プロ野球選手会の土日のストに物申す

2004.09.18

2004年9月18日土曜から祝日の月曜にかけてナゴヤドームで開催される中日・巨人3連戦を、私は東京から観戦に行く予定でいた。5年ぶりの優勝が目前の首位中日と2位巨人との最後の対戦とあって、中日ファンの私は名古屋まで観戦に行くことを楽しみにしていた。しかしその初戦前日金曜の夜、プロ野球選手会が翌日、翌々日の土日二日間のストライキを決めた。私はやむなく名古屋に住む両親に月曜のチケットを贈り東京に留まることにした。非は全て経営者側にあり選手会のスト決行もやむなしとは思ったものの、ファンが球場に足を運びやすい土日だけをスト決行予定日としていた選手会のやり方には疑問を感じていた。

ストの初日に自宅で虚しくテレビを観ていた私は、「中日が春季キャンプの場としている沖縄の北谷からやって来た親子がナゴヤドームを後にした」という報道を耳にした。私はその親の無念を思い、無性に悲しくなった。そして土日にストを決行した選手会に強い憤りを感じた。私がそうであったように、週末の休みを利用して遠方からの観戦を予定していたファンは平日に比べてかなり多いはず。特に学校のある子供連れであれば、球場近郊に住んでいないかぎり観戦は必然的に土日となる。これについての選手会の言い分は、「土日の方がインパクトがあるから」というものだったが、経営者にインパクトを与えながらもファンを大事にするのなら、むしろ平日全ての試合でストを決行すべきではなかったか。

北谷から来た親子にとって最初で最後となったかもしれない名古屋への旅は、生涯忘れえぬ悲しい想い出となったであろう。そしてそれがトラウマとなり、プロ野球、北谷キャンプ、あるいは名古屋の話題を耳にするたびに親子は心を痛めることになるかもしれないと思うと、名古屋出身の私はなんともやりきれぬ思いがする。私にも生涯に渡って忌まわしい記憶として残るだろうと思っていたプロ野球観戦の経験がある。約10年前の1994年10月8日土曜に行なわれた、勝った方が優勝というナゴヤ球場での中日・巨人最終戦での中日の敗戦だ。しかしプロ野球史上初のストという事態を迎え、私はその試合を観戦できただけでも幸せであったことを知ったのである。

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