南加賀商工ネット 過去の開催概要

 南加賀商工ネットワークは、南加賀地域の商工業者の異業種交流の場です。どの業者もそれぞれ自分なりの技術、営業活動での知恵を出し て頑張っています。またいずれは商工業者にかかわる仕事をしている方たちとの交流の場にもと考えています。広く会内外の業者に参加をしてもらっています。
 ネットワークはそうした努力から学びあい、自己の経営へのヒント、意欲を生み出す場です。

開催日時 報告者 概要
 第1回

 2月26日
プレス加工
 
加賀市 
宮田保廣さ

 1回目は加賀市で小規模業者では少ない500トンプレスを思い切って導入した宮田製作所・宮田保廣さんが報告。
 宮田さんからは最近の業況、先代、
2代目と続いている同事業所の経過、同社の売り≠竄アれから考えていることなどが紹介されました。

 参加者からは、5S運動の必要性は?、なぜプレス業者が減ったのか、小松製作所のプレス加工の実情や、扱っている鉄についての用途のさまざまな活用、発掘の展望、かなり絞り込まれている単価のもとでの利益の源泉は?などの意見が出されました。
 
ネットワークには毎月開催への期待が寄せられ、次回は3月下旬に、別の業種の方で開催予定です。

第2回
412
九谷焼 絵付け業

能美市
大西昭俊さん

《日常生活にとけこむ九谷焼づくりへ》 

 東京時代のデザイン業、石川に帰ってきてからの今は人間国宝になっている作家たちとのデザイン開発協同組合、そして現在の絵付けに。
 大西さんはじめ当日参加の九谷焼関連業者の思いは、高くて飾り物的な
感じの九谷焼から、地元であるいは日常
の暮らしの中で使ってもらえるそこそこの値ごろ感のものづくり、関連業者が生活していける工賃です。
 他業種からは消費者としての立場(建築業)、同じくものづくりをする鉄工業者からもっ率直な意見、提案が行われました





第3回
6月18日




清掃用品製造販売

小松市
去O恵開発
木下義人社長

《原糸をやわらかくし網の目状に、それが電子を持ち使い勝手の良い ほこり吸い取り器に》

 商社の依頼で先代社長が開発した解繊機は、糸の1本々々を静電気を内包するやわらかい網の目状の糸に変える。それがあらゆるほこりを協力に吸い取ります。
 問屋に納入してきているが、競合商品や品質の異なる低価格商品もでまわってくるなか出荷数が減少。

 いま木下社長は問屋が参入できていない分野での販路開拓を模索しています。ターゲットは、さまざまな業界で、事業者が自社の製品やサービスにセットして贈答品として扱ってもらえないかの提案型営業です。
 例会ではすでに同種の物を使っている参加者もおり、さまざまな意見、提案が飛び交いました。

優れもの≠セという点を前面に

 同種の商品と比べた良さをもっと前面に打ち出す必要があるのではというのが共通した意見。木下社長も納得。

エコ商品としての押出しができる商品

 他のデイスカウント店の商品と違い水洗いができ、機能は一定期間維持できる点、目には見えないけど以外に多い室内、工場内のほこりを取るなどの点では、エコ¥、品として押し出していけるのではないか、その点では公的な試験施設の活用や、消費者団体での評判をかちとるなどのアプローチも考えられるのではなどの意見も出されました。
 不動産業者からは、契約したときに入居者にサービスとして部屋をきれいに使ってもらう意味で渡せる、洗剤とのセットなどしてもらうと購入したい、中国、韓国の家庭ではこんな用具つかっていない、狙いどころではないかといった意見もだされました。

第4回
6月14日
非破壊検査業

小松市
阿戸 孝博さん

《私の仕事は鉄の医者=t

 報告者は製品を破壊せずに内部・外部の傷を見つけ合否を判定(非破壊検査)し、鉄に精通し鉄にあった加工技術も提案・指導してあげることを自社の売り≠ノしている小松北支部の阿戸孝博さん。熱心に話を聞き質問を出合いました。
 16歳からこの世界に入り、2004年から検査業に。検査の世界では単一分野の技術者はいるが、阿戸さんのように多方面他分野にわたって技術的なアドバイスもしていける人はきわめて貴重な存在。今後仕事先は広がっていくようです。
 若い中国人にも技術を教え資格を持たせています。彼らには日本の若者には少なくなっている意欲があると。中国などアジアの製造品は安価だけど品質の安定さにかけることや、大手企業と中小企業の技術力蓄積の姿勢の実際(中小企業の社員のほうが意欲的)、日本のものづくりの基盤技術の衰退についての意見も仕事を通じているので説得的です。

 「課題は後継者づくり」ですが、これについても自分なりに見通しを持っていることがうかがえました


第5回
8月27日
建築・リフォーム業

小松市
アート工業
杉山 忠夫さん


連鎖倒産からの再出発は 奥さんの一言
「絶対屋っていけるから大丈夫」
直接個人・小さな工事をターゲットに 職人の営業
開拓した顧客 現在4,500軒
 

 8月27日夜の第5回商工ネットワークは、縮みの時代の事業活動にヒント=`報告者は小松南支部の建築・リォーム業のアート工業の杉山忠夫さん。 
 連鎖倒産して静岡から石川に。ターゲットも公共工事など大きなものから個人、小さな工事に。毎日目標を持って「とにかく個別に訪問を繰り返し広げてい」きました。落ち込んでいた杉山さんを奮起させたのは奥さんの「お父さん絶対やっていける」の一言。

 「よそ者がよく仕事が取れたね」の問いには、当時はほとんどの業者が得意先からの受注で自分では仕事の開拓をしていなかったこと、住宅会社の営業と違って「職人としての営業」を心がけ、安心と信頼感をあたえたことなどがその答え。「リフォームの営業のさきがけ」「営業力やノウハウを差別化したことが頑張れた要因」とは竹味能成先生(金沢学院大学)。初めて参加した若手のFさん夫婦は、杉山さんのゼロからの頑張りに「本当に良くやったものと」感心。

第6回
10月2日

各種砥石販売
小松市
北地政雄 
さん


製造業ささえる工具〜研削、研磨、ダイヤモンド砥石販売
人とのつながり、出会いを大事に。それが商売のひろがりつくる
「ユーザーの要望断らない」「部品加工へ領域拡大」

 人とのつながり、出会いを大事にしたい。それが私の商売をささえ、領域を広げていっている=`北地政雄さんの経営哲学、人生観だということが話の中でよくわかります。  
 
 
名古屋の砥石メーカーでの3年間の勤務後、小松で事業開始。旺盛な営業活動をおこない、ユーザーからのどんな要望(たとえばこんな部品加工できるところ知らんかなど)にも懸命に応えてきました。

 砥石から刃物に工具のウエイトが移るのも見越して10年前から工業用ダイヤモンド砥石の扱いを先駆的に行い、総合的な砥石販売では北陸で知られた存在になりました。
 問題意識も旺盛。その解決には自ら培った人的交流ネットワークでの人たちに「技術的な面で大いにお世話になった」と言われます。最大のものはダイヤモンド砥石フィルムをシリコンゴムの土台に焼き付けることに成功したこと。鳥、熊やイノシシの撃退のための製品開発にも大いに関心を寄せます。
 
1年前からは自ら外注をもち機械加工を行い、全体の4割にもウエイトを高めています。
 自らの技術を閉じ込めるのではなく、オープンにすることがさらにレベルアップにつながると言い、県や市の研修の講師も行い、地域のボランテイア活動にも旺盛です。

第7回
11月21日

西鉄工所
能美市
西武夫さん

第7回南加賀商工ネットワーク 工場見ながら開催
「一次並みの設備と研究が得意先の信頼を得る」

第8回

1220

助言者 竹味能成 金沢学院大学教授

《講演》
「これからの経済、ネットワーク」

その後忘年懇親会

1220日(土)夜、14名が参加して第8回南加賀商工ネットワーク例会を開催。ここでは昨年2月のスタート後、7人の業者から「私の事業」を報告してもらい、交流してきました。
 今回の例会では、毎回参加し助言いただいた金沢学院大学の竹味能成教授に「これからの景
気、商工ネットワーク」と題する講演に聞き入りました。
 先生は、米国のプライムローン破綻が世界に広げた深刻な経済危機は、輸出に過度に依存してきた日本の
経済も非常に深刻にしていること、この事態は2、3年続くと言われていること、大手企業だけへの依存から脱却し、国内で、地域で需要をつくりだす努力を、中小業者のさまざまな形連携で進めていくことが必要だと強調。そしてこの南加賀商工ネットワークを「安心して仕事を頼める」グループとして発信していくことが次のステージでは?と提案しました。
 ネットワーク担当の杉山忠夫副会長は、「引き続きこの交流を広げると共に、全会員に知らせて竹味教授提案の「共同受注(事業)ネットワークづくりを行いたい」と語っています。

第9回
09年
3月7日
漆器製造 
小松市
「ヤマセ」 代表

 橋本清志郎 さん

毎年 百数十のデザイン企画を提案
どん底から 製造が追いつかないまでに

 3月7日に開催した第9回商工ネットワークは、漆器製造業の「ヤマセ」経営者の橋本清志郎さんを工場(小松市小島町)にお尋ねしました。

7年前がどん底〜自己破産

 百円均一店向け漆器を仲間とのグループで受注。年間数百万個の製造で動くお金も半端ではない日々が続いて、ある日突然「明日からしばらくいらない」で、受注ゼロに。そして300年続いた家・土地などを手放すことに。

研究熱心、企画提案力 従業員との2人3脚で

 「この娘(こ)のおかげ」と橋本さん。一度は死のうとまで思ったが江町さんという女性スタッフが橋本さん夫婦を力強く励まし再起へ。以来、コンビで年間百数十ものデザイン企画を提案。問屋からも「こんなものできないか」の相談にも絶対断らず研究し請けてきています。希望する線、色をどう出すかで会津にいき、神戸にも行きました。

09年
1月9日
助言者 竹味能成 金沢学院大学教授の講演
いしかわ自治体問題研究所・第2回世話人会で報告されたものを掲載させてもらいました
「南加賀商工ネットワークの到達点と課題」