“長島ジャパン”に物申す

2004.08.30

日本国民に数々の感動を与えてくれたアテネ・オリンピック。しかし野球ファンの私にはとても悔いの残るオリンピックとなった。一発勝負的な要素のある野球だから、準決勝で豪州に負けたのは仕方がない。豪州の投手の投球はなかなか打ち崩せるものではなかったし、松阪もいいピッチングをした。中畑ヘッドコーチ以下コーチや選手も頑張った。しかし監督経験のない中畑ヘッドコーチを長島監督の代行として試合に臨んだ姿勢は全力を尽くしたとは言い難い。それなら最初からヘッドコーチは必要なかったということになる。王将のない将棋なら最初から負けだ。大会直前までオリンピックへの出場に固執した長島のわがままに、戦う者観る者全てが振り回された。長島は病に倒れた時点で他の監督を指名すべきだったと思う。「あきらめてくれ」と自分に言える人間が誰もいないことを察することのできない長島は、まさに裸の王様状態。マスコミも“長島ジャパン”などと、長島に気を使っているのか馬鹿なニックネームを使い続けた。私はアンチ・ジャイアンツではあるが、今回のことがあるまでは長島に好感を持っていたし、初めてプロ野球のトップ・クラスの選手だけで臨んだアテネ・オリンピックはチームの好き嫌いを超越して日本にはどうしても勝って欲しい大会だった。

とはいえとても名監督とは思えない長島が監督に選ばれたことには納得がいかない。また、長島が倒れたとき、私の知人には星野を監督に押す声があったが、中日ファンの私であってもそれには同意できなかった。星野は監督として日本シリーズに3回出場し全て負けている。オリンピック同様に短期決戦である日本シリーズでの采配や選手起用に長けた監督を選ぶべきであったろう。森が適任だったと思う。

ちなみにアテネ・オリンピックで私が最も感動したのは、柔道男子81kg級3位決定戦で、負傷した左腕が使えないながらも全力を出し切って勝利したロシアのノソフの執念だった。女子レスリングの解説に度々登場した山本美憂の美しさにも感動。

Home