なんつーかアレですよ。
『∀ガンダム』の最終回をオアズケされている間、(俺を含め)好きな連中は悶々としていたわけですよ。
んで「最終回はこうに違いない!」などのバカ話をしてしまうわけで。
それらを勝手に切り貼りして、無茶な記録にとどめておくことにいたしましょう。
言
っ
て
お
き
ま
す
が
、
や
は
り
こ
れ
を
読
む
前
に
本
物
の
最
終
回
を
観
て
お
い
た
方
が
い
い
と
お
も
い
ま
す
よ
。
グラン=ガランソレイユは、裏切り者グエン・ラインフォードを乗せた戦艦ウィルゲムと会敵した。が……。
「ディアナ様、ご覧ください。我々の攻撃を受ける前から、ウィルゲムは被弾しています」
「さきほどの火線――おそらくギンガナムに見放されたのでしょう。無線で呼びなさい」
「ウィルゲム、応答しました。繋ぎます」
「グエン閣下、これでお分かりでしょう。ギム・ギンガナムがいかなる男であったかを」
『くっ……』
「投降なさい。今ならばあなたの罪も許されましょう」
『ローラを寝取った女の元へなど……ッ!』
『御曹司、いい加減にして頂きたい!』
『ミハエル大佐、裏切るのか!?』
『あんたみたいな趣味の男と一緒にいられるか!』
『なんだと!』
『近寄るなコノヤロウ』
ディアナ・ソレルの目尻がひくついて見えたのは、けっして錯覚ではない。
「……全艦、ウィルゲムへ一斉射撃」
「よ、よろしいのですかディアナ様!? あの船にはウィル・ゲイムさんとの想い出が……」
「余計な詮索はよろしい!」
「し、失礼いたしました! 全艦メガ粒子砲発射用意、目標ウィルゲム!!」
「撃ェ!」
幾条ものビームに焼かれるウィルゲム。そしてグエン・ラインフォードも。
『ロォォォラァァァァ!』
「さようなら、ウィル……」
続いて、涙がディアナの頬へ流れ落ちたこともまた事実。
危機一髪のところでウィルゲムから離艦する複葉機。
「つきあってらんねえ。まったく領主のボンボンってのは理解できんよ」
「まったくであります……大佐、前、まえ!」
「なにが……うわあああっ!」
彼らをかすめる一条の火線。だが直撃でなくとも、片翼をもぎ取るには充分だった。
「おーたーすーけーっ!」
墜落した複葉機と木々の間から、それでも大佐たちは顔を出す。
「げへっ、げへっ……まったく、あんなバケモノをあやつれると思うなんて、傲慢な御曹司だよ」
「同感であります」
視線の先には、ターンXがいた。
「絶好調である!」それを操れると増長する意味ではグエンの上を行く男、ギム・ギンガナム。
「うわわーっ。僕、見せ場がないままやられちゃうの?」対峙するターンAの中で、主人公らしからぬ声を出すロラン・セアック。
「貴様はおとなしく私の斬られ役となるのだ、ローラ!」
「ローラって呼ぶな!」
「ん? グエンは貴様のことをローラと呼んでいたぞ」
「グエンって言うな!」
「ほほう、その様子だと余程グエンに可愛がられたとみえる」
そのとき近づく、もう一機のモビルスーツ。
「あははははー、わたしも遊ばせておくれよー」
「来るなメリーベル! 貴様もウガンダ・トラみたいになりたいか!」
「なんだって? このわたしとやる気かい!」
自らのアドレナリンに対して忠実なふたりは、いとも簡単に仲間割れをおこす。
「えーっ、それじゃ僕の出番は? ますます目立たないよー。
誰か注目してくださいよ、同人誌のネタでもいいですから。
ロラン×グエンでもいいんです。あ、でもグエン×ローラは禁止」
「メリーベル!! お前はブルマでもはいていろ!」
「きーっ! ギンガナムこそ木に登ってバナナ食べてろ!」
ロランを無視した意味不明・利点皆無の戦闘は、それこそ暴力バカを象徴するに相応しかった。
したがって接近するソレイユとホエールズに気付くものもいない。
『ロラン、聞こえますか?』
「ディアナ様! 僕、ディアナ×ロラン本でもいいですよ」
『何をトンチキなこと言ってるんです? 今からあの二体に艦砲射撃をくわえます。さっさと待避なさい』
「それじゃ僕の出番は?」
『カントクが言っていたでしょう、狂言回しって』
「そんなのイヤだー!」
『えっ、待ちなさいロラン!』
ここで引き下がったら、僕は一生キエルお嬢様の運転手だ。ロランは胸の内でつぶやく。
「ホワイトドール・ミサイル!」
ターンAガンダムは、もつれ合う二機に向かって突進する。
「な、なんだぁ?」
この勢いでぶつかったら、三機ともただでは済むまい。が。
「脱出!」
すんでのところでキンタマコアファイターが離脱する。そして三機は衝突し……
「うわわーっ!!!!」
目も開けられぬほどの光を放ち、それらは忽然と消えた。
呆然とするロランを、ハリー大尉のスモーが回収する。
「あの……モビルスーツたちはどうなったと思います?」
「さあな。ひょっとしたらどこかのマウンテンサイクルに飛んで、新たな『ホワイトドールの石像』になるのかもな」
* * *
時は流れて。
女王ディアナ・ソレルは、乱れた月の政情をおさめるため、月へ帰還する準備を始めた。
「私もお供させてください。地球と月とが良い関係を築くため、私は月のことを良く知りたいのです」
ディアナはキエルの申し出を快諾した。
「ロラン、あなたも私たちと月へ向かうのでしょう? なにしろあなたは私の運転手なのですから」
「とほほー」
ディアナ・キエル・ロラン・そして親衛隊と多くの従者を乗せ、ソレイユは発進する。
それを涙ながらに見送るソシエ・ハイム。彼女の腕には、ギャバンの遺影が握られていた……。
「当らずとも遠からず」というよりは「当れども通し」てな感じですな。(意味不明)
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