。うう、カッコわりい。だが、プラグの中も見たかったから、いいか。
 見ると電源とGNDの被覆に傷がつき、ショートしていた。ビニールテープを巻き付けて、修理完了。

! 注意:
 みんなはゲーム機のふたを開けちゃいけない! 保証か効かなくなって、修理代を取られてしまうぞ! (by大文字さとる)


7月6日

 プレステぶっ壊れた!?

 昨日、おくればせながら『タイムクライシス+ガンコン』を購入し、プレイしていたところ、なんか調子がおかしくなり、ガンコンやパッド・メモリカードなどを認識しない場合があり、最後にはまったく認識しなくなってしまった。
 ガンコンのせいか、はたまた偶然本体が壊れたか? なにしろ本体は、発売日に買った年期入り。

 どのみちPSはしばらくお預け。ふう。


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