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ゲート自体は撮影禁止なので、こんなところで。
ニイタカヤマノボレ一二〇八、トラトラトラ……から66年経った、この12月8日にわざわざイベントを開くあたりにアメリカ海軍の凄まじさの一端を感じます。
フレンチフライをフリーダムフライと読んだようなワシントンDCのお歴々とは大違いですな(謎)。
タイトルどおり電燈艦飾が主体のイベントなのですが、昼間は甲板公開もされているため開門時に並んでみました。
11時に正面ゲートに並び、12時に開門。例によって手荷物検査があるわけですが、さいわい私の前に並んでいる方々は手馴れているもので、すんなり入れました。
(並んでいる時には平気な顔で歩道を塞いでいる人々も多かったので、けっこう不安だったわけですが)
アメリカ海軍にただ一隻残された、通常動力型航空母艦。同型艦はすべて退役済みで、このキティホークも来年には退役してしまいます。
これまでキティを見る機会を逸したので、最後の最後で間に合った、といったところです。
当たり前といえば当たり前なんですが、一時期は空母艦首の象徴であったブライドル・リトリーバーはすでに廃止されていますな。
艦首から垂れ下がっているのは、今日のための電飾。
これまで何度か写真を紹介している、デッキクルー訓練用のF-14(残骸)。
ようやく母艦とのツーショットを撮れました……今でも使っているのかな。
キティホーク級は「改フォレスタル級」とも呼ばれるとおり、フォレスタル級スーパーキャリアーのマイナーチェンジであり、飛行甲板を効率的に使うためレイアウトが多少変更されています。
その最たるものが、エレベータの配置。エレベータをアイランド(空母上部構造物)の手前に2基、後ろに1基配し、艦載機を格納庫から艦首カタパルトへ導きやすくしています。このためフォレスタル級に比べ、アイランドの位置がだいぶ後ろに偏っています。
また今回は撮影できませんでしたが、左舷側のエレベータもアングルドデッキの前部から後部へ移動し、着艦や駐機の効率を高めています。
さて、それでは飛行甲板上へ。これがアイランド全景。
かなり大きな構造物のはずですが、離着艦の邪魔とならないよう、広大な甲板の上ではポツンと浮かぶ孤島のようであるためアイランドと呼ばれます。
特に前の写真と合わせて見てもらうとわかりますが、前後に細長い基部から艦橋や管制所が張り出すという特徴的なつくりをしています。
ちなみに写真ではよく分かりませんが、上構のど真ん中を煙突が突き抜けるという構造をしています。JFKだと排煙口が斜めになっているから分かりやすいんですが。
アイランドの甲板側壁面にあるエンブレムには、艦名の由来である、ライト・フライヤーが飛んだ「キティホークの丘」が図案化されています。
艦番がCVA63となっていますが、これは当時の米主力空母が「攻撃空母」とされ、対潜装備を重視した「対潜空母」と区別されていたことの名残です。
現在の米空母は、対空・対地・対艦・対潜いずれの任務もこなします。
壁紙風にとってみましたが、アイコンの配置とかは特に意識していません。
逆光は勝利か敗北か。
艦首甲板の「63」。
アングルドデッキ上の3番カタパルトは整備中。こうやってバラしている時に公開するってのもすごいなあ。
艦のごく一部を見ても、巨艦の維持がいかに大変であるか想像されます。
アングルドデッキ全域が立ち入り禁止だったので、フレネルレンズ着艦システムを見られなかったのは残念。
こちらは艦首左舷の2番カタパルト。
同カタパルト・シャトル。ここに艦載機前脚のローンチバーを引っ掛けて射出します。十数トンの機体を打ち出すにしては小さく見えます。
蒸気と海しぶきに四六時中曝されているためか、かなり錆びています。
右に見える黒いのは、ラバー製と思われるレールカバー。
一方、着艦に用いるアレスティングワイヤー……は危ないので外してありましたが、ワイヤーの制動に用いるアレスティングギアと、ワイヤーによる甲板の磨耗痕。
45歳の老齢艦にしては磨耗が少ない気がしますが……って、何度も補修をしているんでしょうなあ。
キャットウォークの向こうに見えるのは、ファランクスに替わる新型CIWS……であるはずのRAMを収めたMk.41発射装置。(同名のVLSとは関係ない……はず)
しかし米空母では従来型の防空装備であるファランクスやシースパローとの併載になっており、またアーレイ・バーク級駆逐艦ではCIWS自体が廃止の傾向にあります。
ドイツや韓国では小型艦艇に装備されている一方、海上自衛隊のあぶくま型DEでは搭載予定が事実上白紙撤回となるなど、今ひとつパッとしない状況です。
こ、これは……新発見の甲板上スーパー装備。
いやまあ、甲板の修理作業者をおいそれと艦内に入れるわけにもいかないんでしょうけれど。
甲板上から、乾ドックに入っている駆逐艦が見えました。
アーレイ・バーク級のフライトIですが、同型の「ジョン・S・マッケイン」と「フィッツジェラルド」は桟橋にいたので、こちらは「カーティス・ウィルバー」と思われます。
EA-6Bプラウラー用の、J52-ナントカ型ターボジェットエンジン。
最近は軍用機でもターボファンが多いので、飛び抜けて騒音の大きなエンジンとなってしまいましたとさ。
ちなみに写真下に写っているのは、レンズ自体が落としたストロボの影。こんなときにはリングストロボが欲しくなりますな(´・ω・`)
レガシーホーネット用のF404ターボファン。
F100やF110といった大型戦闘機用のエンジンを見慣れると、ちょっと小ぢんまりして見えます。
レガホがノースロップ軽戦闘機最後の末裔と痛感するわけですが、グリペンはこれが単発だけなんだよなあ。
万国旗。左手、日米の旗の下では、人だかりでよく見えませんがグッズ販売。
奥に見えるのは米海軍旗。
奥に行って武装展示。
JDAM。INS/GPS誘導爆弾。
最初に見たとき増槽かと思ったのは、ここだけの秘密です。
AGM-154 JSOW。INS/GPS誘導式の、滑空型ディスペンサー爆弾。
推力はありませんが滑空能力と誘導能力があるためか、AGM-154という「空対地ミサイル」の番号が与えられています。
おなじみM61A1バルカン。限られた機内に収めるため、思ったよりは銃身が短め。
降りたところでこれ。空いた腹に、ソーセージの焼ける匂いはがまんならん。ええ、食べましたさ。
はい、タイコンデロガ級も近くで見るのは初めてです。
桟橋に色々置いてあって、うまく全景を撮れなかったけれど、まあごかんべんを。
アメリカの空母機動艦隊は、1隻の空母を2隻のタイコンデロガ級と4隻のアーレイ・バーク級で護るのが基本だそうですが、タイコンデロガ級にはミサイル防衛という新たな任務が追加されつつあります。
このゴチャつき感がたまらん。
タイコンデロガ級の頃は、まだイージスシステムの効率的な搭載方法が確立していなかったためか、なかなかカオスな構造をしております。
タイコンデロガ級の各艦名はアメリカ国内の古戦場にちなんでいるわけですが、カウペンスは米独立戦争時の「カウペンスの戦い」にちなんでいます。
それにひっかけてか……うーむ。
残念ながらこちらは艦首甲板のみの公開。
キティホークの甲板もそうでしたが、カウペンスの艦橋外壁も修理中でありましたとさ。
よく見ると艦橋前には、牛の角が飾られています。
隣には、既にミサイル防衛能力が実装されていることで知られている「シャイロー」が係留されていましたが、甲板公開も電飾もありませんでした。
ざんねん。
うーん、キティもそうでしたが、アンカーが金色ですねぃ。
これまでの艦色塗装では何か不都合があったんでしょうか。
ゴールデンアンカーは、再志願水兵が多かった艦の証だそうで。
さらに奥にはアーレイ・バーク級の「ジョン・S・マッケイン」と、海自からも「むらさめ」が公開されていたのですが、体調もイマイチだったので乗艦を断念。
戻って休もうとすると、かなり陽が傾いております。1世紀以上の歴史を持ちながら現役という第1乾ドックを撮影。
キティのシースパローとファランクスを撮り忘れたのを思い出して戻ると、既に電燈艦飾が始まりかけておりましたとさ。
(2007年12月9日脱稿)
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