キャスト
巷の噂は、あまり芳しくなかったこの作品…多くを期待しないで見に行きました。 私としては、かなり面白かったというのが、一言感想。 場面が移り変わるのも、舞台装置がシンプルなのも良かったし、ストーリーに無理は感じなかったし、俳優さんは素晴らしかったし、で、かなり完成度の高い作品なのではないかと思います。 あれだけ沢山の登場人物、複雑な歴史、もっと複雑な日中関係が前もって予習して行かなかった私にもすっきりわかったのはストーリーがしっかりしているからでしょうね。 そういうところから見ても、すごい作品なのだと感じました。 ただ、「LK」を見た後の爽快感、「ユタ」を見た後の感動、そういうものはあまりありませんでした。 「素晴らしい物を見た!」という満足感はあるのですが、ビシッと私の気持ちをつかむものはあまりなかったかな。 でも、一緒に行った両親はかなり感動していたし、あちこちですすり泣きの声も聞こえていたので、すべての年代と言うより、戦争を体験した方が見るとより感動する作品なのかもしれません。 簡単なストーリーと見所 第一幕 シベリア テレビのCMにも登場するシーン、シベリアの原野で捕虜達が働いています。 荒涼とした風景、寒寒とした雰囲気が伝わってきました。 オープニングの歌は、切々と響いてきて、この時点で辛い舞台に引き込まれていきました。 アメリカ 明るい音楽とダンスのシーン。ほっとした気分になります。 四季のこういう華やかなシーン、大好きです!素晴らしいですよね。 秀隆と愛玲が、フォーゲル夫人、ワトソン氏の策略で出会い惹かれあうのですが、名前も国籍も語らないまま、再会を約束して別れる。 このあと、秀隆と愛玲がそれぞれ、相手を思って歌うところは、素敵です。 次の日、イギリス総領事館で、日本人、中国人であることがわかり、二人の周りは急にややこしくなって行きます。 二人を引き離そうとする神田、劉玄、宗花蓮… それぞれの愛国心、二人のことを思う気持ちが強ければ強いほど周囲の反対は強くなりますが、それと反比例してより強く惹かれて行く秀隆と愛玲。 上海事変をきっかけに、二人はそれぞれの国に帰らなければならなくなります。 お互いが、お互いを思いながら船のデッキ(ですよね)で、歌うシーンは素晴らしく、保坂さんの声に圧倒されました。 第二幕 シベリア シベリアで、再会する秀隆と神田。 二人の生きてきた道は全く違い、生きて帰る為にソ連のスパイになるサインをした神田、日本人の誇りを持って、どんな尋問にも決して首を縦に振らない秀隆。 このとき、歌われる「異国の丘」はブルブルするほど心に響きました。 一番感動したところです。 有名な「遺言」のシーン、私はそれほど… |