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CLICK & DEAD NETWAY SWEEPERS

 失礼ながら、まさか実現するとは思っていなかった『メタルギアソリッド』ラジオドラマ化。
 今回はちと横道にそれて、その下敷きになったと言われる『クリック&デッド』について。


 『クリック&デッド』は、サム・ライミの映画とは無関係。
 昨年(1997年)コナミによって制作され、文化放送系にて放送されたラジオドラマである。

 コナミのラジオドラマといえば『ツインビーパラダイス』に代表される、ゲームとのメディアミックスが連想される。
 しかしこの"CnD"は設定上完全に独立したラジオドラマであり、ドラマを収録したCDの発売以外には一切のメディアミックスが行なわれていない。ゲーム会社が制作するラジオドラマとしては、きわめて異例だ。
#殊に、他社とのメディアミックスを乱発する現在のコナミにおいては。


 あらすじはこうだ。
 巨大通信事業社"IT&T"が世界を席巻し、過度の情報化に混乱する日本。法の力が及ばない重大ネット犯罪に対し、政府は非合法な特殊犯罪捜査機関"CAD"を設立した。
 "CAD"のエージェント……早紀と燐は、ネットウェイに潜むターゲットを「消去」すべく行動する。

 制作体系だけでなく、内容も他のコナミラジオドラマに比してドライだ。
 人間の死は、あくまで通信線の向こうでの出来事と言わんばかりに、淡々と描写される。悲しむべき場面であっても、それは感情を隠す仮面の奥に押し込まれてしまう。
 シリアスシーンに挟まれる笑いも、早紀と燐の皮肉めいたセリフがもたらす、乾いたものだ。ちなみに「その手の小説」のパロディが作中随所に含まれているらしいのだが、私が「その手の小説」をロクに読んでいないため、その辺は割愛させていただく。


 配役の重複も、『メタルギアソリッド』ファンをニヤリとさせるものがある。

 現場で活躍する早紀(声:金月真美)や、事件の周辺で報道取材をしている朝比奈レポーター(朝日奈にあらず・声:鉄炮塚葉子)らはともかくとして。
 早紀に無線で指示を出す燐(声:桑島法子)や、上司であるCP(声:青野武)というキャスティングには、『ソリッド』と"CnD"との関係を疑わずにいられない。
 他にもゲストキャラクター(大概悪役)として、銀河万丈、曽我部和恭、田中秀幸らと言った面々が連なる。

 『ソリッド』とは重複しないが、菊池志穂や氷上恭子といった最近の女性声優から、小杉十郎太や中江真司といった渋め声優まで出演しているので、広い範囲で声優ファンにもおすすめしたい。


 製作スタッフもおおよそ重複しているものと考えられる。『ソリッド』ラジオドラマを聞いて気に入った方には、この"CnD"もおすすめしたい。

 現在、インターネットラジオ"db-FM"にて試聴可。

 本編各巻税込2,854円、サウンドトラックは税込3,059円。


※文中敬称略

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